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戦国ホームセンター  作者: 白苺
VS上杉輝虎編
32/68

真田店長無双(第一部完)

ついに上杉・佐竹連合軍を退けた小田家とホムセン衆。その影には真田店長の暗躍があったのだ。今明かされる真田店長の真の実力!


 相馬翔太郎氏胤です。最近存在感薄いです。目の前から上杉勢が去っていきました。頭の中は???で知ってなので織部くんに聞いてみました。


「留洲太くん、随風様が口を利いてくれたとはいえなぜ上杉はあっさり撤退したのだろう。君また何かやった?」

「いえ、今回は真田店長のお手柄ですよ。」

「というと。」

「真田店長、『真田』じゃないですか。だから今まで自分のパソコンに真田氏関連の画像片っ端から集めてまして。」

「で?」

「そこからこの時代の当主、真田幸隆の筆跡とか花押とかまぁ色々用意して、随風様にご指導受けつつ、自らを『村上義清に追われた海野一族である同族の真田家の末裔。一族離散の時に散り散りになってしまった生き別れの遠い親戚』として見事に真田っぽい署名とそれっぽい花押作って『上杉のほぼ全軍が関東でウロウロしているから今が越後襲うチャンス』って文面を武田信玄に届けてもらうように真田幸隆あてに出したんですよ。」

「なんと。」

「で、それを大急ぎで太田角兵衛に届けてもらったと。」

「太田角兵衛?」

「飛加藤さんの配下の忍びです。飛加藤さん本人だと武田に仕えていたことがあるから見つかったら殺されちゃうので、部下を送ったという訳で。」

「でそれが太田さん?」

「ああ、あの『話し合いおばさん』、お名前は太田英代っていうんです。なんでおばさんと結婚した角兵衛さんが婿養子に入って太田覚兵衛に。」

「そんな事があったのか。」


 ともあれ、書状は無事に武田晴信に届き、晴信は火事場泥棒よろしく兵を北に向けてくれた、と。それを押さえるために上杉家は急ぎ越後に向かったというわけか。


「真田さん凄いなぁ。真田さんといえば小田城に戻ったら小銃持っていてびっくりしてひっくり返りそうになったよ。」

「俺のことを話しているのかい?」


 とそこに真田店長。どうやら銃の出来栄えの確認と運用に、ついにホムセンから小田城に出てきたらしい。


「あれは3Dプリンターと旋盤で作った。」

「3Dプリンターの銃、と言えばおもちゃみたいなリベレーターが有名ですが、あれそれこそろくに威力も出ないと思ったのですが。」

「良くしってるね。でも今回作ったのはリベレーターじゃなくてF○C-9って奴なのだよ。こちらはまともに動作する小銃タイプでね。」

「って弾とかどうしたんですか。」

「実はこんな事もあろうかと。」


 出たよ。どんなことがあるっていうんだ。


「空薬莢は趣味でアメリカからガッツリ持ち帰ってきていたんだ。」


 …うん。一応合法だよね。それ。


「雷管を作る所が一番大変だったのだが、そこはね、うち、金属積層式の3Dプリンターあるから。」


 うん。普通のプラスチック積層式じゃないとんでもなく高価なやつよくおいておいたよね。お金さえあれば手に入るけど。


「それで足りないパーツは作った!だから3丁しかないし、弾も100発しか作れない。」


 …雷管に必要な雷汞は稲見薬局長と共同でごにょごにょしたらしい。それで小田城の大手門で佐竹勢相手に乱射した後必死に薬莢を集めて回っていたのか。


「だからとりあえず弾は後20発しかないのだ!また作らないと。」


 …恐ろしい人だ。俺はガスガンのHDR−50で救われたことを報告し、礼を言うと


「うむ!役に立って良かった。あれはまだカートリッジがあるからまた使えるよ!」


 と爽やかに返事をされた。構造が単純なら、とりあえず少しずつなら信管を作れるらしいのでまだ色々作るつもりらしい…。


 真田店長や織部君と話をしてしばらくすると小田氏治様が城門から戻ってきた。


「いやぁ、大勝!大勝!特に首を取るようなものはいなかったが佐竹の奴らの逃げっぷりって言ったら。」


 いやお館様、鬼真壁とかあっさり引き上げてくれたからよかったものの。


「風返峠の方から逃げていきおったわ。概ね府中の大掾のところにでも転がり込むのであろう。」


 俺は気分転換も兼ねてお館様の許しを得ると、ガスガンと医療器具をいくつかバッグに詰めて佐竹家が去っていった方へ出かけることにした。


 途中佐竹勢に落とされながら(そもそも兵を小田城に集めて入れていなかった。)すぐに取り返した北条城などを過ぎながら、ちょっと登山気分で筑波山でも登ってみようと俺は山を進んでいった。


