その44 ここが街かぁ、テンションあがるなぁ
門を見つけたことだし、翔と相談しよう。
「着いたんじゃない?」
「そうだな…あの街、入れるのか?」
「まあ、とりあえず行ってみよう。」
翔と会話し、試しに街へ向かうことにする。
・・・なんか、衛兵っぽいのいるけど大丈夫かな…?
「止まれ!この街に何の用だ!」
そう声を上げたのは、門の前に陣取っていた二人の内の一人、トカゲ?のような男だ。
うえ。
やっぱり止められた。
いやー、どうしたもんやら。
「翔、頼んだ…!」
そう、小声で翔に言う。
俺が知らない人間と会話できるとお思いで?
そら、ある程度はできるけども、こんな状況でできるわけもなく。
「あー、ううん!私たちは、近隣の村からやってきました。」
「村?この辺りのか?」
トカゲ男は、訝しげに翔を見る。
「私たちが泊まっていた村が、盗賊団に狙われてしまい、命からがら逃げ出してきたのです。」
・・・いや、それは厳しくないか?
この辺りに村なんてあるのか?
そもそも盗賊団なんているのか?
それもわからないのにそんなのが通るわけ…
「・・・なるほど、アンタらも盗賊団の被害者か。通行証の手続きをしておこう。」
通ったー!?
「村に泊まっていたということは、冒険者だろう。冒険者ギルドの場所は───」
あれれ〜おかしいぞ〜?
なんでこんなトントン拍子なの…?
「これぐらいか、通行証を作るには少し時間がかかる。待っていてくれ。」
終わったっぽい?
なら、翔に聞かないと。
なんで成功したのか。
「ふう…」
「翔!」
「ん?なんだ?」
「なんであんなに上手く行ったんだ?あんなこと起こってないし、見てないだろ?」
「ああ…あれはな…」
「うん、あれは?」
「街を探している時、上から見つけたんだ。」
「・・・なにを?」
「盗賊っぽい人たちに襲われる村を。」
マジ?
なんで言わなかった、って、俺ならそっちに行こうとするからか。
さすが翔、俺の扱いをわかってる。
「・・・そうだったのか。」
「あとは少し予測して、ストーリーを作っただけだ。」
「やるな…やっぱり翔に任せて正解だ。」
翔はすごいなぁ…
俺にはそんなことできない。
やっぱり俺は、翔がいないとやっていけないや。
「よし、通行証だ。これを俺たちに見せればここの出入りができる。」
「ありがとうございます。」
翔が、完成した通行証を受け取る。
ギギギ…ギィィ───
そして、大きな門が開く。
念願の街への入り口が…
ついに開かれた。
街へ、足を踏み入れる。
胸の動悸が…止まらない…!
一体どんな光景が…!?
「おおぉー…?」
これは…
・・・なんもなくね?
いや、建物はあるけど…
道は石畳だし、建物も中世ヨーロッパっぽいけど…
思ってたんと違う。
人がいない。
なんでや!
街に行ったら人がいっぱいいるもんじゃないのか!?
ま、まだ慌てるような時間じゃない。
そうだ!
冒険者ギルドとかなんとか言ってたよな?
そこに行けば人がいっぱいいるはず。
「翔、冒険者ギルドってやつの場所は?」
「えーと、あっちだってさ。」
「そこ行ってみよう。案内してくれ。」
「わかった、俺についてきて。」
翔が歩き出す。
俺は空間感知の情報を見ながら、翔についていった。
冒険者ギルドの目の前に到着する。
そこで、俺たちは───
「そろそろ武器が壊れそうで───」
「走ったら危ないわよ───」
「ここが───」
喧騒に包まれていた。
さっきまでほとんど人を見なかったのに、今じゃ人混みに囲まれてるよ。
ここに人が集まってたのか…
色んな店があるみたい。
店ごとに個性がある。
露天商みたいな感じだったり、普通に店を構えてたり…
例えるなら…商店街?
よし、これからここは商店街と呼ぼう。
で、冒険者ギルドだっけ、そこに行くのか?
聞いてみるか。
「翔?これから冒険者ギルドに行くのか?」
「そうしたほうがいいんじゃないか?簡単にお金を稼ぐには冒険者がいいらしいから。門のところで聞いたんだ。」
そうか、金稼がないとか。
そうしないと何もできないもんな。
「わかった。・・・で、冒険者ギルドってどれ?」
「確か…『見たらわかる。』って…」
俺たちは周りを見回す。
すると、武器を持った屈強な男たちがたくさん出入りしている場所を見つけた。
・・・あそこか?
「翔、もしかして…」
「ああ、あそこだろうな。」
翔と見解が一致する。
やっぱりそうだよね。
行くかぁー。
「行こうか。」
「うん。」
俺は、冒険者ギルドの入り口の扉に手をかけた。




