幼女、厨ニ耐性持ちだった
「詳しい話をする前に、少しこの世界の話をしよう。
この世界には、武の頂点に位置する5人の偉人が居る。
《滅龍王》センチネル、《魔導王》カイン、《地獄王》ベリアル、《聖光王》アーサー、そして我が父である、
《斬星王》トール・ロードの五人だ。…雷神流は私の父が興した流派。使いこなせば恐ろしく強いが、生憎と魔導術持ちしか使えない。魔導術持ちはロード家以外では確認されていなかったが…真祖である君が持っているならば鍛えない理由はあるまい。」
うわあ…なんかすっごい2つ名持ってる人がいるな。
強そうだけど…
って言うか孤児院長、斬星王とやらの子供なのか。
なら強いことも納得だわ。
「孤児院長、その雷神流ってどれくらい強いんですか?」
「元々ロード家しか使えなかったからな…曖昧だが、
親父は斬星王の名の通り、星を切ったらしいけど
僕じゃあ都市一つくらいが限界かな」
おおい!この人さらっとヤバイこと言いましたよ今!
…でもそんだけ強いんだったら習う価値はあるよね。
都市一つ切るまでは行かなくていいけど、
どこぞの三刀流みたいにドラゴン切りはやってみたいかな。
「…わかりました!特訓、頑張ります!」
「よおし!いい心意気だ!じゃあ、早速孤児院を案内しようか」
風呂場や子供部屋(共同)を案内されている時、私はふと尋ねた。
「孤児院長、二つ名ってどうやったら付くんですか?」
「う~ん、Aランク位の冒険者なら自然に付くと思うよ」
「孤児院長は冒険者やってたんですか?」
「…少しね。」
「それだけ強ければ、二つ名付きましたよね?」
「ああ、《ソードマスター》とか言う糞みたいな名前を
貰ったよ!ちくしょう!」
…触れてはいけない黒歴史に触れてしまったようだ。
「あ、あははは、か、格好いいと思いますよ」
「…君も恐らくA級以上は行くだろう。
だからその時の為に私がいい名前を考えてあげるよ…
《ヴァンパイアクイーン》か、雷神流を覚える事を考慮して、《ヴァルキュリア》とかか?《プリティープリンセス》もいいかもな」
「全部いい名前ですけど、私は《ヴァンパイアクイーン》…は何となく合わないから《吸血姫》で良いんじゃないですかね」
「恥ずかしくないのか、君は…」
「スティーブさんと初めてあった時、全裸だったのに、見られてもあんまり恥ずかしくなかったし、羞恥心はそんなに無かったし…問題ありません」
「やれやれだ…これからの事をかんがえると頭が痛くなるよ」
「これで全ての部屋を回ったな…どうだ?感想を聞かせてくれ」
「木造ですけど、とっても清潔で、広いです。
これなら、楽しんで生活出来ると思います!」
「お気に召したようで何よりだ、…ん、勉強時間が終わったな、サクラ、今日は特訓はないから、みんなと一緒に遊んで来なさい」
「はいっ!孤児院長、改めて、これから宜しくです!」
私は、みんなの方へ向かっていった、
1章本編終了です。2章に入る前に人物紹介と世界観の説明、閑話を数話挟みます。