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バルタン星人の話

・・・・・・・夜中に執筆中ちょっと泣きそうになっちゃった・・・



・・・は、はじまりはじまり〜

バ「んじゃ、俺から話すわ。最初って一番気が楽だしなぁ」


 一同は静まり返ったように、白いメッセージ欄に何の言葉も出なくなった。


 バ「って、おいおい。なんか緊張するなぁ(゜Д゜;)」


 セイジは緊張を解こうと思って入力しようと思ったのだが、何故だか彼の話を邪魔してはいけないと思い、キーボードを叩かなかった。一種の暇つぶしにはじめたこのチャットを、いつのまにか心底楽しんでいた。


 バ「んじゃ行くぜ」







 バ「俺ってさ実は大阪在中なんだよ。一応高校生でな。歳と学年は秘密なんだが・・・。


   でさ、学校であった話なんだけどな。やっぱ学園七不思議とか有名じゃん。どこにでもあるような話。


   モーツァルトの嘆き声とか、手の生えるプールとか。ま、うちはメジャーじゃないから、あんまり面白く無いと思うんだけどな。


   俺の学校ってさ、コンクリで出来た4階建ての校舎なんだよ。んで何処の教室も当然、窓があるわけよ。


   んで実はこの辺から可笑しな話になるんだけど・・・。


   俺の授業受けている教室って3階でさ・・・そこで変な現象が起きるんだよ。


   窓際に座った人間って、絶対ある時間に気絶しちまうんだよ。それも一日置きに段々前から進むように。


   それが俺の教室だけかと思ったら、なんだか他の教室にも続いててさぁ・・・。


   窓際に座った奴に聞いてもさ、うんともすんとも答えてくれないんだよ。


   不思議に思って、窓際の席を交代してくれって頼んだんだよ。あぁ、それでこいつの名前が『武藤(むとう)』っつーんだけどね


   なんだか泣きつかれて、「本当かい!?お願いだ!一日だけなんて言わずずっと替わってくれよ!」なんて言うんだよ。


   こいつが男なら良いんだけど、ヒョロヒョロした男だから気持ち悪くてなぁ・・・(゜Д゜;)


