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戦国ホームセンター  作者: 白苺
VS上杉輝虎編
11/68

多賀谷襲来

今日明日は夕方更新です。週末の更新予定はまた明日の前書きか後ろ書きで。

 そんなある日、天野先生と俺は手子生城の赤松様に呼ばれた。


「おお、来てくれたか。『ホムセンの民』のものよ。」


 と赤松様は切り出した。


「いかがなさいましたか?」

「…やはりホムセン、はいいづらいな。なんか言いやすい呼称をお館様とも相談したいな。

それはさておき、それがだな、結城にくみする下妻城主、多賀谷政経がこちらに向かって攻めてきておるのだ。」


 多賀谷政経と言えば水谷正村みずのやまさむらと並ぶ結城氏の重臣である。重臣とはいっても隷属しているわけではなく半独立の大名のようなものであった。

小田領と境界を接する多賀谷氏は小田家攻略を目指してしばしば侵入していた。

 元はと言えば小田洞中に所属していたのだが、当代の氏治様に代替わりした際に結城に寝返ったのだ。

小田家の北方を領する真壁氏も同様に結城氏に寝返っていた。


 その多賀谷氏と言えば政経よりも息子の重経のほうが有名である。武勇と謀略に優れ、佐竹氏に付きながら北条方となった諸城を攻め落とし、主家の結城家の2倍と言われる『下妻20万石』と言われる領土を作り上げた。その後は色々あって下妻を失ってしまうわけだが、それはまた別のお話ということで。


 ともかく下妻城主多賀谷政経は小田家から結城家に乗り換えて以降、盛んな勢いを誇りすっかり結城の重臣となり

度々小田領を攻めていたのである。


 今回もまた、下妻領に近い手子生城をまず攻略しよう、と押し寄せていた。


「多賀谷の奴らは5備を動員してますぜ。下妻から小貝川を船で南下して上陸、陣の再編成中ですがな。」


 と加藤段蔵。さすが超一流忍者、言われなくても必要な情報が。


「5備…3千というところか。結城晴朝本人や水谷、真壁などの援軍はないようだが、我らは千にも満たない。苦しいところだな…お館様にも援軍を頼んだが、多賀谷が攻め寄せてくる方が早いか。」


 と苦しげな表情をする赤松様。


「手子生城では籠城しても防備が足りませんな、と思わせて。」


 と珍しく出てきた真田店長


「ちょっと面白いものをお持ちしました。」


 と言い出すと、手子生城に色々と仕掛けを始めたのであった。


 真田店長の仕掛けが終わったころ、多賀谷勢が手子生城に押し寄せた。

ドローンを飛ばしている稲見薬局長がVRゴーグルを付けた姿で報告してくる。


「多賀谷勢は陣を整えそのまま手子生城に直行してきてますね。船に待機する兵のほかは伏兵なども

おかずにまっすぐ向かっています。特に変わった様子もなくそのまま城を取り囲むようです。」


 多賀谷勢は手子生城の周囲に後詰が現れていないことを確認したかと思うと、そのまま包囲に入った。

援軍のない手子生城をなめたのか、降伏勧告もおざなりに、力攻めを始めたのである。

多賀谷の兵が手子生城の土塁に取り付こうとしたところ、場内から次々と手榴弾が降り注ぎ、

次々に爆裂して兵を土塁から追い落とした。グレートホムセンの高校球児の技だ。


 次々と爆発する手榴弾にそもそも鉄砲自体が普及していないここ東国の多賀谷勢はパニック状態になる。


「なんなんだあの爆発は!」

「見えぬ!煙で見えぬぞ!」

「ええい、こんなものを奴らが持っているなど聞いておらん。白井!一旦引くぞ!」


 と多賀谷政経は重臣、白井全洞に命じて一旦退却を試みる。


 すると来るときには何もなかったはずの道を過ぎた途端、次々と爆発が起きていく。


真田店長がリモコンで地雷を爆発させたのだ。


「うむ。さすがに本物ほどは威力はないが、ネイルガンと違ってちゃんと効果があるな。」


 とうなずく真田店長。その横で稲見薬局長は


「敵軍は混乱中、とはいえ本陣は比較的乱れていないようで。後退を始めた敵勢が特に伏兵を残している

様子はない模様。」


 とドローンの映像から報告する。


「ええい、なんじゃこれは!一旦体制を立て直す!下妻に引くぞ!」


 と号令する多賀谷政経。


撤退する多賀谷勢を見て城代の赤松様が


「今こそ好機!追撃じゃあ!」


 と馬を引き、門を開いて多賀谷勢の追撃を開始した。


とはいえ多賀谷政経は名将である。爆発で混乱した兵を叱咤激励し、動けるものから備えを素早く立て直すと、

逆に赤松隊に襲いかかったのだ。


「いかん!これは無理であったか!」


 と赤松様は多賀谷の反撃に気づくも半包囲の状態になり、押し囲まれそうになる。

白井全洞の手のものの槍が赤松様の脇から左腕を斬り裂いた!


 落馬した赤松様を取り囲もうとする多賀谷勢の前に


「御免!」


 と言って割り込んできたのは剣聖塚原卜伝率いる一隊である。

 卜伝らはまたたく間に多賀谷の雑兵を斬り倒した!


 怯んでジリジリと下がり遠巻きになったところを素早く赤松様を守りつつ、城内に無事撤収できたのであった。


 それ以上赤松隊を多賀谷勢は無理に追うことなく、多賀谷政経は今回の戦いはこれまで、

とばかりに下妻城に撤収していったのであった。


 俺たちは多賀谷勢を退けることに成功したのである。

 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 赤松様のチュートリアル戦にしてはいい感じですね この後は医療技術のお披露目かな?
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