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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【Fatum Essence Online】対抗


むむ。

つまり、二種類の形態のどちらかしか選べない訳か。

選択で表示された影の立ち絵から、容姿がまるで違う感じがするぞ。

ぶっちゃけると、ツクヨミ側を選ぶと男性、ブーディカさん側を選ぶと女性……え? 何か性別不明とか。

そういう感じのキャラ? ()()()()的な?


まずは性能の確認をば。


核:ツクヨミ

・月を覆いし者 月属性特攻の補正値上昇。

・混沌に抗う者 混沌耐性の補正値上昇。

・豊穣の恵み 作物の収穫スピード上昇。

・冷気の子 サポートの冷気の精霊の能力値上昇。


核:ブーディカ

・太陽神の加護 太陽があるフィールドでステータス上昇。

・混沌に抗う者 混沌耐性の補正値上昇。

・勝利の女神 敵対性特攻の補正値上昇。

・炎の子 サポートの炎の精霊の能力値上昇。


あ……申し訳ないけど、ツクヨミの方を選ぼう。

理由は『豊穣の恵み』がある! それだけで十分!!

人によっちゃ、ブーディカさんの方を選びそうだけど……私は真剣に食材確保の為に選ぶ!


選択により姿が変貌したデメテル?さんは、近未来のサイバー系というのだろうか。

ちょっと、全体的にダボっとしたパーカつきの長袖、長ズボンのファッション。

容姿も短髪で完全男性の顔つきとなる。

全体的に寒色系で色彩を統一している感じである。


彼の正式名称がデータ登録された。


『クトゥグア:対月(ムーンオルタ)


くとぅ……なんか、くとぅ何とか的な作品あったよね? それ関連のキャラだったのかなぁ?

元ネタが分からないので、上手く反応できず仕舞い。

一連のイベントが終了すると、メッセージの着信が響いた。

どうやら、タクの返事がきた模様。

私の要望通り、エッセンス申請をしてくれたらしい。


ううむ……正直、あまり成果がない。

タクはメッセージを送ってた際、私にエッセンスを送る機会があったというのに、してないのだ。

エッセンスの恩恵は得られていないものの。

私は、いよいよタクとのメッセージと対面した。


[ゼウス:エッセンスの申請しました!]


[ゼウス:そうですか。こちらこそ相談に乗って下さってありがとうございます]


最初の返信は、素直な文面だったが。

途中から、ぶっちゃけると私がストーリーモードでイベントに突入してて、メッセージを見れない間。

タクが戻って来てしまって、途中から「どうして返事がないんですか」「ログインしているのは分かってるんですよ!」とまるで脅迫的な内容に変わって。

「僕の返事が来るまで待ってて下さいよ。常識でしょう」とパワハラ上司みたいな説教オンステージが開始。今まさに、続いていた。


うわぁ……ブラック企業の上司の説教そのまんまじゃん。

ここまで来ると、情緒不安定ってレベルじゃない。


ただ。ううーん……

気がかりなのは、タクを保護しているというタクの友人。

どうやら、かなりの大企業のご令嬢らしく。タク本人ではなく彼女を相手にするのは厳しい。

あのプロプレイヤー女子といい、人脈だけは一人前だなぁ……

しかも、どうもタクをわざと放置している感じすらする。

無視したプレイヤーから賠償金を支払わせる魂胆なのか?


だったら……私も私で同じ手段を使おう。


[ツクヨミ:すみません。タクさんをブロックさせて貰ってもよろしいですか]


[ゼウス:自分の都合が悪くなったから逃げるんですか!?]


[ツクヨミ:そんなところです]


[ツクヨミ:タクさんの文面を見ていると、昔の上司を思い出します]


[ゼウス:だから、貴方も僕と同じで相手に気を使えない人なんですよ!]


[ツクヨミ:昔、ブラック企業にいた時代の上司なんですけど、タクさんのように相手の些細なミスを大げさに取り上げて、社員の前で長々と説教させて、大声で「自分は無能です」と何度も連呼するよう指示してきたんですよね]


[ツクヨミ:こんな風に書いてたら、ますます思い出してしまいますが]


[ツクヨミ:頑張って書き込みます]


[ツクヨミ:相手のミスを指摘できた自分が偉いってマウントとって、相手を蔑むのが楽しくて仕方ない。彼はそういう人間でした]


[ツクヨミ:ああ、安心して下さい。今はもう退社してますし、賠償請求もしましたから]


[ゼウス:あの。僕はそんなつもりじゃ]


[ツクヨミ:ええ。私自身が弱いせいです]


[ツクヨミ:このままだと、私の方が駄目になってしまいますので。貴方から逃げます]


ちなみに、鬱の診断はガチで取ってある。

賠償請求したのも、ホント。

そっちがそっちなら、こっちもこっちで同じ土俵で対峙してやるって訳だ。


対して、タクは「僕はそんなつもりじゃなかったのに」と毎度おなじみの台詞を言う。

私が「もう無理です」「もう限界です」と色々連呼しまくった。

向こうが、うじうじモードに入って「言葉に気を付けます」「ブロックしなくでもいいじゃないですか」とDV野郎みたいな言動を取ってきたので、いよいよコイツ終わっているなと確信する。


そして、証拠となるログをしっかり記録し。スクショし。

私は次の行動に出るのだった。

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