酔夜
夜をくり貫いた器に
星を浮かべて
冷えたシャンパンを注ぐ
捧げたいものなんてないけど
杯を掲げるよ
なんにも思わなくたって
感じてる
炭酸の突き刺すような
喉ごしみたいに
孤独なんて言わないけど
石ころみたいな気持ちを
ずっと握りしめてる
さみしい味のする夜だから
青い輝きを
いくつも飲み込んで
私の中で一緒くたになればいい
時たま夜は宇宙に近くて
この血に銀河は流れこんで
つぶつぶと遠いものたち全部
内包してみたい
だから
口上なんてないけど
杯を掲げるよ
ぽっかり開いた空に
高く
できることなんて
それくらい