表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

413/420

第393話 二コラチェカの告白


「ん、好き。ボクはおにいちゃんのことが大好き」


「空の上から落ちてるとき、ボクは怖かった。けど、みんなと違うボクのことを誰も知らない、どこでもないどこかに行けそうで、ちょっとホッとしてたところもあった。それは間違いない」


「けど雪山に叩きつけられて全身が痛かったとき、ものすごく怖かったし後悔した。もしもあの時おにいちゃんが助けてくれなかったら、よりそうなってたと思う」


「その後もずっと面倒を見てくれて、うれしかった」


「スプーンを持てないボクに食べさせてくれた。心細くならないよう一緒に遊んでくれた。傷が痛む時は、優しくなでてくれた」


「全部、全部覚えてる。あの温かい思い出があったから、ボクは黒い吹雪の中でも平気だった」


「けど、だからここで再会できたとき、傷ついてるおにいちゃんを見てボクも傷ついたよ。隠してたつもりかもしれないけど、バレバレだった。隠しきれないぐらい、おにいちゃんは傷ついてたから」


「何とかしたいって思った。ボクにできることなら何でもしたいって思った」


「けどゴメンなさい。何もできなかった。何をすればよかったのか、今でもボクはよく分かってない」


「おにいちゃんが傷ついてることは分かるのに、その傷がどうすれば治るのか、難しすぎて分かんなかった」


「それでも何かしてあげたかった。ボクはおにいちゃんのことを家族だと思ってるから。そのとき分かったんだ、ボクは何がしたいのか」


「一緒にまた温泉に入ろう。おいしいごはんをいっぱい食べよう。今度は前にできなかったこともして、また遊んで」


「そうやって、ボクと一生一緒にすごそうよ。好き。大好き。超大好き。そばにいるよ、いつまでも。隣りにいるよ、どこまでも」


「行けるところまで、一緒に行こう。ボクは行きたいと思ったし、おにいちゃんとなら行けるって思えたから」


「ずっと一緒にいよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