【あなたがアイドル】【スパーダ・アベントラ】判定【Fatum Essence Online】【まほ★まほ】
げ、解せぬ。
『まほ★まほ』からログアウトして、現実での作業を終えた頃。
珍しく、VR機器に搭載されたVRMMOからのメッセージ通知が入っているかと思いきや。
『あなたがアイドル』……『あなドル』からの通知。
例の悪役令嬢もの小説について、ジャンルの変更をして下さいという奴だった。
なんでや!?
確かに、ちょっと謎解き要素があるけど、大した内容じゃないし!
頭空っぽでも読めるんだから、小難しい話ではないのに。
恋愛要素が少ない!? ……それはまぁ、確かにまぁ。
取り合えず、渋々ログインして『クリエイトエリア』に移動する事に。
主人公は『悪役令嬢』が登場する『乙女ゲーム』にいるお邪魔男性キャラに転生したって奴だ。
でも、所謂現代社会の転生者じゃない、時代も何も、乙女ゲームとは無縁の別世界の貧民が転生。
もう一人の、乙女ゲームのヒロインも転生者なのだが、お邪魔男性キャラの主人公が全然シナリオ通りにお邪魔しないからイライラして。
主人公の方は主人公で、別に玉の輿とかも狙わずに男爵家として生きようとする的なもの。
ネット小説で探せば見つかりそうな内容である。
下地が『悪役令嬢』『乙女ゲーム』の舞台だから恋愛にしちゃったけど、うん……別に主人公が恋愛する訳じゃないんだよな。
だからといって、恋愛要素がない訳でもない。
主人公の知人的なポジション『ノア』と同級生の『ヘレナ』はいい雰囲気があって。
『乙女ゲーム』において元から婚約者同士のカップルの恋愛模様も、描写はしているのだ。
ただ……主人公だけ恋愛要素ないだけで。
『エーテル中毒事件』とか暴走したヒロインが起こす『魅了魔法暴走事件』とか。
まだ公開されてないけど『儀式の暗号解読』『貴族令嬢殺人事件』に巻き込まれて解決するけど。
話題の中心は恋愛なのだよ!?
読者側から運営に通報したのか?
と、作品の評価ポイントを確認したが……え。0やんけ。ブックマークすらない。
PV数も少ない。
えーと……じゃあ、AI判定?
掲載予約入れておいた内容で判断したのか??
ああ、でも、それなら納得しかない。
AIは蓄積データで判別するから、先程挙げたように主人公が巻き込まれるトラブルが『事件』という名称になっている事から。
事件もの、ミステリーものと判断してしまった。
……主要ジャンル『ミステリー』にするしかないか。
これ、ミステリーなのかな。
だけどAI君が判定してるからミステリーにするしかない訳で、やはり解せぬ。
★
うおおお! 見つからん!!
次は『スパーダ・アベントラ』こと『スパトラ』にて手詰まりを起こす私。
上層の試練が受けられる塔に到着したものの[中層への試練を突破していない為、入る資格がありません]と表示され、中に入れず。
どこかから上層へ突破できるかと、ポール君に乗ってグリグリ地形を練り歩くけど駄目。
いや、これでいけないは絶対ない。
だったら『どこ行くねん』の称号があるのが意味分からん事になる。
何等かの手段で、上層に向かう方法は実在する。
少なくとも下層の時とは別の方法で向かう必要がありそうだ。
以前、中層はスペースコロニーのような構造になっていると説明したが、筒状になっている世界の果てに上層への塔もとい試練の入り口があると想像して欲しい。
上層側に突破口がないとしたら、元の中層と下層の出入り口付近が怪しい事となる。
まさか、元来た道を戻るハメになるとは……
どうせ、戻るのなら、まだ立ち寄っていない町で隠し要素探しをしようと散策中である。
★
そして『FEO』。
やっとの事で『テスカトリポカ』さんとエッセンスリンク申請完了!
黒い霧状のエフェクトが体より出ている黒髪の男性。
あと、課金補正込みでブリュンヒルデさんとのエッセンスリンクを成功させたぞ。
これで毎日ログインしている同グループ関係者とは、ほぼ全員エッセンスリンクを完了。
唯一、縛りプレイ中の信長さんを除く。
ずっと続けるつもりなんだろうか……でも、イベントは参加してくれるし、それだけで十分いい方ではあるけどね。
いつものルーティーンを行っていると、再びお供のうさぎ達が衣服クラフトに精を出す。
君たち、最近そればっかりね。
別に構わんけど。
あ、ひょっとしてツクヨミが『イベント衣装』のまんまだから?
気になったのでイベント衣装から通常モードに切り替えておく事に。
……うん。
やっぱり、やる事がねぇわ。
私は再び『まほ★まほ』の方にログインしてみる。
何だかんだNPCが訪問してくれているから、やりがいを感じてしまう。
よし、本格的に頑張るとするか――お店の改装を!
テイクアウト販売形式の、カウンター下にケースがあるような……って想像するのは簡単だけど、それを作成するのは大変、でもない!
私にはクラフト魔法が備わっているのだからね。




