第5節 守り人そして友達
誤字脱字あるかもしれません
翌朝
俺はいつも通り学校に行く支度をして家を出た
数十分後自分たちの教室に着いて桜さんの机の方を向いたがそこには桜さんの姿は無かった
チャイムが鳴り響いだやはり桜さんは来なかった
担任が来るなり朝のホームルームが始まった
黒板の前の生徒の机よりちょっと大きい机に椅子を持ってきて当たり前かのように座る
「えっとーー今日も1日勉強頑張ってねー」
やっぱりこの人はダメな教師だ・・・
前から思っていたが
今日で確信した
「あのー先生、桜さんはどうしたんですか?」
俺は先生に問いかけた
「あー桜さんね、今日は風で休みって連絡が来てたような」
「そうですか。ありがとうございます」
「お、澤永は桜さんの事が好きなのか?そうだろう、青春してんじゃんーー」
「ーーー違いますよ」
この感情は恋愛というより心配なのかもしれない
「お、それは本当か快人! 」
「違うって 輝も先生のノリに乗らなくてもいいよ」
「というか輝 担任の名前なんだっけ……」
「分からん! 」
口篭る様子も無く即答だった
「そんなはっきり言われてもなー」
「先生、名前はなんですか?」
輝は何の躊躇いもなく聞いた
「そうだな湊って呼んでくれてもいいぞ」
「湊先生だそうだ快人」
「あ、ありがとう」
ちょっとズレてしまったがまた明日来ていたら桜さんに聞きに行こう
そう思っていたがいきなり右から三橋さんが話しかけてきた
「澤永君と朝北君、今日桜さんの所へお見舞いに行かない? 」
「え? 」
2人は息を合わせてそう言った
「だってさ、やっぱりみんなで行ってあげたら桜さんも元気になるかもしれないじゃん」
「いやいや 逆に風邪が酷くなるでしょ。」
「じゃあ代表一人が行こうよ! 」
輝が快人の方に目を輝かせてそう言った
「じゃあ決まりだね。」
三橋さんも輝もこちらを見て何かを察しているかのように微笑んでいた
「ちょ、まっ 2人ともこっち見てるけどもしかして俺が行けと?家は?分からないけど」
それはそれは嫌そうに言った でもふと思った
これはいい機会なのかもしれない
「大丈夫。放課後3人で先生に住所聞きに行こう!」
そして放課後になり湊先生に住所を聞きに行った
「港先生ー桜さんの所にお見舞いに行きたいので住所教えてもらえないですか?」
1番話し上手な三橋さんに言ってもらった
「あーいいよ」
あっさり住所を聞き出せてしまった
あの教師、他人にあっさり住所教えるなんて……
何でも言いそうな口だ
2人とは駅前で別れて俺は桜さんの家に向かう事にした
住宅街を歩いていたのだが夢に見た場所とほとんど同じだった
「あの夢は本当に本当なのか…」
そうしているうちに桜さんの家に着いた
桜さんの家は夢に見たものと全く一緒だった
桜と書かれた表札の横にあるインターホンを鳴らした
数秒したらインターホンから「はーい」
と聞こえたので
「あのー桜さんの家でしょうか」
と聞いてみた。
「そうですけど、なにか?」
「美希さんはいますか?」
女の子の名前を下の名前で呼んだ事はあまり無かったのでちょっとだけ緊張した
「風邪で今は美希の部屋のベットで横になってるよ。お見舞いに来てくれたんでしょ?どうぞ上がってー」
「あ、はい。ありがとうございます」
そうして桜さんの家に入った
「お邪魔します」
「美希の部屋は2階に上がってから左に行って突き当りの部屋だから」
40歳近いおばさんが来てくれた インターホン五時に話していた人だろうか
「ありがとうございます」
そう言って行こうとしたら左の部屋のドアが開いていたのでつい見てしまった
え…まるであの夢の時とソファーの色や形は違うが間取りはまるで同じだった
そう思いながら進んでいたら桜さんのの部屋の前に着いてしまった
俺は部屋のドアの優しくノックしてこう言った
「桜さん。いる? 」
「え? この声はーー澤永君? 」
声は小さかったが微かにそう聞こえた
「入っていい?」
「ちょ ちょっと待って」
中でなにかしている様だった
三十秒程してからドアがゆっくりと開いた
「待たせてごめんね 入って」
下を向いて照れながらぼそぼそと言った
俺は桜さんに言われて座った
「何も出せなくてごめんね 」
「いやいや、いいよ。それより風邪は大丈夫? 」
「何とか大丈夫。ちょっとまだ熱はあるみたい…」
「じゃあ桜さんはベットで寝てて」
「ありがとう そうする」
「ーーー桜さん。昨日の話なんだけど」
「そうだよね、やっぱり気になるよね」
「話したくないなら全然いいんだよ」
「あのね、8年くらい前かな、明日はお母さんとお父さんと一緒に遊園地に行く予定だったの
それでね、私はお母さんと明日の遊園地の事リビングで話していたらいきなり窓ガラスが割れて刃物を持って黒服の男が入ってきたの」
あの時の夢の男か…
「その男は笑顔で私達を殺そうとしてきたの、
そしたら私の方に向かって走ってきてその刃物を私に刺そうとしてきてお母さんがそれを庇って刺されちゃったんだ。」
「辛い事ばっかり言わせちゃってごめん」
「いや、いいよ。それでお母さんが美希ーー
逃げて、って言って床に倒れたの
床はお母さんの血で赤色だった それで私は
動けなくなって耳を塞いで目をつぶっていたら
お父さんが来てくれて、美希 逃げろ
そう言って黒服の男に向かって行ったの」
「黒服の男…許せないな」
「お父さんも刺されちゃって もう何が何だかわからなくなって逃げようとしたんだと思う
そしたら黒服の男が私を蹴り飛ばして気絶しちゃったんだと思う、それからあまり覚えてないの」
「そうなのか、ありがとう」
「警察の話によると女の子の悲鳴を聞いて近くに居た人が助けに来てくれたんだとか…黒服の男は一緒に倒れていたって聞いたよ」
まさか俺はその助けに来た男になっていたのか?
そんな事が本当にあっていいのか……
「ありがとう。よく分かった
俺も父さんが居ないからちょっと、いや
ほとんど分からないけど 少しは分かる気がするよ」
「それから私はずっと独りで寂しかった、寂しかったの」
「うん うん」
「それから高校に入るまで友達はちょっとしか作れなかったの、もしみんなと居るとまたあの男が
来るんじゃないかって。もうトラウマになっちゃって」
「それで澤永君がこっちを見ていてちょっと怖かった
でも勇気を振り絞って澤永君のところに行ってみたの、そしたら何も無いって言ってくれて
それでこの人と友達になりたい! って思っていたけどなかなか言い出せなくて… 一緒に帰る? って言ってくれて嬉しかった」
「これからは俺が…いや 俺達が桜さんの友達になるから安心して。もうあんな目にはあわせない
これからはずっと友達だ。そして俺達が桜さんを守る」
「うん、ありがとう」
桜は下を向いて今にも泣き出しそうな顔だった
「俺はそろそろ行くよ、 今日は色々とありがとう」
俺は立ち上がりドアに向かって歩こうとした
「待って」
桜は澤永の制服を軽く掴んだ
「今日はありがとう、ちょっとスッキリした
今まで誰にも言ったことなかったから
また明日ね、ばいばい」
照れながらそう言ってくれた
「うん! そう言い残して俺は桜さんの家を出た」
ちょっと長くなってしまいました…