幼女、ステータスを確認する 前編
ギルドの中は、雑多という言葉がとても会う場所だった。
内装は……………
ポ○モンセンターかよ!って突っ込みたくなる程、某ゲームの施設に似ていた。
中は、様々な人種の冒険者らしき人達で溢れていた
あの人は獣人、あっちの人はドワーフ、あの人は…
サキュバス?ハーピー?ちょっとよく分からないです。
そんな感じでギルド内は見事にファンタジー感を出していた。
「お!スティーブさんが帰ってきたぞ!」
と、声が上がると周囲の冒険者が一斉に振り向く。
冒険者をかき分け、奥から職員らしき青年が出てきて
話しかけてきた。
「マスター、お帰りなさい、飛龍の件はどうでしたか?」
スティーブさんが報告をすると、職員は安堵の息を吐く。
「じゃあ、当面の間は様子見ですね、ところでマスター、このお嬢ちゃんは?」
「ああ、この子は今日から孤児院に入る事になってな、
ステータスプレートを作りに来たのさ」
「そうでしたか、なら早速作りましょう!」
職員さんに先導され、ギルドの奥にある部屋に入る。
「はい、じゃあこのプレートに意識を集中してね〜」
渡された葉書サイズのプレートに言われた通り意識を集中させた。
「キャッ!」
その瞬間、プレートが急に激しく発光した。
周りの皆は既に目を瞑っている。
……光るって知ってたなら教えてくれてもいいのに…
目を開け、ステータスプレートを 見ようとすると、皆ものぞき込んでくる。
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名前 サクラ
Level 1
種族 真祖
ステータス
腕力 100
耐久力 100
知力 1000
俊敏 100
属性 虹・虚無
スキル 翻訳・魔道術Level1・アイテムボックス・
魅了Level1
称号 神の欠片・絶滅種・可能性の存在
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…………え?
のぞき込んだ皆も唖然としている。
真祖って確か、吸血鬼だよね?
それにこのステータス、馬車で聞いた一般的な大人のステータス超えてるんですけど……
チートが来たのは嬉しいけど、真祖なんてオマケはいらないよ〜
「サクラ、君は一体、何者なんだい!?」
騎士さん、落ち着いて!今、一番困惑してるの、私だから!
暫くすると、全員が落ち着いたようだ。
ギルドマスターが私のステータスについて説明してくれる。
「さて、サクラ、まず君の種族だが…真祖は滅びたハズの、伝説の種族だ。悪魔に属する吸血鬼とは違い、無理に血を吸う必要は無いし、日の光を浴びてもなんの問題もないから、ここで暮らせないという事はない。
次な、物理攻撃に直結する腕力、本体の耐久を表す耐久力、スピードを表す俊敏、これらのステータスは全て100、Dランク冒険者の平均値であり、初期値でこのステータスと言うのは異例中の異例だ。
………………魔法の威力や制御を表している知力に至っては、ネームドの上級悪魔にすら匹敵しているよ…
無茶苦茶だ…」
「なんだと!」
「これは…また…凄まじい…」
ギルドマスターの説明に、全員が驚愕する。
うわあ…そんなにヤバかったのか…私のステータス…
「ちなみに、ネームドの上級悪魔ってどれくらい強いんですか?」
…飛龍と同じくらい強かったりするのかな?
「ああ、ネームドの上級悪魔ともなると、周辺各国が総がかりで掛かって何とか…って感じかな」
えー!って事は私、魔法だけならこの辺の国全部に喧嘩売れるって事!?初っ端からチートすぎでしょ!
「サクラ、驚くのはまだ早いぞ、規格外なのはこれだけではない!」
ギャー!まだなにかあるのー!?頭パンクするー!
続きは後編で。
※ネームドは名前持ちの意です、悪魔は名を持つと強くなります。