 山道を進み、そろそろ峠に差し掛かろうという所まで来た。幸いこれまで逃げ遅れた佐竹の兵は見かけずに済んだ。峠で小田の方を見ると…見事に拡張された小田城が見えた。どこの五稜郭…よりも方形の元々の館の外側にジグザクした堡塁を築いてあるからなんとも奇怪な姿をしている。


「すげぇな。でもこれ作っちゃったから燃料の残りだいぶ少ないんだよなぁ。」


 と俺は後のことが少し心配になってきた。今のうちにホムセンの備蓄に頼らなくても生き延びられる手段を確立しておかないと、ホムセンの資材頼りならその内処されてしまうだろうから。まぁ電気系は太陽電池パネルなどがあるのでまだ粘れそうだけどね。


 と峠の上の岩で一伸びしていると、岩陰に倒れている武士がいる。


 …紺地扇に日の丸、佐竹氏の侍だ。佐竹の紋をつけているからには一門なのだろう。

太ももを撃たれて歩けなくなり、どうやら従者に見捨てられて捨て置かれたようだ。


 俺は侍の所に行くと、道具を広げて息を吸うと、服を切り開いて腿の傷を見た。鉛玉…これは真田店長の銃じゃなくて火縄銃によるものだな。ドローン活かして敵の攻め口で集中運用していたから。


「な、なにをする。どこのものだ?」


 と侍は聞いてきた。見るとまだ十四・五歳ぐらいの若者である。


「俺は相馬翔太郎、医師だ。うーん…これは取れるな。」


 と言いつつ鑷子せっし:ピンセットのことで鉛玉を取り出す。


「良し!幸い太い動脈はやられていないようだ。ちょっと我慢して!麻酔量持ってなくてあまり使えないから。」

「な、なにを…」


 と言いつつ若武者は身動き取れないようである。


「そなたは敵でないのか?」

「そこは医師なので、戦い終わったらノーサイドってことで。」

「のーさいど?」

「戦う時は戦うけど終わったら恨みっこなし、ってことでそれに医者なので。」


 と言っている間に傷も縫い終わった。

「ではこの薬を飲んで、こっちが痛み止め、こっちが膿まないように抗生物質。毎日できれば清水を沸かして冷ましたもので洗う!難しければ清水でもいいけどとにかく馬の尿とかは厳禁です!とりあえずこれ飲むのと洗浄用に水です。とっておいて。」


 と無理やりペットボトルを3本ほど渡す。数年前から冷蔵庫に入っていたのでたぶん期限は切れているが許せ。


 なんか人を呼ぶ声がした気がするので双眼鏡を出すと、山の向こうから何人かの侍がこちらに人を探して向かってくるようだ。


「お、あれは若様のお仲間のようだ。捕まると不味いから俺はここで失礼するけど、多分もう大丈夫!絶対傷汚くするんじゃないよ!」


 と言い残して俺は山を滑り降りるように若者を残して下山したのであった。あ、若様名前聞き忘れた。あんなところで放って置かれているんだから、まぁ佐竹家でも一族の端っこの方、とかなんだろう。


 やっぱ人助けをするほうが俺の本業だな。ふふふ。と一人いい気分になり、さあ良いことした後はさくらさんとイイコトをしよう!と調子に乗って小田城へ帰った俺を出迎えたのは…極めつけにごっつい随風様であった。


「さ、さくらさんは?」

「さくら殿なら先に手子生に帰られましたが。」

「えー。」

「そうがっかりなさらずに。本日は遅いゆえ明日拙僧とホムセンに帰りましょうぞ。」


 落ち込んだ俺の背中をバンバン、と元気良く叩く随風様なのであった。


ここまででパート1完結です。内容的には切れ目なく第二部に行きます。今の所全6部構成で予定です。


人助けをした後はうふふ、と下世話な気分の主人公を出迎えたのはガチムキ随風様であった。さくらさんがいなくてしょぼくれた主人公を連れて随風様は手子生に向かう。そしてそこで出会ったのは?

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― 新着の感想 ―
[一言] 「あれは3Dプリンターと旋盤で作った。」 「3Dプリンターの銃、と言えばおもちゃみたいなリベレーターが有名ですが、あれそれこそろくに威力も出ないと思ったのですが。」 「良くしってるね。で…
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