12ちゃんねる 最終話
翌日、普通通りに出社し、仕事をこなす。
だが、どうやって仕事をしていたか全く覚えていない。
なんとか、仕事を終わらせた。
スマホをみると掲示板には、200を超えるコメントが書き込まれていた。
内容を見る必要などなかった。
どれも同じような興味本位の書き込みばかりだろう。
約束の場所は会社の屋上。
加藤が飛び降り自殺をした場所だ。
加藤が飛び降りして間もないころは、立ち入り禁止になっていたが最近やっと解除された。
屋上の鉄製の重たいドアを開ける。
扉を開けると、すでに常盤めぐみは立っていた。
無意識に刃物がないか見てしまう。
どうやら手には刃物を持っていないようだが、小脇に抱えたカバンに入っている可能性もある。
そんなオレの視線を感じたのだろう。
「そんなに警戒しないで。包丁なんて持ってきてないわ。今日はお礼が言いたかったの」
「お礼?」
「そう、あなたは加藤さんと私の写真をばらまかないでくれたでしょう」
「ああ。そのことか。ばら撒いたりしたら、事件性が疑られるからな」
「そうね。でも、あなたならもしかしたらばらまくのかもって思った」
「オレもいろいろ考えたよ。加藤さんはきっと金は作ろうと思えば作れた。でも、自分が死ぬことで家族やあんたを守ったんだな」
「....」
「それに気づいたらそんな気にはなれなかった」
「...それには感謝している。でも、どうしても私はあなたが許せない。加藤さんにしたこと、私にしたこと」
彼女は、おもむろにバックからスマホを取り出す。
そしてスマホの画面をこちらに向けてきた。
その画面には見慣れたサイト『12ちゃんねる』が映し出されていた。
「あなたがホテルで寝ているときにスマホを開いたら、このサイトをみつけたわ」
「もしかして、ずっとしっていたのか?」
「ええ、あなたが私の写真を何度もアップしているのも知っているわ。だから、私も登録したの12ちゃんねるに」
こんなことがあっていいのか...!頭がおかしくなりそうだ!!
「私はその掲示板に浮気していることが会社の同僚にばれてしまい、毎日のようにホテルに呼び出されていることを書いたらたくさんの人が私のスレをみてくれた」
彼女はスマホを操作している。
「12ちゃんねるの人でとても親切な人がいて、あなたの名前を教えたら、いろいろしてくれたの」
彼女がスマホをみせてくる。
そこには、『特定した特定した特定した特定した特定した』と延々と書き込まれ。
おれの通勤時の写真やら自宅の写真や実家の住所までもが晒されていた。
「あなたのことを警察に言って捕まえてもらうことならできた。でも、それでもいつかは刑務所からでてくるでしょう。だから私はあなたと同じやり方であなたを苦しめたかった」
あたまの中がまっしろだ。
その時オレのスマホにメールが届いた。それも一件や二件じゃなく大量に。
メールを開く。
『特定しますた』
『特定した』
『特定しますた』
.......
よろよろと、常盤の方に進む...
「おしまいね...」
常盤を襲う気力さえない...
常盤の横をすり抜け屋上の柵を越えた。
そこでスマホで12ちゃんねるで最後のスレをたてた。
『明日殺されるかもしれないの結果〜〜〜』
その結果は12ちゃんねるをやっている奴ならみんなわかっているんだろ?
了




