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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【あなたがアイドル】漫画


その後も、色々あって順調に進む。

『魅了魔法暴走事件』までのキャスティング。

カット版であっても、登場人数はそれなりにいるのだ。


男性キャラを女性がやる舞台でよくある男装手法の提案も何度か上がったが、メインの男性キャラだけは同じ事務所所属の男性アイドルに担当して貰う事にした。


比較的あっさりとキャスティングや準備は進む。

途中、真面目な花が自身の演技に納得できずリテイクする事があったり、他アイドルたちが歌詞とは違う慣れない台詞でたどたどしい演技になってしまったり。

素人なりに頑張って撮影を終え、最後にキャストで上映会をし、満足な結果に終わった。


あとは投稿された短編ドラマの反応だけ。

花は気が気ではなかったものの。

かなり好評的な意見が多く、新たな『クリエイトエリア』の活用法に関心され、様々な方面から賞賛される結果だった。


マネージャーから、花たちに「是非、本格的なドラマの撮影をしてみましょう」とまで反響の声が大きかった。

全員が喜んだ。

中でも花は、静かに感動を噛みしめていた。

アイドルから本格的な女優を目指せる第一歩を踏み出せたのだと……この時までは。


「……は!? ど、どういう……事ですか……()()って!!?」


しばらくした後。

時系列としては現在に、突然マネージャーから呼び出された花たちが、信じられない話に唖然とした。

マネージャーも混乱気味に伝える。


「花さん達が撮影したドラマの、原作の漫画が盗作……ううん。()()()()()()()()()()()()()()()だったの」


「え……? え………??」


「はぁ!? なんだよそれ!」


困惑を隠せない香と怒りを露わにする焔。

そして、頭をかかえて月が尋ねた。


「も、もしかして、書籍化されてたりゲーム化されている作品だったんですか……!?」


「いえ。よりにもよって『あなドル』の『クリエイトエリア』に投稿されてた作品だったわ。」


「嘘、でしょ……?」



「………というのが、顛末です。彼女らが原作である貴方の作品を意図せず利用してしまったとはいえ、このような事態に発展し大変申し訳ございませんでした!」


『あなドル』にある○○プロダクション事務所の一室にて、私は主任の安西という男性から頭を下げられて、ただただ困惑していた。

アイドル達は被害者であり、関係者とはいえ無関係過ぎる。

想定外の流れ弾だ。

私は一先ず、例の漫画について確認する。


「私の小説を引用したという漫画を描いたプレイヤーとの連絡は?」


「それが……()()()をしていたようで……」


「勘違い?」


安西さんも困惑した表情で詳細を伝えた。


「本人は荻野……いえ八月一日(ほずみ)さんの作品を親作品登録できないのが()()()だと勘違いしていたようで……実際、運営に不具合報告をしていたそうです。親登録を受け付けない設定をしている作品を親登録しようとすると『この作品は登録できません』と表示されるんですが、件のプレイヤーの方は、親登録受付停止している作品は『この作品は親登録受付停止にしてます』と表示されるものだと()()()してしまった訳です……」


なんじゃそりゃ!?

突っ込みどころ満載な勘違いだけど、安西さんはこう付け加える。


「し、しかし、本人は勘違いだと理解して作品の方を一時公開停止にしましたので……その~、VR越しでも分かる位には赤面だったというか、恥じている様子でしたので、俄かには信じ難いですが、本当に勘違いだったと」


「そうですか……」


私の知らない所で勝手に盛り上がって、勝手に混乱して、勝手に巻き込まれた。

だから、返答もリアクションにも困るのだ。

勝手に巻き込まれた上で、安西さんは頭を下げて来る。


「それで、本当に申し訳ないのですが、漫画の方は別として、ドラマ化の使用許可の方だけでもして頂けないでしょうか。本っ当に差し出がましい事ではあるのですが! ドラマ出演したアイドルグループの彼女たちは女優デビューを志しており、今作が公開停止になってしまうと世間体にも問題が……」


いや、本当に差し出がましいよ。

私は被害者なのに、勝手に漫画化ドラマ化されて、アイドルの都合で使用許可出してくれって。

だけど……

事前にドラマを確認したら、何と出演アイドルの中に、以前突っかかって来たピンクツインテの子が!


うわぁ……私が許可出さなかったら絶対文句言いそう。

以前のやり取りで、多少理解をしてくれる子だと分かるけど、今回の安西さんが頭下げているのも、この子がドラマ化許諾だけは取って!ってお願いしたんだろうなぁ。


私は渋々口を開く。

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