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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【まほ★まほ】達成


ログイン六十日目。

何度か検証し、私はある確証を得た。

謎の偽物の出現条件を!

ボアロさんが登場して以降、常盤くんが訪問キャラを少し警戒する素振りを見せる。

匂いで判別しているのだろうか、何事もないと「きゅん!」と嬉しそうなリアクションをした。


そして、今日もモルガンさんが訪問してくれる。

常盤くんの匂いチェックは合格。

今回は杖などは並べず、山で採取した素材やアクセサリー、ぬいぐるみなど雑貨を置く。

しばし吟味した後、モルガンさんはある商品を選ぶ。


「ふふ、この子を家に連れて帰ろう。中々愛らしい」


『白猫のぬいぐるみ』を購入してくれた。このモルガンさんは本物。

やっぱり、偽物の目当ては――『カーバンクルの加護』つき商品である。

モルガンさんの誕生日に向けた商品を『でじたる』で作成しまくって配置し、加護関係ない採取素材を置いてあるので、偽物らしき存在は登場していない。


判別方法が分かったところで、問題大ありだけどね?

変な奴が勝手に商品盗んでいくのに変わりないのだし、折角の加護つき商品を販売できない。

……まぁ、武器は全然売れないので別にいっか、って諦めた。

多分、偽物関連で『刻印』を入手できると思うので、いつかクリアするとして。

しばらくは、新規キャラの取り入れを行おう。


すると、モルガンさんがまだ居残って話を続けた。


「この店が発展する為にも、妾が一つ力を貸そう」


や、やった! ようやく仲間もとい遠征キャラになった!!

私だけだよ、ここまで苦労してモルガンさんを仲間にしたのは!

捨てないで良かった。あの和服セット!

私は役場に向かい、NPCへのプレゼント窓口に黄緑のオールバックヘアの女性『ユウコ』さんがお出迎えしてくれる。


「こちらは速達便の受付所です! 誰かにプレゼントの郵送ですか?」


思えば、君とのイベントも始まってないよね。

条件って何かな、と必死に考えて、他プレイヤーの情報に目を通していたが分からん状況。

……もしかして、一度役場の郵便窓口で面識あるかどうか?

実はユウコさんとは、ここでも接触できるけど、私は今回が初対面である。

これがイベントトリガーなら……うん、私が馬鹿だったよ。


一先ず、ユウコさんにモルガンさんへの誕生日プレゼントを速達して貰う事に。


「あ! こちら、誕生日が近い方ですね!! 期限内に必ずお届け致します!」


よしよし、これで一安心。

対モルガンさん商品から一変、他キャラの来店を誘導する商品に一新する。

やはり狙うは得意武器が『水晶玉』のキャラ。

最近訪問してくれるようになった『ミスティック』さんの為に、ぬいぐるみはそのまま。

猫以外の、抱き枕式のでかいぬいぐるみや、カーバンクルのぬいぐるみを作成してみるぞ。


『カーバンクルぬい<ジェイド>』★

効果:-


型紙を基に『でじたる』で作成すると、こんな感じだ。

桃花さんのハーバリウムみたいに、時間と手間をかければ効果付与するかもしれない。

お次は『水晶玉』の作成だ。


『ストロベリークォーツの水晶玉』★★★★★

耐久度:7000

攻撃力:2650

俊敏値:1550

効果:ルビー補正(中)

   追撃効果補正(小)

   逆境補正(極大)


色に合った素材を水晶に織り交ぜる事で、比較的簡単にいい補正がついてくれる。

効果三つだけど極大効果あり……似た花言葉の素材を入れたら、補正が上乗せしている感じがする。

確証はないけど。


そして、問題は傘だ。

最近入手した『節制』のタロットカードの逆位置『浪費』の効果を使い、多目に素材をブッ混んでみる。

今回は和傘ではなく『日傘』を作成してみた。


『白の日傘』★★★

耐久度:300

攻撃力:150

俊敏値:900

効果:-


結構、素材使っちゃったけど、コレか。

私以外にも傘を作成している人はいるけど、ほとんど私の作っている傘と数値が変わらない。

普通にクラフトするだけでは補正をつけられない仕様なんだろうか。


そして、一段落した作業がもう一つ。

土地にある木の剪定が終わる兆しが見えた事である。

作業を進めていると、最初の内は変化がなかったのだが、次第に土地に魔力の粒子みたいなのが漂い始めるようになった。

品質に変化があるのかな?と素材をチェックしているものの特別変化がない。


今日の作業で、最後の木の剪定が完了。

時間はかかったが、これで心置きなくWFOの活動に専念できそうだ。


「わぁ! 凄い良い土地!! ここなら妖精さん達も喜びそう!」


お、おお?

急に登場したのは、そう妖精を連れている金髪の少年。

ネームドNPCの子だ! 結局、この子の情報が全然出回らなかったのだけど、まさか――ここで!?

少年はビックリした反応を見せた。


「え!? あ、ごめんなさい……ここって君の土地だったんだぁ。僕は『スタウロ』! 妖精さん達が住みやすい土地を探しているんだ」


私の土地全体を見回すカメラワークと共に、スタウロ君の話が続く。


「こういう魔力に満ちた土地に妖精さんが住み着くと、普通の妖精さんとは違う感じになるんだ! 君も妖精さんとお友達なら、試してみて!! じゃあ、僕はそろそろ行くよ。土地の管理って大変だけど、他にも色々良い事が起きるから、頑張ってね!」


そんないい情報を貰っておきながらも、私はこれからFEOの周回をしなくてはならないのだった。

すまんね。スタウロ君。

色々落ち着いたら『まほ★まほ』に戻って来るから!

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