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第二話 猫の態度〜桜綾の場合〜

〜桜綾さん(商人)の場合〜

突然だが、桜綾は猫が嫌いである。というか動物全般好きなわけではない。

そして、その中でも特に嫌いな生き物がいる。泊詠が飼っている尋梅だ。


「あーほんとに飼ってるのが泊詠じゃなきゃ隣の国でも連れて行って捨ててんのになぁ…。」


動物虐待にも聞こえるが、尋梅は花瓶を勝手に壊したり、桜綾の持っている服を引き裂いたりと中々なことをやっているので可哀想とは言い難い。

嫌いオーラを全面に出している桜綾をまた、尋梅も嫌っている。お互いがお互いを嫌いであるため、彼らはずっと喧嘩している。

今も尋梅は桜綾に向かって爪を立てているし、桜綾は桜綾でそんな尋梅に対して殺意に近い何かを抱いている。

ちなみに、このやりとりを横で見ている泊詠は特に何も言わないし、止めない。

それは何故なのか。答えは簡単だ。桜綾と尋梅が仲が悪い理由は、泊詠にあるからだ。

彼が桜綾の商会に買い物に行ったときにうっかり尋梅を連れてきてしまったせいで、例の事件に発展してしまったのだ。なので、今更止めたところで意味はないと思っているし、そもそも桜綾と尋梅の争いを止める気もない。


「…………あーもう!あの駄猫のせいで!」


そう言いながら桜綾は尋梅を捕まえようとするが、それをひらりとかわす尋梅。

そして、その隙を見て逃げたのか、部屋から姿を消した。


「あいつ絶対許さねぇ……いつか絶対に消炭にしてやる…」


そんな声をあげながら桜綾は尋梅を探しに行くために部屋を出た。

さて、一方その頃尋梅は何をしているかというと、泊詠の部屋にいた。

どうやら彼は、桜綾が自分を探していたことに気がついていたらしい。


「おい尋梅!お前俺の荷物の中の食料勝手に食うなよ!」


桜綾は部屋に入ってくるなり尋梅を掴み上げる。しかし、それに抵抗するように尋梅は暴れた。

尋梅にとって、桜綾は自分の主ではない。主は泊詠であり、桜綾は自分にとっては玩具の一つである。

なので、桜綾が何をしようと知ったことではなかった。

だから、こうして彼の物を食べたりするし、逆に彼も食料を取り上げてくる。つまりはそういうことだ。

しばらく攻防を続けていると、ふいに桜綾の手が緩んだ。そしてそのまま床に落ちていく尋梅。

何があったのかと思って見てみると、そこにはいつの間にか泊詠がいた。

どうやら桜綾を止めに来たようだ。

尋梅はそのチャンスを逃すまいと泊詠の元へ駆け寄り、膝の上に乗った。

泊詠としては乗られると邪魔なのだが、別に退かす理由も無いため、そのままにする。

その様子を見て桜綾はイラついたような表情を浮かべたが、すぐに諦めた様子を見せた。

結局のところ、泊詠が一番強いのである。彼に喧嘩を売ったらどうなるか、考えるだけでも怖い。なので、仕方なく引き下がることにしたようだ。

まあ、もし泊詠がいなければ未だ喧嘩を売っていただろうけれど。


ちなみにこの後尋梅と桜綾は仲良くならなかったとかならないとか……。

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