   多少不気味に思ってな。まぁ一日だけと念を押して座らせてもらったんだよ。先生にも了解を取ったんだ。


   簡単なもんで「気分が悪くて・・・窓際に座らせてください」って言ったら簡単に了承してくれたよ。


   んで一日中そこで授業受けてたんだけどさ・・・なーんか、おかしいんだよ。授業に集中しなくちゃいけないのに


   顔はずっと窓の外ばっかり向いてるんだよな。ボーッとしている訳じゃないんだ。ずっと見てるんだよ、凝視ってやつ。


   目を凝らしてずっと見てる空の景色。


   ・・・でもさ、なんだか時折フッ・・・と意識が飛びそうになるんだよ。おっかしいなーなんて思いつつ一日過ぎたんだ。


   武藤は青い顔で「ごめんね」と言いつつ帰っていったよ。その日は何事もなく終わったんだけどな。


   次の日かな。武藤がまた「席を替わって欲しい」と言われたんだ。いや、さすがに面倒くさいんでな。


   断ろうと思ったんだが、なんだが武藤の様子が尋常じゃないんだ。


   仕方ないからその日一日だけっつーことで替わったんだがな・・・。それが、まーなんとも奇怪でなぁ。


   気付いちまったんだ。意識が飛びそうになるんじゃなくて、凝視している窓の外が暗くなるんだよ。


   一瞬だけな。おっかしいなーなんて思ってずっと見てたらさ、それを不思議に思った後ろの女子も


   窓の外を見出したんだよ。んで聞こえてきたんだ。


   後ろの少女の倒れる音が。


   いや、倒れる音って言ってもさ人間が倒れたくらいじゃ大きな音って出ないんだよな。


   机がガシャーンって倒れた音聞いて、「あ、倒れた」程度に思ったよ。


   んで、その後ろの女の子運ぼうとしたら、ずっと指指してるんだよ。窓の外。青い顔でガタガタ震えて。


   いや、なにしてんだ、と思ってさぁ。んじゃそいつ、ボソっと言ったんだ。


   「と・・・飛び降り・・・飛び降り自殺・・・!」


   身の毛もよだつってのはあの事かな。全身総毛立ったよ。こわいっつーよりもゾワッと来た感じ。


   んで窓の外を覗き込みに行ったんだ。でもさ、下には何もないんだよ。


   不思議に思ったね。あの女俺に嘘付きやがったと思ってさ。振り返ったんだよ。


   で、その瞬間・・・ブワッ!って風が『落ちていったんだ』。


   俺は振り返ったよ。怖かったけどな。何か落ちたように風が引っ張られた感じがしてな。でももう一度覗き込む


   勇気は無くてな。仕方なく一階まで降りてから確認しに行ったよ。でもそこには何も落ちてなかった・・・。


   で、感じたんだ。あぁ・・・これってもしかして屋上になにかあるのかな?って。


   恐怖が極限にまで高まると手足の言う事って収まらないのな、ドキドキしながら屋上に向かった記憶があるよ。


   んで、屋上まで上がっていったらな、まーた妙な珍客が居てな。


   武藤だよ。なんだかキョロキョロしてさ。ずっと探し物してるって感じがした。それと同時に見つかったらヤバイオーラを出しててさ。


   ひたすら必死になってる武藤に話しかけたんだ。


   「・・・おまえなにしてんの?」


   いやー・・・びびったんだーあの時。武藤の顔に。ヒョロヒョロしていっつも元気ない奴の


   ━━━血走った睨み顔って怖いわ。


   「・・・なんにもしてないよ・・・」


   オドオドしながら俺が入ってきた入り口から出て行って・・・そしてそのまま出て行ったんだ。


   特に理由も無く不思議に思ったんだ。だって、そこに・・・足跡があったんだよ。


   飛び降り寸前に残される靴。そんな感じの足跡でさ。そこがまた、俺の教室の真下なんだよ。


   こりゃ、なんかあるなと思って、色々な所にアプローチかけて聞きまくったんだ。


   んで、色々な調査結果の元解ったのが、俺の通う学校で飛び降り自殺があったって事な。しかも俺の在学中。


   その飛び降り自殺の生徒は女。なんで気付かなかったかと言うと夏休みの間にやっちゃったらしくてな・・・。


   それなら噂や先生から教えてもらってもおかしくないのに、おかしいなーと思ったんだよ。


   不思議と思うんだがな、理由はあったんだ。遺書が見つからなかったんだ。


   残念ながら名前も落ちた理由もなーんにもわからなかったんだ。


   んで数日後。放課後にまたそこに行ったらな・・・いや、これがまたイタズラか何かと思ったんだよ。


   ・・・置いてあるんだよ。靴と・・・遺書が・・・。


   ハハッ・・・信じられる?俺今、手震えてるよ。・・・ヽ(´ー`)ノ・・・はは。顔文字書かないと怖くてやってらんねぇ。


   んでな、慌てて誰か落ちてるんじゃないかと思ってな、確認したよ。フェンスから乗り出して覗き込んだらな。


   だーれも居ないの。ただ、遺書と靴があるだけ。


   ・・・で・・・お前らならどうする?普通は逃げるか?泣くか?


   俺な・・・開けちまったんだよ。靴の上に乗っている遺書。


   中には色々複雑怪奇な事がツラツラ書いてあったよ。自殺者の遺書って結構俺らには理解できないのが多いのよな。


   でもな・・・一行だけ、理解できたのがあったんだよ。


   「 武 藤 に 突 き 落 と さ れ た 」


   ・・・ククク。ギャグみてぇだろ?あのな。この一行、いきなり出てきたんだよ。


   手は紙を握り締めたまま、ずっと離れない。一行一行血糊のように増えていく言葉。


   「 探 さ な き ゃ 」


   「 あ い つ を ・ ・ ・ 地 獄 に ツ レ テ イ カ ナ カ ヤ エ ! 」


   ・・・こえぇな・・・ここまでにしておきたいんだけど・・・やっぱだめだよな?


   えらいモン見つけた事でかなり気が動転してな・・・その遺書持ち帰っちまったんだよ。


   夜、ベッドに入り込んでガタガタ震えてるんだけどな・・・窓からグシャって音が・・・


   聞こえるんだよ!何回も何回も!人のつぶれる音!怖いよ!俺マヂで泣いちまったよ!


   でさ、「俺じゃない!俺は武藤じゃない!」って叫んだんだ!


   何回も何回も!親達に聞こえないのか何故か親たちも見に来てくれない!


   ・・・ふぅ・・・でさ・・・その悪夢のような夜が過ぎてさ・・・はは、俺怖くて狂っちまったのかな。


   ・・・武藤の机に入れてやったんだ。あの子が会えますようにって・・・(・∀・)


   ハハハ・・・んでな、どうなったと思う?


   三時間目・・・。・・・ふとな・・・窓際の席に座ってる武藤を見たんだ・・・。





   窓の外をな・・・・クク・・・!


   ズルズルってスッゴイ笑った女が這い降りて来たんだよ。ズールズルってな!


   俺はそんな状況を呆然と見てた・・・。いや笑ってたかも知れねぇ。


   で・・・な・・・聞こえたんだよな。俺の耳に。俺だけの耳に。






   「見つけたああああああああああ!!!!!!!!!」





   ってさ。・・・武藤?はは。・・・落ちて行ったよ。地獄に。女に引きずられて。落ちたよ。窓から。地獄に。


   これで終わり・・・にしたいんだけどな。


   一応補足しとくわ。武藤の奴、あの落ちた女学生に夏休み交際を迫ってな。断られて、逆上。突き落としちまった。


   なんつうメロドラマ・・・。と思うなかれ人の生命がかかっちまってるかなら。


   でな・・・俺、思うんだけど、毎日毎日、落ちた時間に探しに着てたんじゃないかなって思うんだ。彼女な。


   俺が、そう思ったのも理由があってなぁ・・・。武藤が死んでから、あの席俺の席になっちゃったんだよ。


   面白かったし、あの窓の風景が好きだったんだ。


   好きだったんだ・・・。


   毎昼・・・彼女が落ちてきてさ、こっち見て「見つけた」って毎日言われるまでな」







   グシャッ!と言う音と共に聖司は後ろを振り向いた。後ろは防音がなされたネットカフェの窓。


   聖司は震える体を抑える事ができず、流れている音楽の音量を大きくする。


   ・・・・・・・・・・・夜は始まったばかりだ・・・・・・・・・。


   グシャッグシャッグシャッグシャッグシャッグシャッグシャッグシャッグシャッグシャッ


尚チャット風味を出すため顔文字とか入れちゃってます。

でもほんと、キョロキョロしちゃうよね・・・あ、ご感想お待ちしグシャッ

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