白黒軍師の十のミス
最新エピソード掲載日:2026/01/22
魔法の王と謳われる北国、ノストーレス。
圧倒的な魔道士の数はもちろん、ありとあらゆる研究による魔術の著しい進化もあり、今では他を凌ぎトップの財力と領土を保持する超大国に君臨している。
だが、数千年の歴史は光ばかりの一面だけではない。
魔法が発展する最中、元あった文化は廃れ、剣士や医師など専門的な分野の職業は今や見る影もなくなった。
剣術や医術などいくら極めようとも、重宝されるのはいつだって魔道士。
あまりに酷な現実は、彼らから職を奪うばかりか。
魔道士以外は非国民として扱われることも多々あり、度重なる心労のせいでさらに彼らは数を減らしていくこととなった。
「うん、今の太刀筋は良かった」
そんな逆境の中、敢えて剣士になってやろうと日々奮闘する者がいた。
非公認ながら大人も出場する大会で毎回トロフィーを取る程の実力の持ち主であり、将来は剣士長の座も狙えるとまで評された人物だった。
「さて、これは契約だ」
しかし、結局輝かしい未来は訪れなかった。
代わりに待っていたのは大きな手だった。それも、赤に汚れた。
「私の脳となれ」
後にこの手が黒騎士と呼ばれる人間のものだと知るまで数日かかるのだが、時間にして約四十五時間。
一秒の休みもなく地獄のような訓練を受けることとなる。
「敵の兵が十万、こちらは一万。十倍もの差がある中、お前はどう戦う?」
「山が北東一キロ先にある。西側の麓までおびき寄せて」
そうしてようやく初陣に立った様は、見違える程に細かった。
当然といえば当然である。
四十五時間もの間積んだのは、剣士としての研鑽ではない。
「目測数千、目標地点へ陽動完了。さて、次の手は?」
「全員無事に逃げる。それだけ」
「了解」
約束された将来と共に剣を捨てた理由はたったひとつ。
「……雪崩か」
大国ノストーレスを討つこと。
ただそれだけのために、今日も軍師は旗を取る。
圧倒的な魔道士の数はもちろん、ありとあらゆる研究による魔術の著しい進化もあり、今では他を凌ぎトップの財力と領土を保持する超大国に君臨している。
だが、数千年の歴史は光ばかりの一面だけではない。
魔法が発展する最中、元あった文化は廃れ、剣士や医師など専門的な分野の職業は今や見る影もなくなった。
剣術や医術などいくら極めようとも、重宝されるのはいつだって魔道士。
あまりに酷な現実は、彼らから職を奪うばかりか。
魔道士以外は非国民として扱われることも多々あり、度重なる心労のせいでさらに彼らは数を減らしていくこととなった。
「うん、今の太刀筋は良かった」
そんな逆境の中、敢えて剣士になってやろうと日々奮闘する者がいた。
非公認ながら大人も出場する大会で毎回トロフィーを取る程の実力の持ち主であり、将来は剣士長の座も狙えるとまで評された人物だった。
「さて、これは契約だ」
しかし、結局輝かしい未来は訪れなかった。
代わりに待っていたのは大きな手だった。それも、赤に汚れた。
「私の脳となれ」
後にこの手が黒騎士と呼ばれる人間のものだと知るまで数日かかるのだが、時間にして約四十五時間。
一秒の休みもなく地獄のような訓練を受けることとなる。
「敵の兵が十万、こちらは一万。十倍もの差がある中、お前はどう戦う?」
「山が北東一キロ先にある。西側の麓までおびき寄せて」
そうしてようやく初陣に立った様は、見違える程に細かった。
当然といえば当然である。
四十五時間もの間積んだのは、剣士としての研鑽ではない。
「目測数千、目標地点へ陽動完了。さて、次の手は?」
「全員無事に逃げる。それだけ」
「了解」
約束された将来と共に剣を捨てた理由はたったひとつ。
「……雪崩か」
大国ノストーレスを討つこと。
ただそれだけのために、今日も軍師は旗を取る。
理想逃避
2024/12/29 20:38
(改)
鈍痛
2024/12/29 20:41
(改)
血肉
2024/12/29 20:42
助太刀
2024/12/29 23:15
至極色
2024/12/30 09:47
(改)
虎頭蛇尾
2025/01/17 15:59
(改)
死海
2025/02/16 21:39
(改)
赤青黄緑
2025/03/01 22:52
朧花
2025/05/29 12:54
(改)
弛緩剤
2025/05/30 01:06
天使
2025/11/07 17:01
(改)
休息
2026/01/21 12:28
捨身
2026/01/21 20:19
曲者
2026/01/22 20:07