表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

241/365

【Fatum Essence Online】エッセンスコネクション


私は満を持してFEOにログインする。

ログインボーナスが途切れたなんて、どうでもいい。問題はメッセージ。


うわ……凄いメッセージが来ている。

でも、全部がタクからのメッセージしかなかった。

内容は、本当にしょうもない内容。私を人生相談の相手と思っているみたいだ。


げ!?

どうやらタクは先日『あなドル』にログインしていたそうだ。

そこで、プレイヤー同士トラブルを起こして……本当に学習しない奴である。

てか、もしかしなくても……ジョギングコースの傍らで俯いていたあのプレイヤー……


おいおい……冗談じゃないぞ。

こんな調子で、あれもこれもと他のVRMMOでトラブルを引き起こすようでは、どうしようもない。

挙句の果てに「僕はどうしたらいいんでしょうか」なんて聞いてくる。

いや、だから当分、VRMMOは止めてくれよ。

どうして、周りは止めてくれないんだ? ……本当になんでだ??


タク視点の話なので、彼を保護してくれているという友人も謎めいた存在過ぎる。

私は一先ず「私にも分かりません。お力になれず申し訳ございません」と「ゼウスのエッセンス交換お願いします」とメッセージだけ送る。


タクからのメッセージを待つ間、私は久方ぶりに、ストーリーモードを進めてみる事に。

前回、どうやって終わったのか記憶になくなりつつあった。

デメテル?っぽい女性と、アン&メアリーと共に次のシナリオマスを進める。

取り合えず、粛々とシナリオを進めて行こう。


マスを進めるか、既に回収してある宝箱のパズルを解くか、絶妙なラインである。

マップ上では、ヘラクレスたちが乗る『アルゴー船』は端の方にある。

一旦、動かないで宝箱のパズルを解こう。


淡々と、パズルを解いていると……禍々しい宝箱が出て来る。

難易度も少し高め。

中からは『太陽の呪い』という、禍々しいオーラを纏った塊が出て来た。

一応、船やキャラの強化素材に出来るようだけど……今まで登場した敵キャラが纏ってたオーラ的なものだよね?

これを装備するのは気がひける……

一方で、これ以外に有効打はあるかと問われれば、まぁ、ない訳で。


残るキーパーソンはデメテル?さんだ。

彼女は、本物のデメテルではないが、強大な力を有している。

味方として活躍してくれれば、嬉しいのだけど……マップのマスを進めたら、イベントが始まる。

先程、派手な能力を行使したデメテル?さんだけど、無表情ながら気怠い様子。


「動き、ない」


ツクヨミが彼女の言語を解読してくれる。


「どうやらエッセンス不足のようだな。だが、彼女の場合、果たしてデメテルのエッセンスで力を補えるかどうか」


ですよね。

この場合は、どうするべきなんだ。

ここはオケアノスだから、デメテルのエッセンスは集めやすい。

しかし、ツクヨミが指摘するように、彼女がデメテルの能力を行使できるのか……


そんな折。

露骨にタイミングよく『セラフィム』との通信が繋がり、室長さんと会話する事ができた。


『無事だったかい、みずの君! 今は……オケアノスにいるんだね。状況を手短に説明してくれないかい』


かくかくしかじか。

私が説明を終えたというシナリオで話は進んでいく。

室長さんが『成程……』と気難しく納得し、話を持ち掛けた。


『みずの君。ここは「エッセンスコネクション」を試してみよう』


え? 何それ。

FEOの原作を把握してたけど、聞いた事ない単語だ。

それと、FEOでも出回っていない要素だ。

室長さんが説明してくれる。


『演者は基本、エッセンス体にある程度、エッセンスが蓄積すれば辛うじて顕現する事は可能だ。でも、適合者なしでの顕現は不完全で、不安定なものになる。彼女は足りないエッセンスをデメテルのエッセンスで補ったからこそ、姿形はデメテルなんだろう』


『そこでだ。みずの君の適合者としての能力を駆使しよう』


『適合者にはエッセンスという情報の断片の繋ぎ合わせる性質があるんだ。それが「エッセンスコネクション」。これは君が対象の演者と繋がりがなくても、行使できる能力だ』


ん? ああ、これ聞いた事はないけど。

『Fatum』シリーズの第一作で、ヒロインの適合者が主人公の演者のエッセンスを補強する的な描写をしてた。

あれのことか……? 原作勢なら分かるんだろうな~。

次に、室長さんからの指示で『エッセンスコネクション』を実演する事に。


って、これもパズルかい!

連鎖消し系のパスルで、難易度も簡単っぽいので、不得意な人でもクリアできそう?

エッセンスを繋ぎ合わせて、デメテル?さんのエッセンスを回収しまくるぞ。


パズルゲーが終わると、完成したエッセンスの集合体の輝きが表示される画面になった。

室長さんは言う。


『よし。あとはエッセンスの「核」を入れて完成だ』


『エッセンスの「核」……今、みずの君が繋ぎ合わせたエッセンスを留める杭のようなものだ。「核」は君の場合、ツクヨミか。ローマでコネクションを得たブーディカから抽出する事ができるね。どちらを選ぶかは、みずの君が決めてくれ』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