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二光秒その2

 さて、さっきから音がどうのこうのと書いているが、宇宙空間で音が伝わるわけ無いだろう、とツッコミを入れている読者も多いと思う。

 しかし、宇宙空間でも音が伝わるのだ。

 宇宙開発初期の小さな宇宙船ならまだしも、巨大な宇宙戦艦が星を砕くほどの威力をもった兵器でやり合う様になって、人々は初めてその音に気づいたのである。

 われわれは、昔から媒質を必要としない波を二つ知っている。一つは光波だが、もう一つの波、重力波がその音の正体なのだ。爆発などで急激に質量が散失したとき、ソリトンと化した重力波が発生し、人間が乗っている宇宙船の船体を叩く。たたかれた船体は空気を振動させ、その音を人間が聞き取るのだ。

 一方、ドーミエの中ではメインコンピューターが復旧作業のための作業を始めていた。手始めに被弾状況把握だ。これはさすがにコンピューターだけあってあっという間に情報が蓄積されてゆく。情報が入ってこない部分は汎用ロボットを使って直接調べさせ、同時に修理もさせる。直ぐにコンピューターは回転している船体を止める為バーニアをふかし始めた。損傷率32パーセント、それでも戦闘継続可能と判断したのだった。

 反撃するためには敵の位置を特定しなければならない。被弾前の映像には手がかりがなかったが、被弾後の光学探知装置の映像にうっすらと光りの帯が発見された。飛び散った船体の破片に、第二撃のレーザー光が散乱されているらしい。コンピューターは、回転による映像のぶれを補正しておおよその敵の方位を割り出し、最終的な姿勢制御を加え、敵がいる方位へ向けて船体を停止させた。セオリーとして敵から見える範囲を小さくし被弾率を下げるのだ。

 さていよいよ反撃だ。第一撃から5分以上、さっきの光りの帯びが第二撃としても、次の攻撃が当らないということは、敵はかなり遠方から攻撃していると判断される。MBHガンが軽い唸りを立てて比較的大きな船体の破片を試し打ちをした。やはり船体のバランスが悪いため照準に誤差が出るようだ。このままなら一光秒先では200メートルぐらいのずれが生ずる。しかし贅沢を言って入られない、使えるだけまだマシだった。もし残された方のMBHガンの中で機械の回転が止まっていたら、砲台ごとひきちぎられて遥かかなたに飛び去っていただろう。そうなっていたら、残った兵器では反撃のしようが無かったのだ。

 まず手始めに敵のいそうな範囲の光る点にむけて弾を一発ずつ撃ってみることにする。2千個ぐらい有るが10分も有れば終わるだろう。運がよければ敵を粉砕することが可能だ。

 船内では、損傷の程度が酷く給弾装置が故障する可能性も合ったので、通路に仮設されたレールの上を運搬専門のカーゴロボットたちが下のMBHガン用の弾を上に運んでいた。なにせ急場凌ぎの改修だった為、人が使う部分を潰してロボットの動く場所を確保したのだった。そのうちの一台がレールの継ぎ目に引っかかって転倒し、直径5センチぐらいの球形の弾を撒き散らした。弾はマイクロブラックホールの重力の影響下で天井に張り付くようにして跳ね転がってゆく。その先でたまたま廊下の点検をしていた汎用ロボットの頭部に弾が当りロボットは転倒した。が、カーゴロボットは躊躇せずに弾を拾い上げ去っていった。あとに残された汎用ロボットはなんとか一人でたちあがったものの、動きがおかしく、頭には凹みができていた。

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