アーティファクト『知識の柔石』初使用
小水神との邂逅の後に早速、宝珠を使用してみようと思う。
神族化と聞いて正直舞い上がっているけど布教には今のところ興味無い、それに面倒そうだし。
彼が言った通りに、集中して考え事をすると頭の中にもう一人居るかの様に頭脳が回転する感じがした。
まず手始めに失くしたギミックソードに改良を加えて造れるか試してみようかな。
以前までは俺の体力的に限界で、必要以上に軽く作っていたけど水神の加護でタフさが上がってるので威力を上げる事にする。
適度な強度と軽さも欲しいので、以前は作れる要素さえなかったアルミニウム合金(アルミニウム×超合金)を錬金合成。
持ち手と一節刃目を一体成形にして、継ぎ目の強度も補足。
グリップに細かなブツブツスキンと指に合わせた凹凸を作り滑りづらくした。
内部に魔力での巻き取り・送り出しの出来るリールを取り付け、よりトリッキーな運用を可能にし収納時には片手剣として使用できる造りに調整。
見た目より軽いので長さを稼ぐ事も出来て、二刀流に対応。
今まで使えなかった鞘を利用できるのも良い点だと思う。
刃の形状はフォレストマンティスと言う蟷螂の鎌に似せて節と節の間に、これまたアルミニウム合金製のコイン(節刃よりやや小さい)をはさむ。
良い感じだ!
まずはアルミニウム合金を作るため陣にアルミニウムと亜鉛、マグネシウムを置き祝詞を唱える。
『巨神の鎚もて大地を穿つ 歪み撓み 深遠の忌月 合金練成!』
陣から激しい重圧の波動が消えた後に超合金が出来上がる。
鉄が足りないので、以前作った盾を共に陣にすえて盾と合金の表面にも陣を描き足し更に詠唱。
『灼熱の息吹 具足の嘶き 幻想を越え現想に遇え 鍛冶練成!』
今までに無い程の光の嵐と烈風で眼を開けていられない。
暴風が去った後には鞘に入った二振りの長剣が出来上がっていた。
抜刀すると脳内で構築したままの剣身をさらす、二本とも一通りの動作確認を終え問題無く動くのも確認して満足した。
ほぼ全財産を使ったけども悔いは無いさ!
よし、こいつの名前は「捕食の鎌」にしよう。
サクサクと『命名』の陣を発動すると銘が自然に刻まれる 。
そう言えば、今まで錬成を行う時は必ず陣と祝詞の両方を使って発動していたけど脳内で鮮明に励起出来ていれば今みたいに短縮詠唱でもいけるんじゃ無かろうかと思案。
試しにバックから各種の薬草を出し、量の調整をしてから頭の中にポーションのレシピをしっかり思い描き『薬剤錬成!』
短縮詠唱を行うとポーションは無事に出来たけど、何故か錬成陣が自然に出てしまった。
しかも、蒼色……。
もしかして宝珠の影響を受けてるのかな?
その後、同様の錬成を数回繰り返したけど、大きな変化は無し。
まぁ、今回は短縮に成功したんだから良しとするか。