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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【あなたがアイドル】真剣


ログイン四十三日目。

平日なので早速『スパーダ・アベントラ』にログイン、しません!

実はFEOのイベント開催と同時に、新規エリアが解放された『あなたがアイドル』の方にログイン。

全然触れていなかったけど、存在を忘れていた訳ではないのだよ。

以前、話にしていたが『クリエイトエリア』で小説を投稿するつもりで、その小説を書き溜めていたのだ。


ちなみに、こっちの方の私の存在は認知されてない。

タクに妨害されて無限ジョギングしていたプレイヤーなんて記憶にされてなかった。

タクが某アイドルと口論になった動画でも、コースの方を映されていなかった為、私の特定はされていない。

なのでコッチも『スパーダ・アベントラ』と同じストレスフリーで過ごせるVRMMOである。

仕事をやりたいのも山々だが、まずは小説の投稿を行うべく『クリエイトエリア』へ!


転移された先は……おお、これまた独特な。

エリアの雰囲気は中世ヨーロッパ風の作りとなっている。

イラスト展示を行う美術館には、イラストだけではなく石像などの実態型なアーティスティック作品の展示も行われていた。

意外と、そういう作品の展示は多い。

VRアーティストって職業があるから、そっちの人の作品なんだろうと思う。


古い書店が幾つか並んでいる。

ああ、漫画がある!

漫画と小説の掲載はここからみたいだな。

どうやらジャンル別に書店が分かれているようで、現時点での投稿数は……微妙。

エリア中央にランキング掲示板があったので確認してみると……ジャンル別投稿数はファンタジーものと恋愛ものが圧倒的。

他ジャンルがまちまち。


……一応、私が書いた『悪役令嬢もの』は恋愛ジャンルなので、既に数十件ある作品の洪水に放り込まれるとなると……厳しい。

てか、あれだけ批判コメがあったけど、意外と投稿数多くないか?

ああいうのって、やっぱり賛否の否の声が馬鹿でかいだけあって、案外そうでもない的なものなんだな。


「ちょっと! アンタ、何しにここへ来た訳?」


は?

何か急にきらっきらなツインテピンク髪の少女に話しかけられたけど……うわ。

クリエイト投稿するなって厄介プレイヤーじゃないよな。


「小説や漫画を投稿しただけで人気になれると思わないでよね! 私達みたいに真剣にアイドル目指してる人達を舐めるんじゃないわよ!!」


うわ、面倒くさい人じゃん。

いきなり、厄介なのに巻き込まれたなー……なんで、ここからじゃないと投稿できない仕様なんだよ。

私は仕方なく溜息つく。


「ああ、その様子ですと投稿作品がどういう感じが見てないんですね。酷いもんですよ?」


「……は?」


「ざまぁ系とかスカッと系の作品っていうんでしょうか。悪役令嬢ものか、実は縁の下の力持ちでしたとか、ウザイ人がポカして酷い目に合う系の作品ばっかり。変に期待した私が馬鹿だったって感じです」


かく言う私も悪役令嬢ものいけるやろ、無難で。と思った勢だけど。

ここまで多いか?って突っ込みたくなる程。

久方ぶりに変な人に絡まれて躍起になった私は愚痴を吐きまくってしまう。


「別にざまぁ系とかスカッと系が嫌いって訳じゃないですよ。でも考えて下さい。貴方や私のように真剣な人達であれば、自分らしい作品を公表するべきだと思いませんか? 面白いとかつまらないとか関係なくです。自分らしさ、個性を出す事こそがアイドル的ではないですか。それなのに、無個性的でテンプレ的なざまぁ系とかスカッと系の作品を投稿するのって、どうなんですかね? これでアイドルらしさを表に出せると思いますか? イラストだったり、アーティスティック作品を展示している方の方が自分らしさを表現しているじゃないですか。残念なことに漫画と小説に、そういう作品はあまり投稿されていない。この現状に失望してたところです」


「…………」


「……すみません。愚痴吐いてしまって」


「……別に……確かに、そうね」


ん? ちょっと言葉が通じる系の人だったらしい。


「ちなみに他の作品は個性的なものはある感じなんでしょうか」


「さ、さぁ。私は全然見てないから」


「そうでしたか。私は他の方々の作品を見て、方針を決めようと思います。失礼します」


私の愚痴にドン引きしたのか、例の彼女は絡んでくる様子がなく、どこかに行ってしまった。

一方、私の方は他の『クラフトエリア』の様子を伺う。


クラフト系の代表と言えばDIY作品。

でも、イマイチだ。

よくあるネットオークションで販売されている小物系が多い。

どうやら、現実で自作した作品をVRスキャンで読み取り展示販売するものらしい。

飛躍してオリジナルブランドを立ち上げる方向性ではないのか。


オリジナルブランドと言えば、ファッション。

衣装のクラフトは、デザイン専門学校に通っている生徒が作成した現実の衣服をVRスキャンした代物らしい。

宣伝広告費を払えば、スポンサー企業の目に留まる切っ掛けになる形式。

結構、現実的な方向性だ。


小説や漫画などの掲載された作品が出版社の目に止まるかも、という期待があるらしい。

これも掲載は無料だが、宣伝広告費は自費課金。


料理番組などVチューバー系の動画も同じ形式だ。

なんか、確かに真剣な方向性。

他のMMOのクラフトノリで乗り込む方がお門違いである。


うーん……クラフト系は結構真剣な方向性で、中でも緩いのが小説漫画か。

とは言え、ちゃんと投稿しますけどね。

私は書き終えた『悪役令嬢もの』を分割投稿予約しておく。

これで一旦ログアウト。『スパーダ・アベントラ』にログインしよう。

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