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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【Fatum Essence Online】兄弟


「張角様! あの魚人共の湧き所を発見致しました!! 郊外にある地下洞窟です」


「あそこか……」


張角は眉間に皺を寄せ、珍しく深刻な表情を浮かべた。

基本、彼女は気楽な顔をしている事が多い。

それなのに住民から告げられた地下洞窟の存在には思う所がある。


「元よりあそこは人体には有害な気が漂っておる。異邦人たちに協力を仰ぐしかないの」


「い、いっそ穴を塞いでしまえばよろしいのでは……?」


「駄目だな。入り組んだ洞窟を利用し、大規模な拠点を作られておったら早めに潰さなければならん。最悪、手に負えない程、深刻な状況であれば……ここから離れなくてはならん」


「そんな!?」


「折角、祭りの準備が終わりそうだってのに……」


「良いか。子供たちを不安にさせるではないぞ。不安を仰がぬように逃走準備を整えておくのだ」


「は、はいっ」


住民たちが去った後、改めて張角は告げる。


「さて、厄介な事になってしまったな。時に異邦人の者よ。一つ、意見を聞かせて貰う。襲撃者は如何なる目的であると見る?」


ここで毎度のように選択式のようで一方通行の選択欄が出るかと思いきや。

なんと、普通に直接文章を打ち込む枠が登場する。

ええ!? いきなり、こういうの出すんかい!


でも、ノーヒントという訳ではない。

クトゥルフ(偽)戦で登場した敵エネミーが登場しているので、彼ら?が関わっているのは大きい。

……筈だけど。

実は今回舞台となっている町と周辺に海はない。

強いてあげるなら、否、結構大分噂されている事だけど、張角とこの祭りの趣旨が『ハスター』と関連付けられている。


ハスターとクトゥルフは敵対していると言われている。

だから、向こうが襲撃してくる理由としては妥当。

でも、そんな安易な理由か? イベントだから深く考えなくていいのかな?

むしろ、イベントだから適当にやっちゃっていいかな……


うーむ。

正直、ここでハスターとクトゥルフが敵対しているのが意味わからん。

っていうのも、タマモちゃんさんとクトゥルフが何等かの関連性があると三章で判明したのだ。

で。

これまで開示された設定的に、クトゥルフ連中の目的は地球侵攻を目論み、エッセンスを駆使するなり顕現を試みている。

なら……こんなところで仲間割れしている場合ではなくない?


ぐぬぬ……もしかすると私の把握してない原作要素とかあるのかな。

だとしたら、打つ手がない。

一つ心当たりがあるなら………


『エッセンスコネクション』


これが推理小説のようにフェアであれば、初見勢でも分かる要素を入れていると信じて入力。

張角の反応は?

単語一つだしAIは判定してくれる筈。


「エッセンスコネクション? 分からんな。どういうものだ??」


「………」


「成程――成程。そうか!」


「他の異邦人の意見も聞いたが、これで最後の欠片が揃った感覚よ!」


「何故、我らの所へ襲撃しに来たかも想像がつく。恐らく()()()()()だが、対策はしておかなくては!」


「異邦人よ。今から渡すものを作ってくれぬか」


交渉可能?

交渉可能な相手? 意外とクトゥルフさんは話が通じる相手だったのか?

そして、張角から依頼されたクラフトは――『()()()』。

………なんで?


この脱臭機の納品が一定数到達し、明日の夕方から()()()()が開始すると告知された。

って、レイド戦!?

エッセンス報酬は美味しいけど……食べ物報酬ないんだよなぁ。

アン・メアリーのエッセンス回収とかも……いやいや、その前に事前対策を考えよう。

ひょっとしたら、調べただけで何か分かりそう。


……………な、なるほど~!?

これ、ツクヨミと同じ現象って事か!!?


クトゥルフとハスターはかなりメジャーで知名度があるのだけど、もう一人、いやもう一柱。

彼らの兄弟とされる神格『ヴルトゥーム』がいたのだ。

こいつは花の匂いで相手を支配する能力を持っており……脱臭機で妨害できるのか怪しいが。

でも、その対策だと考察すれば理に適っている?


何より、これはツクヨミと同じ。

アマテラスもスサノオもいないけど、ツクヨミと関連する兄弟たる二柱のエッセンスは獲得できる現象だ!

まぁ、クトゥルフとハスターではなく、それに関連する関係者と考察すれば対策は可能。

あと『ヴルトゥーム』は戦闘能力がない。

知的な神格で交渉可能と評価されるのは納得。


……でもレイド戦なんだよなぁ。

嫌な予感しかしない。

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