幼女、ステータスを確認する 後編
「頭を抱えたいのはこっちだぞ!サクラ!…まあいい、次だ、属性についてだが…虹属性はその名の通り、
火、土、水、風、光、闇の6属性全てに適正が有る、
レア属性だな、ただし、レアと言っても200人に1人入るくらいの確率だからそこまで驚くことではない。
問題はもう片方の方だ」
「この虚無属性ってヤツですか?」
「ああ、こんな属性は聞いたことが無い。恐らく系外属性だろうな……まあ、たとえその属性を持っていたとしても、
魔法に適正があるかは別だ。
例えば、火属性持ちは数え切れない程いるが、使える魔法には個人差があるからな」
「でも、確か系外属性持ちって国に一人か二人いる程度だって話じゃなかったかい?」
孤児院長の話が確かなら、系外属性持ちはこの国には居なかったはずだから、私だけって事かな?
こいつは臭え!
…チートの匂いがプンプンするぜー!
虚無属性っていかにも強そうじゃん!
ハズレじゃないことを祈ろうっと。
「さて、次はスキルなのだが…普通、スキルはその人物の種族によって異なる1つか2つの初期スキルがある。
君の場合4つもある訳だが…問題はそこでは無い。
真祖である以上、魅了はあっても問題ないだろう。
真祖は魔力の扱いにも長けているから、魔道術が有るのも納得できる。問題は残り2つのスキルだ、
翻訳は、国でも、翻訳を専門とし、王に仕える一族だけが使用できるスキルだし、アイテムボックスに至っては
遥か東の中央大陸でしか使われていないと聞いている。
もしかすると君は中央大陸から来たのかもしれんな」
ふーん、まあ、この知識はともかく、この身体は中央大陸から来たのかもしれないな。草原のど真ん中に素っ裸で立ってた理由は謎だけど。
ステータスプレートをタッチすると、その項目の詳しい情報が見られる。スキルの欄をタッチし、効果を見る。
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魅了 対象を自分に依存させる。効果はLevelに比例
翻訳 あらゆる言語が使用出来る
魔道術 体内での魔力操作が可能になる。効果はLevelに比例
アイテムボックス 「道具」を無限に収納可能。生物は収納不可。
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「この魔道術って何に使うんですか?」
「魔道術の事は、孤児院に行ってからバルドルに聞き給え。」 「 バルドル、サクラにアレを教えてやれないか?真祖ならば行けるんじゃないか?」
「うん、サクラちゃんなら行けそうだ。」
「あの…なんの話ですか?」
「孤児院に行ってからのお楽しみだよ」
超気になる!なんだろう!
目を輝かせていると、ギルドマスターが額を叩いてきた。
「まだ称号の説明が終わってないぞ、しっかり見ていろ」
あ、サーセン。
「称号はスキルと違い、体質のようなものだ。効果がある物もあるし、無いものもある。詳細は自分で確認したまえ」
称号の欄をタッチする。
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絶滅種 種族の最後の生き残り。先祖達の魂により、ステータスに補正がかかる
可能性の存在 世界の可能性。
神の欠片 ※※※※※※※※※※※
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「うん?」
神の欠片だけ文字化けしてて読めない。
「バルドル、これらの称号について、何か知らないか?」
「絶滅種は、以前見た事がある。可能性の存在は…
いや、何でも無い、分からないな…神の欠片に至っては文字化けする理由が分からん。ステータスプレートは、世界のバックアップを受けている筈だから、間違いはないとは思うが…」
ギルドマスターも、孤児院長も分からないみたい。
「でも、特に害は無さそうだし、良いじゃないですか」
「君の体の事だろうに…まあ、確かに害はなさそうだな。」
よし、これで粗方説明は終わった筈。
孤児院へ行って、私の異世界ライフのスタートだ!
「じゃあ、孤児院へ行きましょう!」
「待ち給え、サクラ、君の「これから」について少し相談しようじゃないか」
ギルドマスター達がニッコリ笑う。
どうしよう…なんか、みんなの目が怖い気がする…
サクラのステータスでオンリーワンなのは称号だけかな?スキルとかその辺の詳しい説明は後々。