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戦国ホームセンター  作者: 白苺
VS太田資正編
39/68

ホムセン衆、太田資正と恋瀬川で会敵する

「お館様!」


 俺は寝所に使われていた寺の本堂の戸をガラッと開けると寝ていた小田氏治公を叩き起こした。


「なんじゃ!敵襲か?」


 と寝ぼける氏治様。


「いえ、急ぎお耳に入れたいことが。」

「なんだ?」

「太田資正と梶原政景が片野城を発してこちらに向かっております。」

「それは確かか。」

「はっ。」

「ふーむ。」


 というと小田氏治様は腕を組み、顎を撫で回しながら思案したかと思うと


「決めた。ここは資正を討とう。」

「といいますと。」

「相馬よ、お主は資正が横槍を入れてくるのを心配してここにまいったのであろう。」

「お見通しのようで。」

「うむ。ならばその資正を相手にしようというのだ。大掾は府中の兵を合わせても1000に満たない上、まあそれほど強くもない。」

「おっしゃるとおりかと。」

「であれば菅谷に700ほど与えて正面決戦をするふりをさせるのだ。おそらくそれでも勝てるだろう。最悪でもにらみ合いになればいい。」

「これまでの戦から見ても佐竹の援軍がない大掾なら菅谷様なら十分いけそうですね。」

「そのとおりだ。そして俺はここで精鋭1300を率いて片野から来る太田資正を待ち伏せする!」

「決まればすごそうです。」

「お主俺が決められないと言うか。」

「いえ、お館様の武勇なら大丈夫でしょう。太田勢はおそらく500−600程度。こちらが倍の兵力で挑めるならば。」

「そのとおりだ。いっそのこと片野から柿岡も落として筑波郡全域を我が手に取り戻すのだ!」

「はっ!」

「相馬よ、わざわざここに来たからには他にも献策があるのだろう。」

「さすがは氏治様、お見通しで。」

「ここからは小官が説明いたします。」


 と出てきたのは織部くんだ。そうして俺たちは翌日の作戦について相談し、明朝菅谷様の大掾家と当たる部隊と氏治様の太田資正を叩く部隊に軍勢を分けたのであった。


 明日の相談が済んだ俺は織部君たちとホムセン衆で集まり、小田城のCICと無線で通信をした。素人の作なので出力は(合法とか関係ないから)バカ高くしているが流石に音質は悪い。雑音がピーピー鳴っている。


「…太田資正が動いているとなるとなにか裏があるかもしれません。いざという時は先に相談した通りの手はずを。」

「…了解です!ホムセンのみんなもほとんどは手子生やホムセンにいるので備えをしておきます!あの上杉謙信も退かせたんだからなんとかなりますって!」

「くれぐれもよろしくお願いします。」


 そうして翌日の朝を迎えた。


 大掾氏の軍勢はすでに恋瀬川を渡河して三村城の前面に展開しているようだった。ざっと見た所この数は500騎ほど


「…やはり府中に備えを残しているようで、あれは太田資正が援軍に来るのを前提にした時間稼ぎだな。」

「はっ。お館様、なれば我におまかせを!」


 と胸を叩くのは重臣菅谷政貞様だ。菅谷様に預けた700あまりの部隊は手はず通り大掾の後詰めに真正面から向かっていく。


 お館様と俺たちはそれと別れて北西の恋瀬川の上流の方へ向かっていった。そこで部隊を、まぁ数が少ないから完全な形ではないが鶴翼の陣(包囲体制)に敷き、かつ川近い葦原に姿を隠すようにした。


 俺たちホムセン衆は氏治様から鉄砲足軽を預かり鶴翼の陣の前方、ちょうど囲まれるところの少し前に行き隠れた。菅谷様が


「鉄砲などなくても大掾相手には十分。」


 とおっしゃるので今回の出征に持ち込んだ30丁全てだ。しかしこの永禄の時代に鉄砲30丁も準備できるのだから凄いぜ小田家。実は俺たちが持ち込んだじゃがいも、さつまいも等の普及で(特にさつまいもは土地にあっていて育ちが良い。現代でも名産地)

『食べていくにはこちらでいいんじゃね?』とこちらもホムセン飯泉のおっちゃんの指導で収量が増えた米を売りまくって稼いだのだ。ついでに炊飯法もこの時代だと煮米が多かったのを「始めちょろちょろ中ぱっぱ」で商人に指導してもらい釜もセットで販売し、

西国の方でも『北条米(現代でも銘柄米なのでそのまま使わせてもらった。)』の名はちょっと天下でも通用するようになってきていたのである。


 そして朝もやの中で火縄銃の火種だけはしっかり確保しつつ、俺達は静かにその時を待った。


 水鳥がざわめく音と共に軍勢が現れた。あの旗印は太田資正の部隊だ。やはりここに横槍を入れに来たのだ。


 俺たちは十分に敵兵を引き付けると…って現代の目で見るとすんごく近くて怖い。やはり銃は100−200mぐらいは有効射程があるライフル欲しいわ。でなければAK47みたいにばらまける突撃銃。

 太田勢の顔まで見えるぐらいに来てから俺は号令した。


「撃て!」


 日本式の鉄砲各自射撃式ではなく、一斉斉射である。突然の銃声とバタバタと倒れる前衛に太田勢が浮足立っているのが見える。


「行くぞ下がれ!」


 と俺達は一度射撃したらすぐ後方に向かって全力でダッシュを始めた。後ろでは太田勢の中から大声で指示を出している声がする。若いからあれは多分梶原政景なのだろう。


「者ども静まれい!鉄砲の数はありそうだがそれほどでもない!連射は効かぬから奴らを追えば捕捉できるぞ!」


 あ、さすがは梶原政景。ちらっと見るとすぐに兵の動揺収まってこちらに向かってきているの。つくづくこの時代に名将って梶原政景にしても多賀谷政経にしても水谷正村にしても真壁久幹にしてもみんな判断が早い。…ネームドクラスは全部対応できててこちらが簡単に無双できないじゃん。ぐぬぬ。


 といってもやられるつもりはないので全力で後退する。とある程度近づいたところで予め装填してさっき射撃しなかった兵に撃たせる。最初の斉射では20人のみに撃たせて、10人は装填したまま待機させていたのだ。次に5人だけ撃たせる。


 すぐにまた撃たれるとは思っても見なかったようで、太田勢の足並みが一瞬乱れた。

 その間に俺たちは全力で逃げ、それを追う太田勢先方。


「待て!これは誘い込まれているやもしれん!」


 今度は壮年の男性の鋭い声が飛んでくる。これが太田資正だな、きっと。


 でもってそれは正解だのだ。太田勢はちょうど鶴翼の陣の中に取り込まれつつあるのだ


「一旦下がれ!なにか変な匂いがする!本隊が別にいるはず!」


 と命ずる資正だが、逃さぬ。俺はスリングショットで火の付いた綿球を太田勢の方に向かって思いっきり打ち込む。うん。さすが狩猟用目指しただけはある。100mぐらいは飛んだだろう。


 その途端太田勢は爆発的に燃え上がる葦原に包まれた。


 前もって今太田の兵がいる辺りにガソリンを散布しておいたのだよ。数年が経過して燃料としては状態が超怪しい(てか多分ほぼ駄目)になってきた備蓄ガソリンだが、まだこういう目的には使えるのだよ。


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