世界、それは厳しいものなのか
よろしくお願いします、頑張ります
数日が過ぎ去った。
全くあっという間の数日だ、僕には日付がどのくらい経ったのかはわからない特に意識してない。
「はぁ」
全くといっていいほど、セナとは進展もしていない、というかあまり話していない。
日常会話以外は、
僕の失態である。
もっともっと最初の方に友好アピールしとけば良かった。
今の状況では、ただのお隣さんくらいだ。
僕はどうにかして友達いや、親友まで持っていきたい。
どうすれば、どうすれば、どうすればいいのだろうか。
僕は、真剣に、考える。
今まで友達を、あまり自分から作らなかったのが、裏目にでてしまったのだろうか。
「はぁ」
僕は、ため息をはく。
陰さんとは、すぐに仲良くなったのにな、すぐに喧嘩もしたけど。
まあ、喧嘩するほど仲がいいという言葉もあることだし。
案外僕と、陰さんは、気があっていたのかもしれない。
いい友達にも、なれたかもな。
もっと時間があれば。
あの時、僕があまりカッとならなければ、いまでは、もう親友と呼べる存在くらいにはなっていたのだろうか、親友で、師匠で、僕のヒロインの、陰さんに。
そしてまた数日が経った。
「はぁ」
もうダメだ、もう僕は、リア充にもなれなければ、親友と呼べる存在すらいない。
こちらに来て何日経っただろうか。
いつまでこの修行みたいな事を続けるのだろうか、もう僕は、飽き飽きだ。
「はぁ」
「ため息ばっかじゃ、どんどん気持ちが落ち込んでいくだけだぞ」
ヤオさんが何やらいい事をいっている。
まあ、確かにそうだけど、とても元気にはなれない。
僕は、本当に、幸せなのだろうか。
「確かにそうですね」
「うん!そうだそうだ、ジョギングしないか?」
「え、」
僕は、めんどくさそうに、いかにも行きたくないように答えた。
しかしヤオさんは、そんなの気にしない人である。
僕の、右手を掴んで外に連れ出す。
あまりの眩しさに僕は、手で目を押さえる。
「眩し」
僕が外に出てから、少し経った頃に、セナもヤオさんに連れられて、外に出てきた。
僕と全く同じ反応をしている。
まず準備運動という感じで、ヤオさんが始める。
僕と、セナも、それに続ける。
懐かしい、準備運動なんて、夏休みは毎年朝のラジオ体操に行っていたな。
今となっては、もう懐かしい事なのか、と少し時間を感じる。
「じゃあ行きますかー」
「は、はい!」
ヤオさんが地面を蹴って、猛スピードで走っていく。
僕と、セナはそれにつづく。
そしてヤオさんが捕まれという感じで、手を差し伸べた。
僕とセナは捕まると、瞬間移動のように辺りの場所が変わった。
僕は、一瞬呆然として、小さく呟いていた。
「すげー」
そしてあたりは殺風景だ。
木すらない。
そして霧がすごい、しかし太陽は、なんだか綺麗だ。
僕が、景色や、瞬間移動にみとれていると、またヤオさんが猛スピードで走り出した。
あのくらいの速さだと、スタミナが後の方になってから、切れる。
僕には、わかっている。
実体験で。
そして僕の予言通り、ヤオさんは、後の方になると、バテてだんだんスピードが落ちていく。
僕は、もう無理だ。
もう走れない、走れたとしてもあと200メートルくらいしか走れない感じだ。
ちなみにセナは余裕みたいだ。
若いっていいなー。
「あと少し行ったら休憩にしよう」
ヤオさんがもうくたびれたのか、そのような事を言った。
僕も賛成だ。もう走れない、しかしあと少しとは、200メートル以上なのか以下なのかどちらなのだろうか。
それによっては、僕は、倒れるかもしれない。
「ラストスパートだ」
僕は、勢い良く地面を蹴ってスーパースピードで、ヤオさん、セナを、抜かして一位になった。
「ふふ、勝った」
イエーーーーイ
僕の頭の中で、歓声が鳴っている。
なんだかスッキリとした気分だ。
ここで僕に、問題が発生した。
「グギギ」
いてて歯が痛くなった。
僕は、上を向いてひたすら前を目掛けて、走る。周りから見たらただの変なやつである。僕もそれは、十分しょうちしている、しかし痛みを和らげるにはこの方法しか無い。僕の10年くらいかけて編み出した方法だ。
だいぶんなおって気がする。
多分治ったわけではなくて、慣れてきたの方が適切なのだろうが。
自分の、心臓の音、自分の、歯が軋む音が、自分の足音をけしている。
「ここいらで休憩するか」
といって座り込む。
え、休憩ってここで、切りかぶとか、木陰じゃ無いのか。
「お腹すきましたー」
「私も〜」
「もう少し我慢しろ」
「もう少し我慢しろということは、もうすぐでできるということですね、ヤオさん!」
「いや、ご飯は、家で食べるぞ」
「ぐげーーーーーーーーーーーー」
「えーーーー」
僕たちは、もう一度走って家に帰った。
そしてご飯を食べた。
素晴らしいというほど絶品だった。
ただでさえ美味しいご飯が、疲れで美味しさが倍増されていた。
僕の細胞が、僕の血液が、僕の筋肉が、踊っている。
しかしセナとの進展は一切ない、友達にもなっていない気分だ。
それから2日が経過した。
「よし、今日は、どのくらいできるようになったかテストだ」
「ぐげーーー」
テストなんて嫌だ、自信がなさすぎる、テストをするならするで、一週間前くらいには言っておいてほしいものだ。
流石に、急すぎる。
まあ、そろそろそんな事を言い出す頃かなと思ってはいたけれど、もしかしたらの話で、本当にするとは思ってもいなかった。
「はぁ」
「はぁ」
セナとかぶった。
案外考えていることは、みんな一緒っていうことか。
諦めるしかないな、今の自分の全力で挑むしかない。
「じゃあ最初は、光」
ぐげ、1番最初か、まあ先にセナだと僕はアンカーということになる、まあ、どちらも変わらないか。
「じゃあいっきまーす」
「200ちょうどだな」
自分の、全力は、出した。
「よし、次セナ」
「250、すげえなあ」
僕と同じ魔法を、いつのまに、しかも僕を越してきた。
僕は、下を向いた。
みんなからの視線が怖かったからだ。
「う、うぐ」
「光もがんばれな」
ヤオさんが励ましのつもりでいったのだろう。
僕には、励ましには聞こえなかった。
「光、私を、越えれるかしらふふ」
友達の、冗談、ノリ、でいったのだろう。
悪意は感じれなかったから、きっとそうだ、
しかし僕には、煽りにしか聞こえなかった。
ああ、死にたい。
死にたい
死にたい
死にたい
消えたい
消えたい
消えたい
逃げたい
逃げたい
この場所から、逃げて消えて死にたい。
これは、僕にとって一生の不覚。
もう、こんな世界にいてたまるか、元の世界に戻りたい。
元の世界では、勉学だけで、良かったのに。
こんな実力の差では、どんどん引き離されるだけ。
陰さんに会いたい
ありがとうございます^_^