表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/363

【Fatum Essence Online】アイドル


どこか薄暗い部屋から場面は始まる。

険しい表情をした女性が一人。

女性にしては背が高く、腰まで届く赤い髪が特徴的な彼女の恰好は――女性アイドルが着る派手な衣装だった。


「くっ……これはどういう真似だ! また私を恥ずかしめようと言うのか!!」


ホントだよ?

私も突っ込みそうな状況に、影で姿は見えない誰かが答えた。


「ブーディカよ。お前は()()()()になるのだ」


「また血迷った事を……」


「妾は本気だ。アイドルとは人々を熱狂させる存在。お前にはアイドルとしての才がある! そして妾も同じくアイドルと成ろうぞ!!」


そして、章のタイトルが表示された。



     ―――白熱のローマコロッセオアリーナ――



………なにこれ?

勿論、FEOのストーリーモードである。

あまりの展開に、トンチキイベントが始まったのかと思ってしまったのは私だけではない。


WFOと『まほ★まほ』を終わらせた私は、休息を取ってからFEOを始めている。

元々、VR系はある程度、脳を休めないと駄目だからね。

サービス開始直後は、乗り遅れない為、長くログインしていたけど、今日からは最低限で、ゆっくり進行していく。


ちなみにだけど『コロッセオ』は娯楽目的の闘技場だから、ある意味、アリーナとして扱うのは間違いではないという。

何でこう微妙に真面目な要素を拾ってくるんだろう?って部分がFEOにはある。

今回は最初からVRモードでスタートする。


謎の開幕シーンや題名(タイトル)でも分かるが、歪が発生した場所はローマ。

コロッセオではアイドルコンサートの開催を『ネロ・クラウディウス』が宣言しており、賑わっているという。(ちなみにネロは女性化している)


フランス編でもそうだったが、歪が生じると場所や歪の要因に導かれた神霊や偉人、英雄が現れるそうで、アイドルコンサートには様々なキャラが参加を表明していた。

こんな状況でコロッセオは盛り上がっている中、ツクヨミは真面目に言う。


「適合者よ。恐らく歪の要因はあの催しにあるだろう。元凶を突き止めなければならない」


フランス編とは異なり、コンサート会場の準備を手伝いながら、原因を調査する方式だった。

ちなみに手伝いをクリアすると、アイテムやエッセンスを獲得できるぞ。

たまにモンスターが襲撃してくるが、今回は防衛戦。

制限時間までにコンサート会場を守り抜く感じである。


ある程度、ストーリーを堪能して「そういえばブーディカどこ?」という具合で一旦やめ。

簡易探索とエッセンリンクを行う。


気のせいかと思ってたけどログインしてない人、結構いるんだよなぁ。

折角、オリオンさんにエッセンリンク申請したけど、向こうから返事がないのだ。

ストーリークリアして、もういいやってなった人が多い?

簡易探索もやっているけど、中々遭遇しない。


最早常連となったハデスさんとエレシュキガルさんは遭遇するし、エッセンス交換もする。

今の所、この二人はログインを続けていた。

ちゃんとログインしている、だと既にエッセンス交換したスカーサハ、ケルベロス、ナベリウス、芥川龍之介……彼らが含まれた。


そういえば、ツクヨミとアルテミスの遠征で[探索の歪『月の都』]が解放された。

無難に解放された歪の探索をしようか。

あと、新たな歪を解放する為に、フレンドになった新たな面々でランダムの遠征に行って貰う。


すると、珍しく私にエッセンスリンクの申し出が来た。

どれどれ……『カグヤ』?

もしかしなくても、かぐや姫??

私の予想通り、それっぽい雰囲気の銀髪の少女が竹林の背景と共に現れる。


珍しく私が挨拶する前に、特殊な演出が入った。


『お久しぶりです。お父様』


『ああ。適合者に迷惑をかけてはいないだろうな』


『も、問題ありません。私も反省しておりますので……』


な、成程?

そういう関係だったのね。かぐや姫は月出身の設定ではあるから。

普通にエッセンスリンクを交換すると、新たに『カグヤのエッセンスリンク』の枠が解放された。

ツクヨミで解放されているのは、アマテラス、スサノオ、イザナギ、イザナミ、そしてカグヤ。

うーん……どれも地獄の数値。


ただ、やはり自分自身(私の場合はツクヨミ)のエッセンスが集まり易いので、まだ親族関係者のエッセンスを無理に解放しなくて良さそう。

ツクヨミの戦闘能力自体、結構いいからね。


すると、カグヤの人からフレンドチャットが送られて来た。


[フレンド交換して頂きありがとうございます]

[私のプレイヤー名にある通り、ゲームの実況動画を配信しています]

[こういった形式のVRMMOなので、どうしても他プレイヤーの方々との接触が多くなるため、事前に撮影許可の有無を確認しております]


………え? あ、ああ……ここにもいるんだ? VRアイドル。

ビックリしつつ、カグヤの人――『星底(ほしぞの)キラレ』さんから撮影時に映った場合、カットして欲しいか、モザイクをかけて欲しいかとか色々確認してきた。


もう私は適当、というか変に交流する機会もないし、どうせフレンド奥義とか簡易探索で登場するくらいだろうから別にって感じ。

むしろ、アイドルって大変だなぁとしみじみしてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