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始動「エバンニド教団」



 聖印配りはヒノンとエミリオ&イシス、冒険者夫妻エーギルとアイシャ達に任せて合同契約の祝詞を紡ぐ。



 勿論、さっき信徒になってくれたミカちゃんにも配るのを手伝って貰った。


 実は初めての女性信徒、教団には1人以上の巫女が現れると言うからもしかしたら彼女かもね?


 皆の手伝いもあり、あまり待つまでも無く全員に聖印が行き渡った様子を確認・詠唱に入る。




『幾千の調べ 悠久の窓際 水の柱が一つエバンニドに追従するを誓え さらば契約は為される』

 祝詞の旋律に従い自然と村人達から返答が帰る。



『『『契約を望みます』』』



 何十もの声が重なり、聖印を繋がりに神気が交換され、双方の体に刻み込まれる。


 村人の頭には直接に俺の教義が響いている事だろう。


 今ならまだ契約破棄が出来るが、そんな気配も感じず……暫くは、新しいスキルの発現や肉体の加護に村人が驚きの声を上げ出すを見る。



 俺自身もこの契約で水神としての神格が上がったらしく、失ったままだった左腕の切り口に自動的に光が集まる。


 そして何故かの錬成陣!


 予想外の事に固まっていると、勝手に陣が回転を始め手先の方に移動……。




 通過した陣の後ろから金色に光る金属の腕が現れる。

 肩部はつるんとしていて肩・二の腕・腕部と3部位に別れている様だ。

 サイズは不釣り合いな程に大きく全体的に丸い印象を持った。



 腕から二の腕にかけて覆うようにタワーシールドの様な四角い金属合板が張り付いていて見かけが非常にゴツイ、けど表面には流れを現す細かな細工が見て取れ繊細さも併せ持っていて綺麗かも?



 続く拳も巨大で、成人男性の頭部を包めるサイズ……。

 肉厚な指先は鋭い爪状になっているらしく金属質なのに、手の平をニギニギしてみたら感触があるのに驚き嬉しくなる。



 暫く動かしてみた後、人間サイズにも出来る事を発見して小さくしてみる。

 元の腕と同じくらいになったけど、金色で金属製なのは変わらない様だ。


 皆は単純に驚いてるようだったけど、イシスなんかは親近感からか「……逞しい///」とか、言ってエミリオを慌てさせたりなんて一幕も。




 けど、良い事ばかりで無いようで、神気の総量が上がった事で平然とオーラを纏っていられる様になったけど、逆に「周りが圧力を感じているみたいなので押さえ気味に切り替えて下さい」と、焦るヒノンから忠告されたのだ。



 どうやら神気の強すぎる存在の近くに居ると魂が押し潰され、精神にダメージを負うそうだ。



 酷いと自我の崩壊とか。



 こりゃ、これからも押さえ気味にせにゃならんみたいね。




 興奮は冷めない様だけど、ざわつきが収まったのを感じてこれからの展望としての話をする。



 まず村を一度取り壊し、新たに区画整理と人数分の家の建て増し、神殿と露天風呂・錬金工房の建設・陣による神聖結界の設置をしたいと思って居ることを告げる。



 更地にすると言う所で多少、反対の声が出たが、財産の保障の約束をすると確約する事で納得してくれた様だ。

 更に他所に親族があって連れてきたい場合、申請してくれたら受け入れるとも言っておく。


 にわかに活気付いて来たのを見計らい、これからここを中心にした邪気避けの結界を張りに行くと告げて祝詞を紡ぎ、聖印の巨大版を地に突き立て、ヘイルに跨がり飛翔。


 これが完成すれば中位の魔物や邪霊、アンデットの侵入を阻止出来る事を告げる。



 多分、これは俺の教義の特殊魔法で規模こそ小さくなるだろうが、信徒にも使えるようになるとも告げると商人系の村人がやる気を出していた。


 


 背後の岩盤を迂回し、まずは基点として北を目指す。


 風を切り裂き、岩の平原や川・幾つかの地底森林を飛び越える。

 久々に二人でする全力飛行は存外に面白かった。


 そのままの勢いで日に二本づつ八方位に中程度の聖印を穿っていく旅。




 飛んでみて知ったこの地の周辺には、意外にも有用な土地が多いのを知り気分は上々、最後はゆっくりと飛んで村の聖印に戻る。



 この頃には既にシャスティア王子と魔導騎士達も村に着いており、早くも民家の撤去を始めてくれていたらしい。

 疲労はあるが最初の聖印に触れ、追加の祝詞を紡ぎ陣を張る。


 各方位から波動が伝い成功を教える。

 多分、遠くでは中継地を繋ぐ点が円になり、川となり、東西南北よりこちらに向かって水が流れてきている筈だ。



 中心に到達する迄は魔術干渉をしていなくては為らないが会話位なら出来る。

 しばし待ちながら出向いてきた王子と魔道騎士達に挨拶と区画整理に関する話し合いを始める。



 ボグラがしゃちほこばって「疲労回復の魔術をかけさせて下さい!」と来たが、どんな魔術干渉があるかわからないからと断ったり。


 程なくして襲い来る水。


 怖がる村人を宥め俺の元に水流が合流、より一層に陣が輝き流れて来た水は巻き上がり円を描きながら聖印のアクアマリンに吸い込まれていく。




 半月もかけた術式は無事成功!



 これでアンデット・魔物対策は万全だに近くなった。

 この術は俺の教団『エバンニド教』の売りになるだろう。







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