風(二百文字お題小説)
お借りしたお題は「風」です。
田守優子は私の親友。独特な感性の持ち主だ。
「この前、二年後輩の子が『風が吹いたから休ませてください』って言ったの」
また唐突に愚痴が始まった。
「それで、どれくらい酷いのって訊いたら、『立っていられないくらいです』って言うの」
何となく優子の勘違いに気づいてしまった。
「会社から近いんだから何とか来なさいって言ったら、『病院に寄ってから行きます』ですって。意味わかんなかったわ」
その後輩が気の毒だと思った。
ということです。