表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

日曜日さん

 日曜日に出会ったその人は、


 とても綺麗な目をしていた。


「長瀬マナ、といいます」

「マナちゃんか。宜しくね」


 それは生まれて初めての“一目惚れ”で、私は夢の中にいるような心地でその人を見つめていた。

 本当に、綺麗な目だ。

 吸い込まれそう、というのはありきたりな表現だが、その人の目の中にはまるで果てしない宇宙が広がっているように見えたのだ。しばらく見つめていると、その人は不思議そうに尋ねてきた。

「……俺の顔に、何かついてる?」

 私は慌てて首を横に振る。そして思わず、

「き、…綺麗な目だなぁって、思って…」

 などと、本音を口走ってしまったのだ。するとその人は呆れたように笑って言う。

「君も、綺麗だよ」

 頬が熱くなっていくのを感じて、私は俯いた。この人はとても良い人なのだ。こんなキザな台詞が板につくくらいには。

「ほら。君はもう、俺と離れたくないでしょう?」

 離れたくない。もう少しだけ、一緒にいてお話ししたい。明日になったら、アイツと会わなくちゃいけない。この人と次に会えるのは、来週の日曜日―。一週間も会えないなんて、辛い。

「でも、もう行かなきゃ。また来週」

「待って。行かないで」

 しかし、無情にもその人は、私を置いて去ってしまう。

「まだ、やりたいことがたくさんあるのにっ…!」

 時刻は午後11時半を回ったところ。


 …嗚呼、また月曜日が来る。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