おちびくんと引っ張る男
怪しい噂を聞いた、それは住宅街に時々現れる。
おちびくんと、おちびくんを引っ張る男。
と呼ばれている都市伝説だった。
おちびくんは身長40cmほど
顔は目撃者もみんな覚えていないそうだ。
おちびくんを引っ張る男は仙骨の辺りまで伸びたさらさらで綺麗な髪をし、彫りの深いおじさんだったと、目撃者たちは口を揃えて言う。
おちびくんとおちびくんを引っ張る男はいつも遠くにボールでも投げるような姿勢で手を繋いでいる。
このふたりに会うと二週間以内に何らかの怪我を負うことになるんだそうだ
最初は隣の市の女子生徒が発端だったそうだ、おちびくんとおちびくんを引っ張る男に遭遇したその女子は四日後に車に轢き逃げされた、命は助かったものの足に軽い後遺症が残った。
その女子が入院のお見舞いに来た友達に、おちびくんとおちびくんを引っ張る男の話をしたところ、瞬く間にその噂が広がった。
二週間後また新しい目撃者が出た、おちびくんとおちびくんを引っ張る男が駅のホームに立っては、バク転などのアクロバティックな動きをしながら線路に消えていった、この話は多数目撃者がいたという、見た者はそれぞれ二週間以内に、何らかの怪我を負ったが、一人死者も出ているという。
私はその死者のことだけを知っている。
そっとウイッグを被った、少しづつ顔をおちびくんを引っ張る男に寄せていく。
おちびくんは実際は小学1年生の普通の男の子で、私の弟だ。
今日も都市伝説の役をする。
噂がどれだけ独り歩きするのか。
弟が真っ暗な目をしてこっちを見てくる、私も同じように真っ暗な目をしているんだろう。
この役が終わったら、また違う都市伝説になるんだろう。
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