【Fatum Essence Online】変装(偽)
FEOでは、ある程度の周回を終えた後。早速、食材の下処理を行う。
……なのだが、本当に予行練習だ。
WFOの方では全く仕様が異なってしまう。
お供の兎たちや妖精たちが手伝ってくれる環境ではないし、WFOでは衛生面が確立されてないので、下処理をちゃんとしないと自作の料理すら危険。
WFOをやるプレイヤー達は、その辺りのスキルが伸びていない間は、素直にNPC頼りな環境。
こう考えると、やはりWFOは素人が気軽に来れるVRMMOじゃないのだ。
一先ず……『ノーブル』のアカウントからかな。
タクの件がすっかり落ち着いたとはいえ、開示請求云々の問題は続いている。
『まほ★まほ』やFEOでは、基本ノーブルの『創造言語』の予習ばっかりやっている程だ。
そして、もう一つ。
『エルフ』のアカウントで試みようとしている事があった。
以前触れていた通り、火属性のエルフは優秀さの代償に同族間では忌嫌われており、NPCと鉢合わせただけでトラブル待ったなし。
その対策として『変装』を模索中だ。
変装、といってもカツラを被ったり、コンタクトをつけたり……ではない。
これまた大分前に説明したが、WFOの世界観設定では、魔力の属性で自身の髪色目色が変化する。
この原理を利用し、眼球や体毛だけに別の魔素を流し。
他の属性に見せかける……というもの。
だが、この変装は中々繊細な技術を要する。
恐らくだが、『魔素操作』が使えるエルフにしかできない。
うーむ……ちょっと勿体ないよなぁ。
ある意味、火属性のエルフ隠れの裏技って考えれば嬉しい側面ではあるけど。
……そういや、すっかり忘れられているけど、武闘大会ってどうなるんだろうか。
間近の段階でサービス休止だったが、ある程度、復帰後の感覚を確認する為、期間を開けてくれたり……しないのかね。
私も掲示板、SNS等で確認しているけど、そういった情報がなし。
他ユーザーも私と同じ疑問を抱いている事が分かった位。
ネットサーフィンすればするほど、声は様々だった。
一番の問題は、WFOの安全性である。
サービス休止の詳細な原因が発表されていない。システムにハッキングされたと安全性を煽るような内容があちこちにあった。
だよね。私はタクの件で一応ログインするんだけども、色々不安だよ。
ぶっちゃけ『まほ★まほ』運営よりも不安。
あそこは内部分裂で荒れただけで、安全性は問題ないからね。
次の不安は集金サービスが横行するんじゃないかって事。
サービス休止した影響で、ゲーム内の広告収入以外の利益は得られていない。
プレミアムパックも休止期間分は返金。
となれば……休止した分の利益を得る為の集金が悪化するのではないか?って事。
実際、既に運営側から幾つかのサービス告知が入っている。
『映像作品見放題』『電子書籍読み放題』『音楽聞き放題』の課金パック……これはWFO以外の加速時間つきVRMMOではよくあるサービスだ。
ただし、バイターなどのガチ勢ではない層向けの。
他にも『料理』や『裁縫』などの家事関連の指南パック。
データ作成などの仕事向けアプリの利用パック。
音楽・動画作成アプリの利用パック。
勉強関連のアプリの利用パックなどなど……
主婦層やバイター層を集金ターゲットにして、ゲーム勢は蔑ろにするって奴か?
……どうなの? それって。駄目じゃない??
この空気には私以外のユーザーも同じ感想を呟いていた。
確かに操作性は独特で難しいけど、それを楽しんでいたユーザーもいる訳で。
最後の不安がゲームとしての期待っていうオチとは想定外だった。
WFOが一般層に定着すれば、VRMMOの中では異色扱いでサービス継続は見込める……のか?
ただ、そんな事例は今までない訳で、不安要素しかない。
個人情報の安全性も同じく。
『まほ★まほ』はWFOと違う意味で今後の不安が大きい。
『あなドル』は息抜きと小遣い稼ぎで偶にログインするだけで、別にって感じ。
以前、ツクヨミと話し合った通りの展開になって来てしまった。
良くも悪くも良いのはFEOか。
ただ……FEOには最大の問題点――やる事がないってのが解消されていない。
WFOと『まほ★まほ』のログインは控えながら細々やろう。
一先ず、繋ぎとして『MMW』があるから良しとして。
……新作のVRMMOに期待しよう。
なんだかんだ、こうしている間にも新作VRMMOは産声を上げている。
これもいつも通りの展開って奴だ。
『ゆっくりのんびりふぁ~む』に定住するまでも、こんな感じだったからね。
現時点では目ぼしい新作タイトルは……なし。
いや、アクションやタワーディフェンス、ロボット戦闘系など楽しめそうなタイトルはあるのだけど。
バイター視点で有益なVRMMOは……ない。
……ない、ワケでもないんだが。
唯一バイターの活動ができそうな新作VRMMOは『魔法少女の金曜日』。
アバターが魔法少女仕様限定という、成人男性がやるにはキツイ奴である。
タイトルで察せられるが、この作品は『魔法少女の月曜日』『魔法少女の水曜日』……という具合に派生作品がありそれぞれジャンルが異なる。
『魔法少女の金曜日』は生活シミュレーションに特化した内容だ。
そう、即ち戦闘がない。
『ゆっくりのんびりふぁ~む』と同じ農作物を育て、魔法アイテムを作成し、快適な生活を送る……
中々悪くはないが……やはりアバターが強制的に魔法少女なのは、ちょっと……
まだ『エレメント・ロフト』がマシだから、そっちにログインするよ。
うむ。




