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第1章⑦ 魔法陣と、王子と、父親と

たしか、魔法陣て、あれよね?



転移したりとか

精霊や悪魔を呼び出したりとか

ある漫画だと魔法陣描くと魔法がでて、

モンスターを攻撃したりしてたものね。




たしか、この漫画の世界でも

魔法陣が出てきてた気がするんだよね。

最後の方で悪い魔法使いが出てきて

魔法陣で悪魔を召喚するんだけど

2人の愛の力で最後は消し去る

とかじゃなかったかしら?



最後まで読むの

面倒だったから

ネタバレのサイト見て

終わらせてしまったのよね。




ちゃんと読んでおけばよかった!




でもまずは、この世界での

魔法陣の定義とか知らないと

いけないかもなぁ。



「………ーユ、ミレーユ〜」



はっ。



「どうかした?なんかぶつぶつ言ってるけど」

「え、いや、なんでもないでふっ」



噛んだー。

まだ子供だからか

したったらずなのよね。

よく噛むし。とほほ。




「ねえ、なんで魔法陣だってわかったの?」




ジルラークがメガネを抑えながら

ミレーユをじっと見る。



え、っと。。。



普通は、わからないのかな?

みんな、ただの「絵」だと思うのかも。

「漫画で読みました!」なんて言うわけにも

いかないもんね。



「この間読んだごほんに

魔法陣のお話が出てきたので…」




すると、突然ジルラークがガバッと

目の前に迫ってきた。



「どんな本?題名は?」

「えっ…とぉ」



ななななんで、そんなに

急にかぶりついてきたのかしら?

魔法陣を知ってるって、

そんなにやばいこと!?




多分、ジルラークは

家の中にある本の内容は

全て把握してるっぽいから

下手なことは言えない。



この世界には子供向けの、

絵本なんて存在しないから

適当な嘘もつきづらい。




こんなことで、墓穴を掘るわけにいかないから

どうしよう………。

あ、そういえば




「お……」

「お?」

「おととい…あたりに

1人でお庭をお散歩していたら

ご本が落ちてて、そのご本は、

しゅじんこうが魔法陣をかいて

敵をたおすおはなしだったんです。

お兄様が描いていらした魔法陣が

よく似ていたので」




そうそう、そんなこともあったわね。

よかった!誤魔化せるネタがあって!


庭を散歩してたら分厚い本が落ちてて

適当にペラペラめくっていたら、

魔法陣だらけの本だったのよ。




前の世界で魔法陣の話なんて、いくらでも

出てきてたから、なんとなく

絵が魔法陣ということはわかったから

今回はつい、口が滑っただけなんだけど、

こっちの人は見ただけなら

ただの「絵」になるのかも。

魔法陣だと判断しないのかもね。




攻撃魔法のところとか

物語仕立ててちょっと面白くて

読んでしまったんだけど、

勝手に読んで誰かに怒られても嫌だから、

そのまま放置してきたんだよね。




「その本はどこに?」

「お庭に…落ちてたから…少しだけ読んで

そのまま置いておきました」

「なんで!?」

「え!ええ…と……もちぬしさんが

取りに来るかもしれないと思って」

「……はぁ………」




な、なんかジルラークが

すごくがっかりしてるみたい。



「ミレーユ、それは一昨日あたりかい?」


あら?アルノルトまで、なんだか

心配そうな顔してる。なんで?


「あ、…はい」

「どのへんで?」

「ど、ど、どのへん?えっと、薔薇のお花のしただったような?」


ななななんでこんなに前のめりなの!



たぶんだけど!

なんとなく!


そこまで場所を気にしてなかった。

違ってたらごめん!



