続く世界
シリアス入ります
「師匠、この人殺っちゃったほうが早くないですか?」
「…サクラ、君はいつからそんな殺人鬼みたいな発想をするようになったんだい?」
「別に進んで人殺しをしたい訳じゃないんですよ。ただ、私やその周囲に手を出す奴はサーチアンドデストロイしますがね」
「サーチアンドデストロイが何かは解らんが、サクラが我々の事も思ってくれているのは分かった。だが、敵はむやみやたらと殺せばいいという訳ではない。利用できるものは利用するべきだ」
「情報源にもなるし、人質にもなるんだしね」
「ギルマスも師匠も一般人と思考がズレてるのは気付いてるんですかね…」
「兎に角!こいつは殺さずにどうにかできるよう、ギルドから国に取り合って見る。こいつ自体、かなり上の地位だったらしいし、国同士の交渉材料にはなるだろう」
むう。ギルマスに任せとけば安心…って言いたい所だけど、私達がまた襲われたらどうするんだよ!撃退は簡単だけど、周囲の人まで巻き込まれるかもしれないんだよ!私達が狙われてる理由がこの国にバレたら、それこそ帝国の二の舞いかもしれないし。
「大丈夫だ、国にはお前のことは報告せずに、ギルマスとして帝国にはいい含めておく。帝国だってギルドに目をつけられたままで他国の領土で誘拐なんてことは不可能だろうしな」
「こういうのは大人に任せておきなよ、9歳がやることにしては、事がでか過ぎる」
…まあ、残念ながら地球の知識の中には、政治的なことに関する情報は一切無かったっぽいし、ここは任せておくか。
「じゃ、あとはお願いしますよ」
最後にマーズに向の股間に水魔法を使ってから逃走する。
「畜生!クソガキめ!ぶっ殺してやる!」
空き家から怒鳴り声が聞こえてきたけど全力でスルー。
『お漏らしのマーズ』なんて二つ名が付いたら面白いのに…
その夜。マヤと一緒にベッドに入った私は中々寝付けなかった。
「夜風にでも当たってくるかぁ…」
皆を起こさないように窓を開けて外に出る。
「よく考えたら、ここに来てから一度もしっかり夜空を見た事が無かったな…」
じっくり2つある綺麗な月を見ていると、何かがこみ上げてきた。
「『光よ』」
手のひらに浮かび上がった、小さな光。
地球の知識にはなかったモノ。
この世界は未知で溢れている。
無限の可能性を秘める、魔法。
様々な形をした、魔物。
魔法でも、技術でもない、スキル。
獣人、エルフなどの無数の人種。
そして、私自身。
記憶がないことや、地球の知識。滅びたはずの真相である事。マヤも持つ『神の欠片』の称号。
転生者と呼ばれるものなのか、それとも偶然知識を得てしまったのか。
2年間この世界で過ごしたけど、まだまだ分からない事だらけだ。
ナミビア帝国にいると言う、神の欠片持ちの人も気になる。
一年後。学院に入れば更に多くの未知を見つけるだろう。
私は未知を求める。
この世にもし、全知全能の神が居るとしたら私は気の毒に思う。
未知がない行き方など、何が楽しいのか。
未知を探求してこその人間なのだから。
だからこそーーーーーーーこの世界はとても素晴らしい。
ああ、とても紅い、いい月だ。
〜次の日の朝〜
サクラ「私なんであんな中二な事語ってたんだろう…」




