撤退開始かな
俺とクロが姿を隠して馬車に近づき様子をうかがっていると
クリエとシエルが数分後崖の反対側から現れ
キメラと戦闘開始した
クリエは渡してあったビルゴを抜き
シエルは双剣を構えると商隊との間に陣取ったようだ
キメラが二人に気を取られている隙に
カイルさんは岩陰に隠れて弓を構えている
「商隊の護衛はそこの角にある岩陰まで
死ぬ気で馬車と荷馬車を護りなさい
そこに仲間が隠れています
合流後は谷を抜けこの先の集落に向かいなさい」
「わかった。救援感謝する」
商隊は指示に従いこっちに向かってくるようだ
俺はクロにシャドーダイブを解除させると
岩陰から手を出し合図した
「護衛の皆さん荷馬車に生き物は乗ってませんか?
今から荷馬車を回収します」
「何?乗ってはなかったと思うが
この量をどうやってしまうつもりだ?」
「俺の神器は特別なんですよ
ほら早く荷馬車から離れてください」
荷馬車に乗っていた商隊の人を
馬車に移ってもらうように促し
荷馬車に誰も居ないのを確認すると
スマホを触れさせ馬車馬を残し倉庫へしまった
「他にも荷物があれば出してください
少しでも馬車を軽くしないとダメですから」
そう言って振り返ると商隊の人達は唖然として固まっていた
俺がもう一度合図するとようやく荷物を取り出し持ってきた
「それでは出発しましょう
俺も同行します」
そう言うと俺は馬車の後ろに飛び乗った
「わかった、みんな急ぐぞ」
護衛のリーダーらしき人は馬車馬に乗ると
商隊の人達に声をかけた
商隊が撤退を開始したので俺は
クリエ達を確認してみると
クリエはキメラの周りを走りながら
後ろ足をきりつけていた
シエルは双剣を振る動作で
石の針をキメラに打ち込んでいる
カイルさんは弓を撃ちながらこちらを確認すると
先に行くよう合図を出した
それを確認すると俺達は全力で走り出した
撤退を開始して数分後、谷の方で青い光の玉が撃ち上がった
それを確認すると護衛や商隊の人達が
安堵したような顔をした
「あんたの仲間達は無事にキメラを倒したみたいだな
若いのにたいしたものだ」
なるほどさっきの色は討伐達成の色なのか
「それにしてもこの地方にはキメラは居ない筈なんだが
一体何があったんだろうな」
「数日前この先の集落でもキメラが現れました
たまたま俺が立ち寄ったことで間に合いましたが
数人死傷者が出ました」
それを聞いた護衛の人は少し考えると
番だったのではないかと言った
番なら縄張りを広げ本来居ない場所に現れる事もあるらしい
「番だとしたら人間に危害を与えなければ討伐されずに、
子供は魔獣に成れたかもしれないのにな」
そう言うと谷の方を眺めだした
魔獣の意味を聞ける雰囲気ではないから
後でクリエに聞こう・・・