「そこに描いてあったのは

魔法陣のお話なんだな?」




「ええっと、」

「薔薇の木の下だな?」

「うううう………な、なんでお兄様たちそんなに聞くんですか?」




ボロを出したくないこともあり、少し震えながら聞いてみると、兄たちはハッと気 したようで

顔を見合わせて「はぁ」と同時にため息をついた。




「ごめんね、ミレーユ。驚かせちゃったね。実は、そのミレーユが話していた内容っぽい本が、1週間前からか、図書室からなくなってしまったんだよ。」



「え」

「話してる内容も合ってるし、無くした時期も近いから、もしやと思ってね。大切な魔法陣についての本だったから」

「え」



「その本を読んで、ミレーユはなんともなかったか?」

「なんともなかったか?と、いいますと?」

「人によっては、あるページをめくるとその魔法陣の魔法が発動して、場合によってはどこかへ転移してしまうことがあるらしくて」

「え」

「ああ、すごく危険な本なんだ」

「え」

「何もなかったんだな?」

「え、ええ。元気ですわ」

「しかし、攻撃の魔法陣のところ読んで、大丈夫だったとは運がいいな、ミレーユは」

「え」

「あれも場合によっては発動するかもしれなかったからな」



えええええええええ。




あんぐりしながら、固まってると

兄2人がさらに話し始める。




「まずはそこに行ってみよう。

まだ落ちているかわからないが。」

「僕も一緒にいく」



バタバタと2人とも走って行ってしまった。



ポツーン。




ガーン!

そ、そんな危険な本だったのー!!

っていうよりも、そんな本盗まれてるなよ!

公爵家!!


そういうのって、

「不祥事」ってやつじゃないのか?



攻撃魔法のところ、昔読んだ本の内容と

被ってたから、ペラペラしながら

よんだけど、特になにも

なかったけどなぁ。




でも、さっき

転移魔法がどうのって

言ってたよね。

っていうことは



転移魔法はこの世界に存在するのね!

やったー!!



なんとかして使えるように

なりたいわ!だって、使えれば

浮気王子に殺されそうになっても

間一髪、逃げられるかもしれないじゃない!



でも、今はまだ

転移しなくてよかったぁー。



この屋敷から早く逃げたい

気持ちはあるけど、今は

時期尚早だものね。



全く準備できてないし

転移された場合によっては

魔獣に食べられたり

悪い人に奴隷にされちゃったり

しそうじゃない?



そんなの困る!

いやいや、それよりも今は魔法陣の本を

見つけないと、よね。



しかし、そんな本があるのかぁ。

もうちょっと、ちゃんと管理してて欲しいなぁ。

警備はどうなってたのよ。

場合によってはその本があるだけで

事件が普通に起こせるじゃない!




まあ、だから2人のあの

焦りようだったわけだけどね。



ってあれ?もしかして盗んだ犯人て、

この物語の最後にでてくる

悪い魔法使いの可能性、、、

ってこともあるのか?



自分の死亡フラグ回避のことばかりで

ちっとも気にしてなかったけど、

物語ラストの事件で

魔法陣の本がどーのこーの、って

話があった気がする。



ってことは、ラストの事件の発端は



ここ!? 




なんて厄介な家なんだ。。。




それから、ドルメネール家の

庭中の捜索が大々的に行われた。



けれど、その本は結局

見つからなかった。



わたしも何度も

事情聴取みたいな感じで

現場に連れて行かれて聞かれたが、

同じ場所にはなかったのだった。




誰かが持って行ったってことよね?

わたしが最後おいた場所には

なかったのだから。



やっぱり、悪い魔法使いなのかな。。。




しかしでもなんか、この屋敷

危ない隠し事がまだ

あるような気がする。




って、ここで

無駄な破滅フラグなんて

もうたてなくないんですけど!

やめよやめよ!




でも、この物語の漫画には、

初期のころには、魔法陣の本の

ことなんて一切書かれてなかったし

こんな展開なかったはずですけど!?





前の世界なら

作者に聞けたかもしれない。

と言う可能性が全くないわけじゃない

ことがもどかしい。





そんなこんなで

バタバタしていたら

わたしはすっかり忘れていたが、

ついにあの日が来てしまったのだ。





そう、王子とわたしの

婚約の初顔合わせと、

婚約お披露目パーティーの日が!!



一一一一一一一一一一一一



「お久しぶりでございます。陛下」

「ドルメネール公爵も元気なようで良かった」



「ありがとうございます。本日は天候にも恵まれ、ルーデウス殿下と我が娘の婚約日として嬉しい限りです。こちら側が娘、ミレーユでございます」



しゃなりしゃなりと、前に出る。



「こんにちは、国王陛下、ルーデウス殿下。ご機嫌麗しゅう。初にお目にかかります、ミレーユ・ドルメネールでございます。不束者ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします」



ついにわたしの天敵

第二王子との対面が する日がやってきた!



