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やっつけ転生〜絶景スポット探してたのに、なぜか救世主ポジにされて困ってます〜  作者: アサゴ


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第六話 我が輩は子どもですが中身は150歳と主張するヒヨコ

ニワトリヒヨコは消え、半透明の赤い鳥が来夢の胸の中に入り、残ったのは目の前にある4つの卵のみ。


あんなに可愛かったヒヨコが一晩でニワトリに進化しただけでも悲しかったのに消えちゃうなんて。

あの愛らしいヒヨコちゃんが・・・フワモフ・・・俺の癒やし!


ズーン。


『チュニ、俺3日は立ち直れない』


「弱さを恥じる必要はないっちゃ、

だが弱いままで在り続けることだけは許されん。

ここから強くなるっちゃ。来夢」


なに言っちゃってんの。

全く刺さらないチュニの言葉。


はぁ。


最初は真っ白だった卵が赤い鳥の出現以降、色が変わった。


左から赤、緑、黄、黒


赤色の卵の殻は滑らかで、触れると僅かに熱い。

赤というより、深い焔色。角度を変えると、殻の中で炎がゆらめく影が走る。



緑色の卵は、唯一 柔らかい光”を宿している。

緑は草原の色ではなく、若葉が息を吸った瞬間のような瑞々しさ。


触れると、不思議と心が穏やかになる。



黄色の卵は、黄色というより雷光の軌跡

殻は表面に細い稲妻が走っているような紋が刻まれている。

近づくと、髪がふわっと逆立つ。


黒い卵の色は夜の色ではなく、深い地の底の色。

光を吸い込むように沈んだ漆黒で、光沢は控えめの、美しい翡翠だ。


ただならぬ気配の卵達。


食い入るように卵を見つめていると、左から2番目の緑色をした卵の殻がピシッピシッとひび割れてきた。


卵の殻がブルブルと震え、細かなひびが四方へ走っていく。


何かが出てくるのか?

息を飲んで来夢は見守った。


そして、ついに殻が弾けた。


ぱかんッ!


「ヒヨコ!!?」


嬉しさのあまり叫んでしまった。


まるで世界が「どっきり」を仕掛けてきたかのように、ふわふわの毛玉が卵から飛び出したのだ。


八百屋神様ぁぁぁぁ!!!

グッジョ〜ブ!!!!


ヒヨコの姿だが少し進化したのだろうか?


身体は一回り以上も大きくなり、瞳の奥が深緑に光り、羽先には植物の魔力がふわりと宿る。

全身は黄緑色だ。


来夢は思わず距離を詰めた。


『……お前、本当にヒヨコか?』


ヒヨコはこてん、と首をかしげ、返すように短く言った。


「ヒヨコにございます」


『ん?しゃべった!?子どもの声?』


「子どもなどではございません!

いや、ヒヨコなので子どもでしょうか?

嘘を言いました、我が輩は子どもです。すみません。

ですが中身は150歳なので大人ではないでしょうか?」


んんんんんん??


『何言ってるの?ヒヨコ』


「ヒヨコは子どもだけど150歳は大人ですよね。

なのでどちらが正しいのでしょうか?

卵が先か鶏が先かと同じくらい大問題です」


?????

ヒヨコさん、めっちゃしゃべりますやん!

しかも流暢すぎる。


『大人なんだね〜ヒヨコは』


喋りすぎるところもかわいいなぁ。

とりあえず話を合わせた。


「そうです!主が大人というのであればヒヨコは大人なのでございます」


主?誰が?俺かな?辺りには精霊と俺だけしかいない。


精霊曰く


「お前の眷属だっちゃね。こいつ「ら」」


んん?

眷属って従者ってことだよな?

ヒヨコが眷属〜!?


異世界に来てからというものの、不思議なことが沢山起こりすぎて、俺の心臓は何個あっても足りない。


ヒヨコ消える、赤い鳥俺の中、腕輪、卵4つ、そして進化したヒヨコ到来、眷属らしいこいつら・・・・


こいつ「ら」ってことは後3匹でてくるのか〜!!


次はどんなヒヨコが出てくるんだろう?

こんな子どもみたいな中身おっさんじゃなければいいな。可愛いんだけどね!!!!


「眷属には名前をつけてあげるっちゃね」


そんなしきたりがあるのね。

名前か〜、名前ね。

ヒヨコこどもおとな

ヒヨコードモート

ヒヨコードート

ヒョドート


うん。


『お前の名前はヒョドだ!よろしくな!』


人のこと言えない位安易な名付けだ。


「名前を頂戴し、ありがたき幸せにございます。

どのくらい幸せかと言いますと目の前に芽命草が沢山あってその上でゴロンゴロンころがっているが如き幸せであります」


『そ、そうか。それは良かった』


発想が可愛くて癒される・・・。


芽命草好きってことは、中身はやっぱりヒヨコだったんだな。


ヒヨコの子どもおっさん、なんか癖になる。


そしてまた次の日。


また卵にヒビが入ってきた。


次は黒い卵だ!

