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K-その2 人との遭遇

だいぶ休んでて申し訳ない!

病気してるのでまた更新遅くなるかもしれませんが温かい目でご覧ください。

 この洞窟から脱出する。

 そう決めた。

 もちろん優樹と再会するためだ。

 こんな狭い洞窟にいるより、外の世界にいた方が優樹に会える確率は上がるからな。

 優樹も転生してる前提の話ではあるけど。

 この世界のシステムにも慣れた。

 最初の方は生物を殺すことに抵抗があった。

 けど、殺さないと殺される。

 しかも、殺せば殺すほど強くなれる。

 そう考えると抵抗はなくなっていった。

 今ではかなり強くなった。

 これだけ力があれば優樹に頼りにしてもらえるかも。

 脱出すると決めてからは、洞窟の中を彷徨っていた。

 移動中に接敵したら殺して食べる。

 それだけのことだったけど、だんだんと行った事のない場所が絞られて来た。

 今では行ったことのあるところの構造は全て頭に入ってる。

 そんなことができるのは記憶のスキルのおかげだ。

 敵を殺して強くなり、今まで探索出来なかったところへ向かう。

 効率的に探索したことで、ほば一方向にまで道を絞ることが出来た。

 あとはそこへ向かって脱出するだけだ!



 ということで今、その道を歩いてる。

 しばらく歩くと、道が分かれてしまった。

 また拠点を置かなきゃならないか?

 ・・・いや、どうやらその必要は無さそう。


 コツコツ


 足音が聞こえる。

 それもコツコツといった靴でなければ出ようがない音。

 つまり、、、人がいる。

 人がいるってことはどこからか入って来ているってこと。

 外の世界へつながる場所があるってことだ!

 そこへ案内してもらえたらいいんだけど。

 今の俺の姿はトカゲそのもの。

 しかも言語理解のレベルがまだ5でしゃべることが出来ない。

 まず敵対される。

 どうするか。

 だんだんやってきた人たちの姿が見え始める。


 「!?」


 その人たちは人間ではなかった。

 でも知性はありそう。

 服を着て装備を付けてるから。

 人といっていいと思う。

 それぞれ特徴があるな。

 1人はツノが生えていたり、人型ですらないのもいたり、多種多様だ。

 こんないろんな人種がいるなんて。

 さあ、知性のある人が魔物と出会ったらどうする?


 チャキン!


 まあ、武器を向けるだろうな。

 なんでそんな余裕なんだ、って?

 気配感知の反応からして、この人たちは大分弱い。

 それこそ一撃だろう。

 あ。

 力の差を見せつけて怯えさせることができれば逃げてくれるかも?

 他の方法もいろいろ考えたけど、これが一番いいかな。


 

 よし。

 軽めにいこう。

 風球!


 「!?防御だ!早く!」


 ヴォン!


 ギギギギギィン!


 盾を持ってる人に防がれてしまった。

 お?

 大きい剣を持ってる人が前に出て来た。

 リーダーなんだろうか。


 「おまえらは逃げろ!逃げてギルドの皆に伝えろ!」

 「でも!」

 「おまえらはまだ未来があるだろ。生きろ!」

 「・・・わかった。・・・おまえも生きろよ。」


 感動だなぁ。

 この人は決死の覚悟で来るんだろう。

 ただ俺もここから出ないといけない。

 この人気絶させて、早く逃げた人たち追いかけないと。

 ちょっと強めに風球を撃ってそのまま行こうか。


 ブォン!

 

 走る。


 「っかあ!」


 ドォン!


 「行かせるかよ!」


 クッソ、意外としぶとい!


 「あいつらだけは守る!」


 急がないと。

 風槌で決める!


 ズッッドォン!


 「ぐっはっ!」


 よし!

 追いかけよう。



 見えてきた!

 走って逃げてるけど、遅い。

 追い抜かないようにゆっくり走ろう。


 「追いかけて来てる!」

 「え!?じゃあリーダーは、、、。」

 「振り返るな!走れ!無駄にするな!」



 もう大分走った。

 いつ出口に着くんだろう。

 風球を飛ばしてみる。


 「魔法を飛ばしてきてる!気をつけて!」

 「もっと走れ!強化スキルも使うんだ!」


 外に出たらどうしようかな。

 まず人のコミュニティに入れるようにしないと。

 などとぼんやり考えていた俺は「それ」に対応できなかった。

 今でも後悔している。

 「それ」、、、後ろから迫る剣に気付いたのは、俺の体に直撃する直前だった。


 「ガッ!?」


 気付いてももう遅い。

 魔法で吹き飛ばされたリーダーが一矢報いようとした時。


 ドパァン!


 リーダーの体が吹き飛んだ。


 血飛沫と、生首が舞う。


 ・・・あ?

 え?

 俺に斬りかかってきて、それで?

 俺が、俺がやったのか?

 いや、でも、、、

 状況からは俺がやったとしか思えない。

 減ったMP。

 風の魔法でやられた死体。


 俺、が人、を?


 「ヴッ、ヴォエ。」


 吐いた。


 

 ひとしきり吐いた後、ぐるぐるする頭の中、追いかけなきゃいけないことを思い出した。

 幸い、逃げた先はずっと一本道だった。

 追いかけていくと、巨大な空間に出た。

 居た!

 追いかけていた人たちが立ち尽くしている。

 そこには、大きな扉がついていた。

 その前に、大きな、とても大きな龍がいた。

 まるで誰も通さないとでも言うように陣取っていた。


 「くっ!挟み込まれた!」

 「ここまでか、、、グレイ!おまえだけでも逃げろ!」

 「無理だ!置いて行けない!」

 「俺たちが時間を稼ぐ!アイツがしたように!・・・それに、おまえなら逃げ切れるって信じてるからな。」

 「・・・了解。」


 おそらくあの扉が出口だろう。

 ただあの龍は一体どうすればいいんだ?

 見ただけで伝わってくる。

 気迫、威圧、そして、俺自身の恐怖。

 前の世界の常識、この世界での経験、その全てが勝負にすらならない、と警鐘を鳴らしている。

 アレは、ダメだ。


 「ッガ!?」


 しばらく放心していたみたいだ。

 あれ?

 あの人たちがいない。

 さっきまでいた場所には、血溜まり、が?

 え?

 もしかして、一瞬で?

 感知すらできないなんて。

 に、逃げないと。

 俺も、殺される。



 必死で逃げた。

 ただただ走った。

 何のために走っているのかも忘れて走った。

 正気に戻った頃、今まで見たことがないような場所にいることに気がついた。

 それから考えた。

 人を殺してしまった、だとか、脱出できるのか、とか。

 考えた後、とりあえず眠ることにした。

 グチャグチャな頭の中を整理するためには、それが一番いいと思ったからだ。

 これからどうすればいいんだ。

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