一一一一一一一一一一一一


「ミレーユ・ドルメネール公爵令嬢、初めまして。」



ニッコリと笑うその笑顔には

精霊に祝福されているような

キラっキラしてるのがなんか、見える。



王子の第一印象。



美形だ。

こんな子供がいるのか?と

思うほどに。



でも、イメトレしていたからか

そこまでの感動や、惚れるとか、

感情が揺さぶられることはないな。




わたしの中にある思考はひとつ。




「こいつの浮気が原因で殺されるのだけは勘弁」




「ミレーユや、こっちにおいで。」

イギリスの戴冠式のような王冠をかぶり

立派なマントをつけた人が座ったまま

両手を広げこちらを見ている。

この国の国王陛下だ。



優しい笑顔でわたしを手招きする。



「はい、国王陛下」

カーテシーをして、国王の前に跪く。



あのひねくれ黒王子が

なぜこうなったのか?と思うほど

器がでかく、おっとりしてることが

一目でわかるというか、一回会っただけで

ファンになってしまうなこれは。



これが「カリスマ」というものなんだろう。




王になるべくしてなった方。

って感じだ。

各国からでさえ、「神に選ばれし王」と

噂されるよなぁこれは。



白髪にグリーンの瞳。

30代中盤だというのに

引き締まった体は服を着ていても

わかるほど、所作にキレがある。

まだまだ余裕でイケメンと言ってもいい。



この国の王は英雄の末裔だが、

この王もまた英雄なのだ。

過去に、赤竜の大群が国を攻めてきた時

王都全体に大きなバリアを張り、

防いだこともあるほどの

力の持ち主なのだ。




その時王は全ての力を使い切り、

本当は金髪だったのだが、その頃から白髪になってしまったのだ。

今はだいぶ回復をしたが

その時は、2年も寝たきりとなってしまった。



自分が死にそうになりながらも国を守った王。

だからこそ、国民も貴族もみんな

この王が大好きなのだ。



マンガで読んだとき

んなアホなと思ったけど、

今は現実になっているのだから

感服せざるを得ない。




我が冷酷極まりない父でさえ、

忠誠を誓うのがわかってしまうほどの

存在感だ。



あの人は恐怖の威圧がすごいけど

この人はその真逆。

父の人格を取り替えたい。



「そなたとルーデウスとの婚約を

楽しみにしておったぞ。これからは

2人仲良く、この国を盛り立てることに

専念してくれ」

「もったいなきお言葉でございます陛下。不束者ではございますが、全力を尽くし、ルーデウス殿下を支えていく所存でございます」




この人にこんなふうに言われると

初対面なわたしでも、嬉しく思ってしまう。



人の頂点に立つ人として

完璧な理想の上司だ。




「ミレーユ、今日のあなたのドレス素敵ね。」

「お褒めくださりありがとうございます王妃様」



そう、今日のドレスは

アメリのお店で仕立てたものだ。



わたしは、あまり原色に近い色は苦手。

でも今日はわたしとルーデウス王子との

婚約の儀の華やかな日。

あまりに地味な色や装いはNG。



この国では、自分の装いに

パートナーや好きな人の

髪の色や目の色を

服のどこかに

入れることで、



その相手への

アプローチや気持ちを表現するのが

