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異世界にて魔術家庭教師に再就職しました。  作者: 時雨
異世界転移編
5/33

創造者

メイドに案内された部屋で用意された服を預かる。

どうやら見たところ俗にいう『ローブ』のようだ。

全体的に黒で、飾り気は少なめ。

唯一アクセントがあるといえば胸に紋章があることだろうか。

盾と剣が交差し、その後ろには獅子のような生き物が描かれている。

何の紋章なのかはわからないが、とりあえずかっこいいので放しておこう。

部屋の中を見回してみると、客室用の部屋なのか最低限の家具以外は何もなかった。



あぁ―――できれば今夜は路地裏じゃなくてゆっくりと柔らかいベッドで休みたいなぁ。



正直言って昼間堅い場所で寝てしまったせいでいまだに体の所々が痛んでいた。

いつも柔らかいベッドで寝ていたせいか堅い床に極端に疲労を感じてしまったようだ。

学生時代はよく机なんかで昼寝していたので床でもどこでも寝れるような気がしていたが俺も年を取ってしまったという事か…。

そんな自分も着々と年齢を重ねて行っていることに地味にショックを感じていると扉から「コンコン」とノックする音が響く。



「カグヤさん、ステータスカードを持ってきました。入ってもよろしいですか?」

「あ、あぁ、大丈夫だ」



するとガチャリ、と音を立てて扉が開き、アイセアが顔をひょっこりとのぞかせる。



「これがステータスカードです」



そういう彼女に差し出された手には名刺より一回り大きいくらいのカードがあった。

ぱっと見何も書かれていないまっさらな紙(?)のようだがこれから浮かび上がってくるのだろうか。



「少し痛いかもしれませんが針で指に傷をつけて血を一滴垂らしてみてください」

「血?をこのカードの上に垂らせばいいのか?」



裁縫針のような針を親指に少し刺すと、チクリとした痛みと共に「プクッ」と血が出てくる。

それをさかさまにし、カードに向けて垂らす。

すると不思議なことに血液が垂らされたところを中心に波紋が生まれ、文字が浮き出てくる。

一度浮き出始めてからはあっという間に文字がすべて浮かんできた。





カグヤ・アマクサ

レベル:1

年齢 :22歳

性別 :男

種族 :人間

職業 :

魔術 :創造者(クリエイター)

称号 :創造者・降り立ちし者・惰眠・守銭奴



っておい。

誰が守銭奴だ誰が。

ま、まぁ"思い当たる節"が無くもいないんだけど。

とにかくそんなことより気になることがあった。

俺の魔術の欄に何かよくわからないものがあったのだ。

創造者(クリエイター)…?」

これはいったいどんな魔術なんだろうか。

てっきり最初に覚えている魔術は小さな火を出したり水を出したりだとかそんなんだと思っていたんだけど。

名前に火も水も入っていないところを見るとそういう属性系ではないのかもしれない。


「アイセア、これどんな魔術なのか知ってるか?」

「えーっと、すみません。聞いたことも見たこともないです。もしかしたらお父様ならご存知かもしれませんが」

「これどうにかして調べられないのか?」

「職業や魔術、称号に関しては触れると説明が出てくると思います」



ふむ、何とも親切設計だ。

ポチっとなっと。



創造者を人差し指で押してみるとこんな説明が浮き上がってきた。





この魔術は術者の魔力を消費し、ありとあらゆる物を作り出すことが出来る。

魔力の消費量は精密さや大きさに比例して大きくなる。

また、作り出す物は術者がその構造について深く理解していなくてはならない。



―――なんだこれ。

つまりあれか?もしアサルトライフルの作り方が完全に頭に入っていれば今ここで魔力さえ問題なければ「タッタラターターター!あーさーるーとーらーいーふーるぅー!」的なこともできちまうってことか!?

なんだそれチートすぎんだろ…。

まてよ?この能力を極めて行けばきっと相当な大金が手に入れられるはずだ。

そうすれば――――俺はこの世界で大金持ちに――――。



「フフフ…」

「か、カグヤさん?」

「フゥーハハハハハハハハ!!!!!」

「か、か、か、カグヤさん!!?」

「はっ!?お、おれはいったい何を…」

「だ、大丈夫ですか!?」

「だ、ダイジョウブデス」

「なんだか口調変わってますよ!?本当に大丈夫なんですか!?」



つい妄想が爆発して柄にもなく高笑いをしてしまった。

何ともお恥ずかしい。

え?お前のステータスカードに『守銭奴』があった理由がよく分かった気がするって?

何を失礼な。

俺は大変清廉潔白な一般市民ですとも。

ちょっと妄想が過ぎるのとお金を稼ぐのが好きなだけのね。



隣ではいまだ俺を心配してあたふたしているアイセアがいる。

着替えも準備も終わったしそろそろ行かなくちゃいけないだろう。

この魔術のことも聞かなくちゃいけないしな。



「さてと、そろそろ行こうか。」




この土地の一番偉い人のところへ。





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