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油断大敵?



 くるくると表情の変わる、アネットの百面相を見てるのも楽しかったけど、地上って広いね!!

 頭上に屋根が無いのは少し怖いけど気持ちが良い。



 ヘイルはウズウズしながら青い空を飛びたそうにしてるけど頭を撫でてやるにとどめた。


 時間が残れば俺も飛びたいのだ。



 俺達は一般人を連れてるにしてはさっくり、旅程を消化。


 夕方頃についた町・ゴインゴは運輸の町だそうで、ここから幾つかの都市に商品を海上輸送する商会の力で発展してきた背景があるみたい。


 当然、商人の地位が高いらしい。



 背後に見える町並みはごちゃごちゃしていて、俺達みたいな初見さんは直ぐに迷子になれる程入り組んでいて、町中なのに危険区域では魔物が出る事もあるそうな。



 不思議な町だね。



 着いて早々、門番の態度がアネットの逆鱗に触れるなんてイベントもあったけど、今は目立ちたくない。

 ここは賄賂を渡して門番に話をつけ黙らせたけど、渡した賄賂は少し多かったらしく彼の持っていた地図を懐にねじ込まれた。



「サービスだお登りさん」

 だとさ……、大胆ですな兄さん。



 少し驚いたけど、有効に使わせてもらって今夜の宿を確保した訳だ。



 今回選んだのは『勇ましき回遊魚』と言う中位の荒くれ宿。


 好き勝手増築した歪な3階建ての長屋風で、内装には何らかの統一感が見られた。


 話した感じマイペースだけど悪い店主でも無さそうに感じたので滞在中の宿はここに決めて、疲れのみえるアネットを休ませる事にした。

 護衛にヘイルもつけるから完璧だろう。




 俺はもう少し見て回りたかったので再度、町に出た。

 


 やはり地上の町だからか普通に人間族が多い、がちらほら他種族の姿も見かけ活気に溢れている。


 治安は参考に出来ないけど、このエネルギーは悪くない。



 調子良く最初にまわった様に少し危険な区域の店も見てまわったけど、こっちは奴隷とか色売屋や賭場ばかりで今の俺には意味がないと見切りをつけて帰ろうとした矢先、不穏な気配がした。



 隠れてるつもりの奴等が数人確認出来る。

 仮面のしてない地底人は目立つのかカモられそうな雰囲気だ。


 具体的に言うと誘拐されそう(笑)


 神族誘拐とか舐めてるでしょう? ここは脅しとくか……。



 こんな所で暴れても被害が凄い事になりそうだったから逃げる用意。



 振り向きざま左の手をかざし、攻性錬金術『剣舞たる黒子ソード・グレイブ』を発動。


 短い祝詞に左手が過剰に反応し、何時もより力を入れてないのに術がすんなりと発動……。



 もしや、新しい左腕は攻性錬金術にボーナスが付いてるのかな?

 予定より凶悪さを増した術により地と言わず壁と言わずあらゆる空間からエバンの知る限りの刀剣のレプリカ、巨大化版が発生点を起点に垂直に突き出され一定時間存在しては消えていく。



 それはさながら剣の檻。



 発動位置を調整してあるから追手を無残にハリネズミにはしてない、酷い有り様なのは気のせいにして身体強化のスイッチを頭の中で入れて、ふわりと跳び上がる。



 一息で狭い路地を駆け抜け、壁を蹴りながら中空を行く俺は障害物を気にしない為とても早く。


 後続の暫定・悪人残党は散乱するゴミやら樽やら木箱やらに拒まれぐんぐん離されていく。


 やはり治安はあまり良くない様だと再確認する材料にはなったから今回は多めに見てやろう。



 概ね流通の種は撒いてこれたから、今回はこれくらいにして下に戻りますか。



 そんな軽い油断もあったせいか別働隊に気付かずに弓矢の一撃が当たりかけ、咄嗟に左手をマントごと振り捌き矢を弾く。


 響く硬質な音……、金の腕を見られたかもね?



 気持ちを切り替え亜空間バックから直接抜き身のギミックグレソを引っ張り出し、いきなり鞭化してスピードを緩めずに回転切りを叩きつけてやる。



 石壁に刀身がこすれ火花を散らし、鋼が捕らえた相手は4人程。



 何故かちゃんと訓練を受けた戦士の様な動きをしていて胡散臭い男女。



 回り込んでくる刃に耐性が無い様で、巻き戻った刃で軽症を与えられたが微々たる物。




 殺す気も薄いので、俺はまた壁を蹴り迷路の屋上へ逃れる。

 すかさず、こっちにも『剣舞たる黒子ソード・グレイブ』を発動。



 一目散に宿へ向かう。



「おっと! 忘れずに移送陣繋げとかなきゃな」

 思い出し、ぐんっと更に高所へ蹴り上がりゴインゴで一番高い鐘楼塔の到達出来ない更に屋上に移送陣を設置しておいた。



 少し不本意だけど、当面の地上への移動ルートはこの町からになりそうな予感。




 

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