主流なのだ。



だかろこそ、婚約の儀の

今回のわたしのドレスは

ルーデウス殿下の

髪の色、と瞳の色を

併せ持ったものに

するのが、絶対なのだ。




ルーデウス殿下の髪の色は

父譲りの金髪、そして

瞳の色は

王妃のスカーレット様の

瞳と同じ深い青を含んだ薄い藍色



今回のわたしのドレスは

ルーデウス殿下の瞳の薄い藍色に合わせ

ドレスにゴールドとシルバーの

クリスタルとシトリンの宝石を少しだけ

散りばめた落ち着いたものとした。




わたしとしては、今この国で流行ってる

ゴテゴテしたデザインは好きじゃないので、

周りはもう少しドレスを明るい色にする

方が良いと推したが

ここは譲らなかった。



その代わり、後ろに大きな

リボンをつけてもらい、

ドレス全体にゴールドの刺繍を施し、

全体の色味は落ち着いている色だが、

ちゃんと煌びやかなものに

仕上げてもらったのだ。



さすがアメリだ。

彼女のセンスにはいつも

うっとりしてしまう。



通常、ほとんどの貴族のドレスは

ドレスの布の色でアピールをすることが

多いのだが、それだと

見た目が少々うるさくなってしまうし

安っぽく見えてしまうため

わたしはどうも好きじゃない。



正直この国の今のドレスセンスは

わたしが好きなものじゃない。



だからこそ、アメリの

お店があまり評価されにくいのだ。



それでも今回、刺繍が得意なアメリの

お店のセンスを使うことで、

すごく上品な仕上がりとなった。



胸には大きく輝く

ホワイトオパールをつけてもらったのも、

アメリのアイデアだ。


これは、白髪になっても

国王を尊敬しているという

尊敬の思いを込めてつけたものだ。



コルセットのように背中を腰まで

キュッと絞るデザインをわざと見せる

前の世界ではよくあったデザインだが、

この世界では斬新なものだ。

このような仕上げにしてもらい、他貴族との

差別化をしたのだった。



国王も、王妃様も嬉しそうなお顔をされている。

これは、反応良しと受け取って

良いのじゃないだろうか。



王の隣に座っている、

同じ歳のルーデウスは

父譲りの金髪と似たような

整った美術品のような笑顔で

ニコニコしている。



美形な父が伝説の英雄で

癒し効果のある笑顔。



この笑顔に今後騙されるご令嬢たちが

(マンガの話でのわたしも含めて)

心酔するのも頷ける癒しの笑顔だ。




しかし、浮気者の男ってみんな

美形➕癒しの笑顔ができるのだ。

もう、いい加減こういうのは

やめておきたい。



社交辞令の笑顔をわたしも返す。



すると、音楽の演奏が始まった。

ルーデウス王子がわたしのところに降りてきて

わたしの前にきた。



手のひらを見せ、

「ミレーユ嬢、わたしと踊ってくださいますか?」

とエスコートしてくれる。



そうだった、今日のファーストダンスは

わたしと王子のダンスなのだ。



ほぅっ、、、。と周りから

ご婦人方のため息が聞こえる。



正直、事務的な感じで考えていたので

「あ、はい、喜んで」



と、つい、某居酒屋チェーンのおっさんみたいな色気のない返事をしてしまったな。恥ずかしい、、、。



と、

「ブフッ」



え。



この人、吹き出してる?

