【Fatum Essence Online】活力
久しぶりにFEOの話だよ。
今日のエッセンスリンク申請は一つ、もう一つは保留(?)である。
申請した相手は『ジャック・ザ・リッパー』。
かの有名な殺人鬼も英国貴婦人みたいな恰好で、お洒落な傘をさして……
『月の神であろうが吾輩は本質に重きをおいている。失望させるではないぞ』
って、思いっきり男性ボイスなんだけどおおおお!!!
女装かよおおおお!?
意味分からん、と混乱していたが、彼の奥義は単体の相手に大ダメージを与えるもので、しかも女性特攻つき。
これは……まさにFEO攻略の要!
FEOはキャラの女性比率が高いのだ。
つまり、ボスキャラも自然と女性な訳で、女性特攻ぶっ刺さりまくり。
うむ、商業化の弊害って奴だ(?)
……で、保留中なのはオリオンさん。
普通にエッセンスリンクできたのだから申請したいのだけど「コイツ、キラレ目当てだから申請するな」とハデスさんに告げ口された。
しかし、私経由でなくとも、いつかアルテミスさん経由でエッセンスリンクされてしまうのでは?と指摘したら。それでも時間を稼げと言われてしまった。
まぁ……保留。
同グループ内のプレイヤー限定でチャットができる『トークルーム』にて、ちらっと顔を出して「オリオンさんの申請は様子見で保留にします」とだけ書き込んだ。
あと、トークルームはあんまり顔を出さないよ。私は。
雰囲気っていうか、独特の空気に馴染めないのもあるし、個別でハデスさんとかエレシュキガルさんとか、最近だと芥川さんとチャットするだけでいいやとなってる。
それでもハデスさんからは「たまに向こうで話しとけ」と指摘されてる。
あそこは一応、攻略の情報交換の場になってるからね。
誰かのエッセンスリンクない! 誰誰とまだ遭遇してない!! ってことで、相手と時間を合わせる為に活用できるし。
私と遭遇できなくて困ってる!! って人がいないか、偶に様子見する程度だ。
それはさておき。
久しぶりにストーリー攻略をしよう!
ローマ編は美味い食材の宝庫だ!
揃った素材でパスタ、ピッツァ、生ハムメロンを作ったがどれも絶品! チーズも種類が豊富!!
FEOではお楽しみになってる料理が充実するぞ!
それに、私がやろうとしなくても、勝手に兎達が作ってくれたりするのだ。
そう、ツクヨミが使役している兎達は色々と凄い。
建築の手伝いに竹を駆使する事で活躍。ネロから結構な好感度を貰うほど技術力はある。
ただ……彼らは気まぐれ!
ノリと勢いで料理を作ったり、物を作ったり、サポートでも変な竹の手りゅう弾を投げて私が巻き込まれそうになるし!
ツクヨミが「あまり期待しない方がいい」と警告したのは、そういう意味だったのだ。
まあ、もう慣れちゃったけどね。
「貴様……見かけない顔だな。何者だ?」
で、ようやくブーディカさんと遭遇。
彼女は最初のムービーで着ていた衣装のまま、人目のつかない場所で身を潜めていた。
ちょっとネタバレというか、まだ私がストーリーをクリアしていないとハデスさんに伝えたら教えてくれた要素がある。
一方通行に思えたストーリーなのだが、実は一部でプレイヤーがRPできる場面があるらしい。
しかもVR限定で!
このVR限定のRP次第で、なんとストーリーに登場したキャラを仲間にできるのだ!!
ただ、この要素は序盤から発見されていたものの、実際にキャラを仲間に出来たのはごく一部のプレイヤーのみ。
私の知っている中だと、カグヤ(キラレ)さんの動画で登場していたゼウスのプレイヤーだけ。
ゼウスのプレイヤーの場合、ネロを仲間にする事ができた。
しかし、シナリオ的にネロ以外にも仲間にする事ができそうなのだとか。
主な候補はコンサートに出場するキャラ達、そしてブーディカさん。
ただ、ブーディカさんは最初のムービーであった通り、アイドルコンサートをやりたがらない意思が強い。
てか、彼女はローマに対して色々、ね?
でも、彼女と共に行動するよ。
だって、他キャラと交流してたら、コンサートの準備とかしなきゃ駄目なんだもん!
ネロさんには、ブーディカさんを説得するという名目で説明するよ。
彼女もブーディカさんには思うところがあるようで、アイドルとして輝いて欲しいと願っていた。
「貴様にとって『アイドル』とはなんだ?」
あ、ここだ。
色々あってブーディカさんがプレイヤーに質問してくるところ。
貴重なプレイヤーがRPできる場面だ。適当に受け流しとこう。
「活力ですかね」
「……活力?」
「私は好きなアイドルとかいませんけど、他の好きなアイドルがいらっしゃる方にとっては活力みたいなもんです。推しのアイドルの為に、働いて、嫌な上司の嫌がらせに絶えて、近所で変な噂をされても頑張って生きようとするんです」
「待て、何か貴様の国の話が……酷くないか?」
「平和だから身近でのいがみ合いが頻繁に起きるんです。人間、争う生物ですから社会が成立し続ける以上、避けようがないです」
ふと、ちょこちょこ動いている兎たちが何かを持って来た。
これは……ドレス?
ブーディカさんの為に作ったの? ツクヨミは「お前たちはまた勝手に」と呆れている。
でもまぁ、センスがいいか分からないけど、私でもコッチの方がマシかなとは思った。
「どうせ出る事になるなら、せめてマシな衣装にしておきましょう。この子たちが作ったのを着て下さい」
「……いいのか?」
「ええ。この子たちも好きでやってますからね」
さぁ、いよいよストーリーは終盤だ!