この光沢のない闇みたいに漆黒の卵からもヒヨコが生まれるのだろうか?

黒いニワトリと言えば烏骨鶏だよねぇ。

一度でいいから烏骨鶏の卵食べてみたいんだよね。


来夢が卵の殻をノックすると、卵の内側から

コン……コン……

と規則正しい反応が返ってくる。


返事返ってきた!生まれる前からコミュ力たかっっ


ひびは静かに広がり、

淡い翡翠色の光が内側から外へ漏れ出す。


光が溢れた瞬間──

パキンッ!

と殻が四方へ弾け飛んだ。


だが中から出てきたのは、

羽化したばかりの生き物ではない。


黒い卵の内側に、

翡翠色の繭 が一つ、静かに脈打っていた。


まるで卵の中にもう一個の生命器官があったようだ。


『え、繭?なんで卵の中に繭があるの!?

ヒヨコじゃないよねこれ!』


その繭は、殻に触れていた部分からじわじわと殻を吸い込んでいく。


ひよこ由来の卵殻は生命力の塊。

それを繭が吸収し始めた。


コツ……コツ……

シャリ……シャリ……


繭の内側から、

何かが殻を食べている音 が聞こえた。


まるで外の世界へ出るために

殻そのものを糧にしているような静かな音。


『ねぇねぇ、なんか食べてない?この音・・・』


美味しいのかな・・・

そう思いながら手で卵に触れると、味見スキルを発動した


鑑定結果

――始源生命卵しげんせいめいらん【激レア】


分類:特異個体・大巫女系統・変異種

状態:内核覚醒済み

備考:通常孵化不可。内部に第二生命殻(繭)を形成中。


ちょ待てよ!

卵激レア!

しかも特異個体ってなに!

覚醒済みって!


この繭の中から一体何が出てくるんだよ〜!!!


その殻には、生命力の核が宿っている。


繭はそれを余すことなく吸収していた。

翡翠の光が急に脈動し、


バンッ!!!


と繭の表面に亀裂が走り、

中から影色の液が霧のように噴き出した。


霧が晴れたとき──ソレは姿を現した。


その存在は人型。

だが、人間にはない特徴を持つ。


瞳は翡翠色の複眼がゆらめき

背中には“影の膜”が羽のように揺れ

肌の下には翡翠色の脈動が走る


そして、淡く翡翠が残る繭の破片を

肩と腰に装飾のように纏っている。


口元にはまだ、

卵を食べた直後の名残の翡翠の粉がわずかに残っている。


生まれた瞬間から、

その姿はただの進化ではなかった。


光が静まると同時に、

ソレは来夢へ向き直り──


膝をつき、深々と頭を垂れた。


「……主様。

 我が生命、いまより貴方に捧げます。」


声は落ち着いた大人の女性だ。


激レア卵が生んだのは、

生命の核を受け継いだ 女王アリだった。


『蜂?人型の蜂ってところかな?背丈はスマホ位だからすんごい大きいね!あ!さては女王蜂でしょ!?うん、全然かたいことなしでいいよ!』


「我は蟻です主様。翡翠の生命卵の殻を食べ突然変異した模様です」


『あ、蟻!?ごめん間違えたよ!』


毎日会ってる彼女に髪の毛切った?って聞いてもう1週間くらい前だけど?って言われた時と同じ気まずさが漂う。

名前どうしよっかな。名前はしくじらないようにしなきゃ。


蟻は英語でアントだよね。


たまには真面目に考えなきゃな。


殻を叩いた時に反応が良かったよな。


うん。決めた。


『今日からあなたはアント・エコーだ』


「はっ。主の一声、我が千の影を動かすりつ。この命、捧げましょう。」


うん?

よく分からんが、まっ、気にしないでおこう。


「主よ。

この影がひざまずく相手は二柱だけ。

あなたと……大巫女様です。」


果て?大巫女様とやらはどなたか存じませんが、みんな仲良ければそれでよし!


『……まあ、みんな仲良しならそれでいいよ』


「はっ!」


その日の夜は祝宴を開いた。


俺とチュニは相変わらず肉が美味しいらしく。


ヒヨコのヒョドには芽命草を沢山摘んで来てあげたら


「主!このメメイグサとっても美味しくて嬉しくて今にも天に昇りそうです!どのくらい嬉しいかと言いますともういつ死んでも悔いはありません」


『今日産まれたんだからちゃんと生きてくれ』


「痛み要ります主〜!!」


女王アリのエコーはというと、何も口にしようとしない。


『お口に、合わないかな?』


「否、わたくしめはお腹いっぱいにて、お気になさらず」


『それならいいんだけど・・・』


少食なのかな?さっき粉が口の周りにつくくらい卵の殻をたらふく食べてたからなぁ。ふふ。


残る卵は2つだ。

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