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リライフ  作者: おじぃ


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ツチウラサクラ4&マヌケフガオの武勇伝

フガオさんに続き、私の自己紹介を一通り終えた所で、彼(?)は机の下からA4サイズの紙を取り出した。


「さ~てと、とりあえずこの紙に地球での住所と名前に生年月日、あと性別の欄にマルつけて、印鑑の代わりに指を朱肉に着けて氏名欄の右隣りにある指紋の欄に指紋をべったり付着させてね~。それと、就きたい職業があったら備考欄に書いてね~」


どうやらこの紙の記載事項に基づいて住民登録手続きを行うようだ。備考欄には、小さい頃から憧れていた、『ケーキ屋さん』と書いた。


「はい、これでいいですか?」


「え~と、地球での住所は神奈川県 茅ヶ崎市(ちがさきし) 東海岸(ひがしかいがん)、名前が土浦(ツチウラ) (サクラ)、1988年4月29日生まれ、女、はいオッケーだよ~ん。まぁこれから、ウチ等にとっては短い付き合いかもしんないけど、キミにはとっては長い付き合いになると思うからよろしくね~」


「はい、こちらこそ、よろしくお願いします!」


「ほ~い、じゃあこれからキミが住むこの国について説明するよ~ん」


「はい、お願いします」


「この国の名前は『日本王国(にほんおうこく)』っていって、王が主権を握る王国なんだけど、この国の国王は、ボクチャンとは腐れ縁の『トノサマフンガ』だよ~ん」


『王国』のトップが『トノサマ』なんだ。『王様』じゃないんだ…。


それに、タレントのフガオさんと国王が腐れ縁って、つまり友達ってこと?


やっぱり地球の常識は通用しないのかな?


「トノサマフンガとは後で会ってもらうとして、折角だからここでボクチャンがバイトを始めたきっかけとなった、後世に語り継げる武勇伝を話してあげるよ~ん♪


もちろんサクラもこんな武勇伝の持ち主と知り合えた事を誇りに思っていいからね~♪」


フガオさん、そんなに凄い事したのかな。私は少しワクワクしながら彼の話に耳を傾けた。


◇◇◇


マヌケフガオ、職業、タレント。年収、三千万円前後。物価は地球の日本と同じ。


街はクリスマスムードで賑わっていた給料日、ボクチャンは自分へのクリスマスプレゼントとして一儲(ひともう)けしようと、生まれて初めてパチンコ屋に行ってみた。


ちなみに『ボクチャン』という表現、地球では変わった言い方だけど、フンガ星では地球人の『私』くらいごく普通に使われる一人称だから気にしないでね。


パチンコ屋の自動ドアが開いた途端、パチンコ玉のジャラジャラした音や、騒音と化した音楽などが全身を(おお)った。


市街から少し外れた古い店だけど、さすが地域一番の出玉提供店。殆どの台が客で埋まっていて、座席の横には玉がぎっしり詰まったケースが幾重(いくえ)にも重なっている。


よし、今日は台の設定が緩い日だ。これなら勝てるぞ。


ボクチャンはそのまま真っ直ぐ進み、空いていた中間左側の台に勝負を挑んだ。


フンガの手足は人間のように五本の指ではなく、かなり短足ではあるが、構造は馬の脚そっくりだから、『押す』以外の動作は難しい。そのため、地球のパチンコ台のようにレバーはなく、全てボタンで操作する。


ではパチンコメーカーはどうやって台を製造しているのか、それは追い追い分かるよ~ん♪


初心者のボクチャンは、とにかくボタンを押しまくる。現段階で既に五千円スッているが、年収三千万のボクチャンにはそのくらい端金(はしたがね)、気にせずお金を()ぎ込み続けた。


一昔前は、口で咥えて払っていたお金だけど、つい数年前に静脈認証やDNA情報での支払いが可能になり、財布をぶら下げる必要が全くなくなった。


そのためか金銭感覚が麻痺し、みるみる所持金の数値が下がっていく。


いつの間にか五万円ほど使っていた。


しかし、殆ど玉が出ない。左右隣の客たちは玉のタワーが出来てるというのに。


なんだかイライラしてきたので左肩に挿してあった葉巻を吸ってみる。フンガ星の葉巻やタバコは、吸うと勝手に点火する仕組みになっている。


「お客様、店内は禁煙です。喫煙はご遠慮ください」


「うるせーば~か、こっちは今 集中してんだよ!」


ガシャン!


ドラえもんより掠れた声を出す、店が所有するステンレス製の『ロボットフンガ』がボクチャンの集中を妨げたので、左足で一発蹴ってやった。


「ろろろ、店内での暴力行為!! イエローカード!! 三万円、没収~!!


イエローカードが三枚貯まるか、レッドカードを一枚でも貰った場合、貴様(キサマ)を厳重に対処致しますのでご承知ください」


言うと、ロボットフンガはボクチャンの身体に触り、勝手に三万円分のマネー情報を吸い上げた。


宇宙より寛大な心を持つボクチャンの堪忍袋の緒がついに切れ、ロボットフンガを一喝してやることにした。


「テメェなにしやがんだこんにゃろー!! こうなったら再起不能にしてやるーっ!!」


ボクチャンはその場でロボットフンガをボコボコに殴り、終いには椅子の上に二足で立ち、ジャンプ して跳び蹴りしてやる事にした。


「オッラァァァァァ!!」


バシンッ!! ガシャンッ!!


プシューッ!!


ピピッ!! ピッ、ピッ、ピピッ!!


ロボットフンガは煙を吹いて無線のような変な音を立て、そのまま倒れた。


ボクチャンはついでにパチンコ台も跳び蹴りしてぶっ壊し、大量の玉を獲得した。


騒音に包まれた店内、ボクチャンの反抗に気付いた店員はいない。


スッキリしたボクチャンは、意気揚々と玉のタワーを背中に載せ、カウンターに持って行った。


そこで、事件は起きた。

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