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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【スパーダ・アベントラ】調理場


ログイン四十四日目。


前日のFEOレイド戦は無事終了。

討伐後のシナリオや報酬は後で確認するとして……まずは『スパーダ・アベントラ』にて中層探索だ。

下層で騒ぎが起きているせいなのか、前回のリスポーン地点から移動し、直近の町『第五区』に到着してもプレイヤーが全くいない状況。

逆に、活動しやすくて私にとっては好都合な状況だけどね。


しかし――


「あら、貴方は試練合格の証がありませんね。申し訳ございませんが、貴方にはギルドを利用する資格はございません」


という具合に、冒険者ギルドに入る事ができなかった。

まぁ、これは想定内。

しかし、他の『第五区』の店は普通に利用できる。

特定の技能試験が受けられる施設は利用できないなど、色々と調査していく。


先程から登場する『第五区』という町の名称通り、中層は区画が分けられている。

どのプレイヤーも最初に到達するであろう『第五区』周辺は荒れた土地だが、町自体は結構発展していた。

ぶっちゃけ、プレイヤーよりNPCが圧倒的に数が多い程に。

建造物は近代的に近く。先程触れた通り、公共施設は充実しており、町の整備は整っている。

道はアスファルトらしき舗装があり、街灯も建てられ、周囲の荒れた土地と違い、緑が植えられ、中央広場の噴水から澄んだ水が町全体に流れていた。


一見、他プレイヤーたちに開拓され、NPCのイベントは全て回収されているだろうなと思う所。

私が町の散策を続けていたら、女性NPCがどこからともなく話しかけて来た。


「あら! アンタ、『アクア』と『フゥオーコ』を覚えているじゃないの。ちょうど良かったわ。食堂の手伝いをして欲しいのよ!!」


食堂、だって?

ホイホイと私が彼女についていくと、そこそこのスペースの調理場に移動。

彼女が説明を始めた。


「難しい事じゃないわ。とにかくガンガンお米を炊いて欲しいのよ。ウチのお店はとにかく客足が多くて、お米を炊いても炊いても足りないのなんの! よろしくお願いね!!」


ふむ。

私は自動的にバンダナを頭に装備してエプロンを来た料理人の恰好に着替えさせられた。

それはさておき、私は動作や操作、パラメーター。

調理場の道具を確認する。


如何にもはお釜が三個ほど設置されているが、これはある意味フェイク!

勿論、このお釜でお米は炊くけど。

他の調理器具でも、実はお米を炊く事は可能なのだ。


たとえば普通の鍋。フライパン。熱に強そうな容器。コップもあるな!

これらにもお釜の同じように、お米を投入、水を張っていく。

お釜と比較すれば炊ける量は少ないが、とにかく沢山というなら、炊けるもので炊きまくるだけ。


鍋とフライパンは火で炊くが、容器のお米は電子レンジの原理で温めるのを試みる。

幸いにも何故か、ラップがあるので意図したアイテムだろう。

容器にラップをして振動による熱を与えて温め、ある程度加熱したら、蒸す!


って具合に作業してたら、容器のお米が効果音と共に消え去る。

恐らく、お店に提供された演出なのだろう。

容器系のお米、フライパンのお米、鍋のお米、そしてお釜のお米。

一斉に炊き出しすると、調理場が火災現場かって程に蒸気という煙に満たされてしまう。


効率良く動く! これは一種の反射神経ゲーだ!!

昨晩のFEOのレイド戦の感覚を思い出しながら、炊きあがりの効果音を頼りに私は機敏な動作を行う。

これを相応の時間熟し続けると――

完了らしき効果音と共に、クエストは終了。


NPCの女性が再登場して声をかけてくれた。


「いや~、助かったよ! ありがとね!!」


『称号:米炊き上手 を 獲得しました』

『称号:その手があったか~! を 獲得しました』


『称号:米炊き上手』

 取得条件:特定のクエストで沢山お米を炊く

 効果:お米の調理が可能になる


『称号:その手があったか~!』

 取得条件:スキルを意図していない方法で使用する

 効果:SP消費量半減


獲得したスキルは、ふざけているようで中々興味深い。

『米炊き上手』のこれって……クラフト要素だよな?

クエスト終了後、試しにメニュー画面を確認してみると調理の項目があるじゃないか!

『スパーダ・アベントラ』はクラフト要素がないんじゃなくて、クラフト要素が隠し要素って事!?


まあ、確かに……

『スパーダ・アベントラ』の公式説明には剣と冒険のVRMMOを銘打っている。

戦闘と探索・謎解きがメインと紹介されてて、クラフト要素が()()とは明言されてなかった。

公式説明や、発見がされてなかっただけで。

しかし……ただ米を炊けるだけじゃ、何も意味がないのだ。

進展は探索内容次第となる。


もう一つのSP消費量半減は結構ありがたい。

どの場面でも、重要になりそうだ。

さて、準備を整えてから『第五区』を後にしよう。


次の町を目指しつつ、道中のモンスターを討伐していく。

中層となって、急にモンスターの難易度が上昇する訳ではないが、攻撃を当てる事を意識しないと駄目程度にはモンスターの動きがある。

攻撃一発では倒せず、数発剣で叩き斬って倒す体力になっていた。


うーん……そう言えば剣の進化が中々来ない。

三段階目まではポンポンと変化したのに、ピクリともしなくなる。

記念がてら大会に出るにしても、次の段階まで進化してから参加したいものだ。

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