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最狂最悪の魔王の孫に転生しました。  作者: 暇凡人T
二章 冒険者始動編
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その46 ステータスが、ステータスがぁぁぁ!

 俺が放心してるうちに、受付嬢はさっさとステータスを書き込んで、翔に水晶を渡した。

 ・・・ッは!

 俺は何を?

 そうだ、翔に相談しないと…

 

 「か、翔…俺の、攻撃が…」

 「・・・こっちもだ。」

 「・・・え?」

 「こっちもMPと魔法、それがゼロになってる。」


 翔まで…!?

 なんで!?

 

 「もしかして、なにか攻撃された?」

 「いや、それはない。」

 「なんで?」

 「今少し魔法を使ってみたけど、発動したからMPがゼロなはずない。」

 「つまり…?」

 「表示ミス…とかな。」


 それを聞き、俺は安堵する。

 今まで積み重ねてきたものがなくなった訳じゃないとわかったから。

 でも、どうしよ。

 受付のお姉さんに言うしかないか…?

 

 「はぁ、ゼロですか…」


 彼女がため息を吐く。

 やっぱり勘違いしてるようだ。


 「いや、これは───」

 「おいおい…見苦しいなぁ?」


 さっきまでテーブルで談笑していた冒険者の一人が、こちらに話しかけてくる。

 

 「攻撃ステータスがゼロだからって…言い訳するなよ?w」


 こいつ…

 喧嘩売ってんのか?

 さっきまで怖がってたけど、イラついてきた。

 

 「ま、全部がゼロじゃないんだ。なんなら他はめちゃくちゃ高いじゃないか。頑張れよ…w」


 こいつ!

 思わず拳を振り上げる。

 

 「優樹、待て。」


 すると、翔に制止される。

 

 「・・・なんだよ。」

 「こんな、ギルドに入る時に騒ぎを起こすのはまずい。最悪…冒険者になれないぞ?」

 「・・・わかった…」


 俺は、腕を元に戻す。


 

 しばらく経ち、受付嬢が声をかけて来る。

 

 「測定完了です。測定結果は、お二人ともDです。」


 D…下から二番目か…

 やっぱりステータスが一つゼロなのが痛いな。

 

 「では、冒険者カードをお渡しします。」


 そう言って、俺と翔はカードを渡される。

 冒険者カード?

 なにこれ?


 「このカードは何に使えるんですか?」


 翔が俺の疑問を代弁してくれる。

 

 「こちらのカードは、名前やランクなど情報が刻まれている物で、身分証として活用できます。」


 ああ、やっぱ合ってた。

 でも結局何書いてるか読めないし、他の人に見せる用だな。


 「これで登録は完了です。パーティは組まれますか?」

 「あ、お願いします。」

 

 パーティ…RPGとかのパーティかな?

 チームみたいなもんか。


 「パーティ名はどうなさいますか?」

 「・・・優樹、どうする?」


 パーティ名か…

 ネーミングセンスないからなぁ…

 うーむ。

 翔は魔龍…

 で、俺はただの魔族…

 魔人化…デモン…

 

 「デモリニック…」

 「デモリニック?」

 「デモンとドラゴニックを混ぜてみた。どう?」

 「いいんじゃない?じゃあ、デモリニックで。」

 「リーダーはどちらの方が…」

 「優樹で。」

 「わかりました。ではカードを更新しますので一度こちらに…」


 これでほんとにいいのかな?

 かなり適当だけど。

 まあパーティ名とか適当でもいいか。

 なんか勝手にリーダーにされたし。


 「カードの更新ができました。これで本当に登録完了です。お疲れ様でした。」

 「依頼はあそこに張り出してあるので、受ける場合は剥がしてこのカウンターに持って来てください。」

 「ありがとうございます。」


 


 終わったー!

 これで晴れて冒険者!

 異世界ファンタジーといえばの冒険者!

 依頼も受けれる!

 さっそく掲示板見に行こう。

 どんな依頼があるかなーっと。

 ・・・あ。

 読めない…

 そうだった…

 え?どうすんの?

 

 「翔…?これ読めないよね…?」

 「・・・読めないね。」

 「どうしよう…」


 うーん…

 カウンターに持って行って聞くか…?

 面倒だな…

 そんなことを考えていると。


 「君たち、大丈夫か?」


 後ろから声がかけられた。

 振り向くと、黒髪の青年が立っていた。


 「あなたは…?」

 

 翔が返答する。

 ん?

 この人さっきのパーティ解散してた人じゃね?

 

 「俺はカイル。依頼の文字、読めないんだろ?」

 「たしかに読めませんけど…」

 「まず、依頼はランクごとにスペースが分けられていてね。ここがDランクだよ。」


 え?

 教えてくれんの?


 「教えてくれるんですか?」

 「依頼が受られなくて困ってるんだろ?なら教えるのが当然さ。」


 聖人かな?

 優しすぎるだろ。


 「初めて依頼を受けるなら…これがいいかな。」

 

 そう言って、翔に一枚の紙が渡される。

 

 「・・・これは?」

 「魔物…オボルウルフ十体の討伐依頼だ。これはギルドから出された依頼だから、討伐した証…牙を持ってくれば報酬が貰える。」

 「なるほど…ギルド以外は?」

 「それは───」




 翔と話し込み始めちゃった。

 つまんない。

 仕方ない。

 周りの話でも聞きますか…

 まあテーブルで談笑してるし。


 「これは…笑えるwww」

 

 またこっちのこと笑ってんのか…?

 飽きるだろうに。


 「全ステータスゼロが、他のゼロに絡みに行くって…w」

 「同族同士で仲良くしてんだろw」

 「一緒にしてやるなよwあいつらは他のステータスがかなり高かっただろ。」

 「それもそうだなwはははっw」


 ちょっと待て。

 聞き捨てならないことが聞こえた。

 笑われてるとか、そういうことじゃない。

 もっと、おかしなことが聞こえた。

 なんだって?

 全ステータスがゼロ???

 それって…

 俺たちと一緒なら…

 全ステータスが一万を越えてるってことに…!?

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