まさかね。くしゃみとかか。



「ルーデウス殿下?大丈夫ですか?」

「いえ、失礼。いきましょうか」

「はい」



風邪か?伝染すなよ。




まあ、日本のことを知らなければ

これで、笑うとかないよね。




昔、元彼とこんなことあったなぁ。


「あれ?また残業してるの?先輩」

「んー、これだけは終わらせたいから。先に帰ってていいよ。」


パソコン見たまま顔もあげず会話するのがこの会社の人間のスタイルだ。



「じゃあ、これ、差し入れっす」

「お!チーズバーガー嬉しー❤️」

「先輩好きでしょ?これ」

「うん!ありがとう!モグモグ。うんまーい!」

「先輩チーズバーガー好きですよね」

「よくわかってるじゃん」

「できた後輩でしょ?」

「うむ、くるしゅうない」

「じゃあ今度、ご褒美にオレとデートしてくださいよ」

「えーなにそれ。君、そんな暇じゃないでしょ」

「オレモテないですもん」

「なんの冗談だよ。いつもどんな時も女の子と喋ってるじゃん」

「なんすか、その羨ましすぎる男」

「え、事実を言っただけだけど?」

「オレ、そんなふうに見られてるんすか?」

「そんなふうに見られてるよ」

「全然ですよ。いつもフラれてばっかりです」

「へー」

「オレ、結構付き合うと一途なんだけどなぁー」

「ふーん」

「なんでそんなにオレに興味ないんすか」

「今はチーズバーガーに夢中なんで」

「じゃあ、チーズバーガー奢るんでデートしてください」

「はい!喜んで!」

「なんすか、その色気のない居酒屋のおっさんみたいな返し」

「え?なんか問題あった?」




それが付き合い出すきっかけだったとは

あの時は思わなかったけどな。

まあ、そのあと後悔したけども。




懐かしみながら

王子とダンスを踊る。




その他、たくさんの偉そうな

貴族様たちへの挨拶を済ませて

私たちの婚約の儀は滞りなく終了した。



っていうか、貴族社会の

婚約って本当に

本人たちの意見とか気持ちとか

一切入れないんだなぁ。



婚約したことそのものが

有難いって感じ。




「ミレーユ様、羨ましいですわ。あんな素敵な、ルーデウス殿下とご婚約なんて」

「ミレーユ様、お初にお目にかかります。ご挨拶をさせてくださいませ。それにしても今日のドレスは素晴らしいですね。どちらでもお仕立てですか?」

「ミレーユ様」

「ミレーユ様」




婚約の儀の後、挨拶してくるのは

大人の貴族たち。

それも多分、偉い方の上流貴族と呼ばれる人たちだけだ。

彼らは、未来の王妃になるかもしれない、わたしへ記憶させようと、我先にと挨拶にくる。延々続く。



それにしても、ご婦人方からは

ドレスのことを聞かれることが多かったな。

さすがアメリだわー。

実力は本物だもんね。

さらにドレスのレパートリーを増やせるように

もっと宣伝しなくっちゃ!




その間、わたしの挨拶を終えた人

これから挨拶をしようとする人

遠巻きで見てる人の話しが

全て聞こえてくる。




「あれが、ドルメネールのワガママ姫か」

「あのお嬢さま、今日は癇癪を起こしませんのね。薬でも盛られたのかしら?」

「ふん、今だけだろう。そのうちボロが出る」

「ずいぶん、地味なドレスですこと。ドルメネール家は実はお金がないのかしら?」

「今日はドルメネール家の恥が見れるから面白い日になると言われて来たんですけど、不発でしたわね」




わかっちゃいたけど、

良い噂してる人いないな。

最近、耳が良い分全て聞こえてしまうので、

ちょっときつい。


すると、



「ふん。公爵は魔法陣の本を無くしたから、もう少しがっかりした様子を見れると思ったが、さすがは冷徹の仮面公爵と呼ばれるだけはあるな。何も動じた様子がない」




え?



魔法陣の本がなくなったことは

公爵家の人間しか知らないはずだ。

使用人たちにも箝口令がしかれている。



ってことは、、、



ばっと聞こえた方向を見たが、

たくさん人がいる。

行儀が悪いと言われてしまい、

公爵家の恥となるため、

あまりキョロキョロすることもできない。




普段のただのパーティなら

そんなに気にすることもないだろうが

今日の主役は王子とわたしだ。




その後も次から次に声をかけられるため

その声の主はかき消されてしまった。



悔しいが今日は分が悪い。

とりあえず、あの声をできる限り

忘れないでおこう。





そろそろ限界だとふらつきを感じた時、

「ミレーユ、そろそろ帰ろうか」

わたしの身体を受け止める人がいた。




ドルメネール公爵だ。


「あ、おとうさま。はい、、、。」


疲れすぎたのか、思考が追いつかない。




あれ?この人こんなに

優しい声と顔してたっけ?

疲れすぎて起きながら

夢でもみてるのかな?




だとしたら、今のわたしの状態やばいよね、、、。

頑張りすぎたかな、、、。




ドルメネール公爵はわたしの手を引きながら


「それではみなさま、ミレーユの体力が限界のようで残念ですが失礼します。引き続きお楽しみください」



挨拶をして、会場を出る。

と、ふわっとした感触がした。



その感覚があまりに心地よくて、

わたしはそのまま自然と瞼が下がり

目の前が真っ暗になった。



「カリウス様、ミレーユ様は私が、、、」

「よい、このまま馬車に乗るぞ」

「はっ」




ドルメネール公爵に

まさかまさか抱っこされてるとは

思わず、心地よく香ってくる

香水の香りにさらに

眠気が刺激され

わたしは次の日の昼まで

眠りこけてしまった。


またもやだいぶ期間が空いてしまいました。

楽しんでもらえたら嬉しいです。

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