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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【ヴァルフェリアオンライン】漫画

途中から、別視点に切り替わります。ご注意ください


あれから、休憩を挟み、ゲーム内時間で数日過ごす私。

暇を見てタクを観察していたが、似たような動きを繰り返していた。


彼の動きを見計らって、図書館へ本を返却し、新たに本を借りる。

次は歴史文献と古文の文献、その次は各種族の言語の辞書。

ついでに、それぞれの言語の試験を上層までクリアしておいた。残るは最深部のみ。


その途中、タクをこの目で目撃した。

正確には彼を遠目で確認したのだが、彼は図書館司書のエリーゼさんに対し何かを届けるクエストを行っていたのだ。

しかも()()


ひょっとしてNPCの好感度上げの為?

エリーゼさんも、眼鏡をかけて一つ結びの銀髪ヘア、目元はきつめにつり上がっているが、顔は整っているし美人に入る方。

VRMMO系だと、NPCと会いたいが為にクエストをやっている人は珍しくない。

実際、NPC目当てで宿泊まってる人いるもんね(ちよこさん)。


私は勉強を終え、図書館最深部に到達してから、ギルドマスター試験に挑む予定だ。

そろそろ、ギルドのクエスト受けなきゃアカンよなぁ。


途中、息抜きで件の安倍晴明の漫画を描き進めていたりする。

マーケットのコメントを参考に、異世界側が疑問に上げている事も把握しておく。


例でいくつかあげると

・馬車や牛車への突っ込み。

 異世界では馬や牛は暴れるのが基本なので、ありえない光景のようだ。

 異世界ではドラゴンが陸空海の交通手段に用いられている。


・世界が不完全であることへの疑問。

 異世界では神々が完璧に世界を管理している為、才能のない人間や無意味な生物の概念を共感できない。

 陸空海の交通手段に必要なドラゴンが、我々の世界に実在しない不完全さには首を傾げている。


・スキルの概念がない不安。

 異世界においてスキルのレベルというのは、自身の経験アピールでもある。

 才能の証明において必要不可欠なスキルの概念が皆無である為、物語で主人公が能力を示す際。

 何故、スキルのレベルもないのに、相手は主人公を信用するのか?など面倒な疑問が生じる。


・肉体の症状。

 異世界では腐敗現象は発生しない。ポリゴン粒子となって肉体が消滅するのは魔素分解と呼ばれている。

 そう、魔素の存在がない世界をどう伝えるべきか。

 肉体だけではなく、様々な現象全ての説明を上手く伝えなければ、納得はしないだろう。


これはほんの一部に過ぎない。

恐らく、全てを納得させるなんて無理なのだ。何も考えるな、感じろ! がNPCには難しい事なのは分かっているが……


日本語に加え、人間語と鬼人語の翻訳と一話の間に差し込む解説も完成。

流石は最新鋭のVRMMOだ。

デジタル作画は完璧。

静止画だが、ちょっと躍動感あるエフェクトも追加できる謎仕様でワクワクする演出もできた。


よし! いよいよ投稿だ!!





「琴葉。遠征に行く準備を……」


「タク……忘れたの? 昨日、いえ、ゲーム内時間で一昨日かしら。タクが一日を潰したせいで中止になったのよ。遠征は来週の月曜日にやる事にしたじゃない」


「え……」


ショックを受けるタクだが、対する琴葉もどこか疲れた様子だった。


あれから、図書館から慌てて帰還したタクは遠征の準備を慌てて行い、その最中に手持ちにあるロストページを見てクエスト途中であった事を思い出し、再びギルドから飛び出す。


途中の畑で再び目移りしてしまい、エレメントチェリーの木が枯れている事を思い出す。

それで木が枯れているのを、どうにかしたいと騒ぎ。

他プレイヤーの捜索や枯れたエレメントチェリーを探すが見つからず。


町にいる他プレイヤーを頼ろうと、捜索した結果。

プレイヤーが経営している衣服屋を発見。

エレメンタルチェリーの事を忘れ、デザインに魅了されたタクだが、ここがおかしいと店主のプレイヤーに難癖つけて、店主を怒らせブロックされた。


途方に暮れて放浪したタクは、最終的に図書館へ。

そこでは、とある有名大学に所属するプレイヤーたちによる『異世界語を解読してノーブルの試験に合格できるか!?』という企画動画の撮影が行われいた。

タクはそれに関心がひかれ自信満々に「僕にもやらせて下さい!」と勝手に参加表明。


しかし、彼らは場違いなタクをなあなあで受け流して、自分達は本格的に解読を挑む姿勢を見せた。

彼らの高度なやり取りに、当然ついていける訳なく。

タクは金魚の糞のように彼らに続いて、試験会場の扉を開いたが、合格できずに終えた。


往生際悪く、タクは何度も挑戦し、結局途方に暮れて扉の前で俯いている所をミミたちに発見されたという。

彼の捜索に一日を潰されたせいで長距離の遠征の準備もままならず、翌日に出発すら出来ない。

遠征は、来週に延期してしまったのだ。


「タク……また忘れたの? それとも話を聞いていないだけ??」


流石の琴葉も聞き返してしまう。

タクはムッと子供のように拗ねて反論した。


「話は聞いているよ! でも、来週にやる必要はないじゃないか!! 今日は無理でも土日に遠征できる! 琴葉だって早めに次の国に拠点を作りたいって」


「誰のせいで遠征ができなくなったか分からないの!?」


タクの反省しない態度に、琴葉が怒鳴る。

影で話を聞いていたミミたちも複雑な様子であった。

珍しく怒りを露わにした琴葉にタクも、呆然としてしまう。


「遠征は中止。タクもシフトはなくなったからログアウトして。この話も()()()よ」


「………っ」


タクが逃げるようにログアウトするのを、琴葉は再度溜息を吐いた。

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