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ノアの旅  作者: 衣吹
〜記憶の旅〜
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アスチルベ

私がある貴族のお屋敷で、フットマンとして働いていた時です

お嬢様はいつも窓から、楽しそうに外をご覧になられていました


「見て、春の花が咲いているわ」


そう言って彼女は活き活きとドレスの裾を持ち上げて庭へと出かけてゆくのです


本当に花を見ることが目的なのか、私達使用人は気付いておりました

ですが、これも若者の権利と、お館様には秘密にして見過ごしています


やがて、彼女はそこにいた庭師と駆け落ちたのだとか


だからアスチルベが咲いていたのでしょうね

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