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同行者探し 1




 キンドマックに着いて、まず驚いたのが人の多さだった。


 イストフラロウスも人は多かったが、住み分けがされていたり閉鎖空間だったりであまり目立たなかったから圧倒される。



「こんなに沢山人が居たら住むところが直ぐに無くなるんじゃないかしら?」


 マリアがもっともな質問をしてきたので、おそらく半分以上は旅人か商人・冒険者だろうけどねと答える。


 ヘイルサンダも小さくなったままで人の群れに入るのは初めてだから少し辟易へきえきとしてるみたいだ。


 人が多い事も有ってか、俺を気遣って左肩に乗って居てくれるのは有り難いし落ち着く。


 それは元が左腕だからだろうか? 彼も左利きだし。 


 そうそう、あんなんでもヘイルサンダの本質は守りである。 これも左に起因する性質らしい。



 そんな事をつらつら考えつつ、人に紛れてからは身長が低い俺は波に隠れてしまうのでマリアに方角を教えて貰って歩き、冒険者ギルドに向かう。


 気にはしてたんだけど鮮度が落ちていたり、腐ったりしたら堪らないので、バックの中の生体素材やらを売ってしまいたいのだ。


 それなりの実力のある魔術師が同行してるなら『腐敗防止ピュリファイ』の魔法をかけて貰いたい位だ。



 考え事に沈みかけたせいで途中、人にぶつかりそうになったけど、怒鳴りかけてたおじさんもこの肩をみると痛ましい眼をする……、何故か糖石(飴の様なもの)を貰って背中をポンポンされた。


 むぅ、なんか釈然としないぞ。



 嫌な気分になりそうだったからさっさと忘れて、ギルドに入る。


 早速、素材の鑑定をして貰いつつ宿の手配もして貰う、今回は仲間を募集したいので泊まるなら近い方が便利だからだ。


 暫くして、ダガーウルフの犬歯に毛皮・デスバイパーの毒袋・キメラの魔眼・戦山羊の角・魔石に蛇鱗など、素材が中々に高額で捌けたので、マリアの亜空間バックも見て貰うと精神波が登録されているものと少し違う様なので調律出来ればまた使えるとの事。 少し時間が掛かるので腕輪を外して欲しいとの事だ……けど、コマンドワードがわらない。


 仕方無いので彼女は現在、記憶喪失であると伝えると考えた後、それなら2パターンの波長を登録してはどうかと言うので任せてみる。


 元が一緒ならセキュリティとしても問題無いらしい。 


 金は掛かるけど直ぐ終わるそうなのでやって貰い部屋へ。


 

 もちろん、個室を2つですよ!?



 その後、二人で併設のサロンに行き休憩がてら中に居る冒険者達で頼りになりそうな前衛ぽい人を探してキョロキョロ。


 何人か凄い装備やら強そうな人は居たんだけど、なんてーのかな……、やたら真面目そうだったりビシッとしてたり上品だったりで、なんかしっくり来ない……、むしろ俺達って浮いてる? 


 ヘイルサンダを見ると「父上は冗談が得意なのだな。」って感心してた。 駄目っぽい、マリアと苦笑しつつ掲示板に募集のメモだけ張って帰る。



 なんか視線を感じたけど気のせいかな?



 空振りしてる間に夜が近くなったので冒険者の酒場に。 こっちはサロンと違って粗野でばか騒ぎだ、こっちもウキウキしてくるヘイルサンダもマリアも陽気な方が好きみたいだし好都合。


 俺達は奥に陣取ってそれぞれのアルコールで乾杯!


 皆、とりあえずビール派では無いようだ。


 一緒に居てマリアが飲んでるのを初めてみるけど実は大好きみたいだね、お酒。 物凄い飲みっぷりでウイスキーを空けていく。


 そうなんだよね。 彼女、茶色い系が好物らしい。


 しかもペース速いなー、でも酔ってない様子。


 な、なんか食った方が良くないすか? 流石に心配になる。



 ちなみに俺は梅酒とか果実酒とか。 俺は俺なんすよ!その分どっかり食ってるのでイーブンで!



 いつの間にか騒ぎの中心になってる俺達にまた不自然な視線が……。


 騒ぐのに夢中でこの時は気付かなかったけど。


 久しぶりに飲んで騒いで楽しかったのだけど、最後まで酔えなかった。



 まぁ、自動発動パッシブスキル『全毒オート無効デトックス』が片っ端から解毒してくから仕方無いね。


 そして翌日もギルドに出て、軽めの依頼を解決したり、調達系の依頼を受けたりして過ごし、夜は酒場で大騒ぎ。



 マリアのバックにウァラの頃のギルドカードが残っていたので、更新してランクダウンして貰ってたんだけど再度、稼ぎ直して二人ともBランクまで上がってたり。


 狙い通りに、ここ数日で仲良くなったマスターに俺達に合いそうな前衛職を紹介して貰って一緒に飲み、気が合いそうなら同じ依頼を受けてみて相性を探る日々。


 けど、こちらの事情まで込みで同行をお願いしたい信頼出来そうな人物は現れず。 


 依頼で地域の魔物に倒せないものも居ないし、ハウルベルは此処からまだ遠い。 


 仕方ないので出発する予定で挨拶周りをして馴染んできた宿も最後かと思いながら眠りに付いた。


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