pipkとタイツにあげたあれを収納したこれ(いい子ですねぇ)
pipkとタイツにあげたあれを収納したこれ
※涼太と幸樹の話
白髪混じりの幸樹の頭を撫で、口を閉ざすことなく、幸樹が望む言葉を与えるために動かし続ける。
「幸樹さん、いい子ですねぇ。『Good Boy』ですよぉ」
ベッドに座っている涼太の膝に頭を預けている幸樹は、恍惚を隠さず自身の支配種の手を甘受していた。
繁忙期も終わり、ようやく休みを得た幸樹が求めたことは、褒めて欲しい、だった。大人になれば褒められることはほとんどない、だから家にいる間は褒めて欲しい、幸樹の言い分はそれだった。
次は何をするべきか、考えのせいで手が止まる。
「……涼太くん?」
「どうされましたかぁ? 幸樹さん?」
「……手を、止めないでくれないか?」
間延びした声をあげ、涼太は謝罪する。
「んー……幸樹さん、ベッドへ上がっていただけますかぁ?」
惚けた頭は、涼太の言葉を理解するのに時間がかかる。これが命令であれば、そうではなかったはず。
ベッドに乗ると、幸樹は涼太の指示を待つ。普段の気丈な顔はどこへやら、多幸感から顔を赤らめ目を潤ませた顔がそこにある。
「いい子ですねぇ、『Good boy』。さあ、こっちへ、『Roll』、横になってくださぁい」
言われた通り、幸樹は体を横にする。涼太もその横に寝転ぶと、白髪混じりの頭を胸に抱いた。
「大好きですよぉ、幸樹さん」
仕事しか知らず、遊ぶことにすら慣れていない中年の男が、二十も歳の離れた自分を求め、安息を得ている。側から見れば、きっといい年して無様と幸樹を罵るだろうし、幸樹本人も自分自身を嘲っていた。
そんなことは思えない。本当に可愛い人、僕だけの服従種。
「いい子ですねぇ、大好きですよ」
たとえあなたが僕をいらないと言おうが、手放す気はない。
「あなたは僕だけのSubですからねぇ」
中年の男の匂いなんて、嗅げたものではない。だけど、幸樹の匂いに嫌悪感はなかった。