【スパーダ・アベントラ】剣(保管庫)
検証の結果。
『アンバーソード』は中々便利な性能だった。
まず、取り込める素材は最大10個。
しかも、取り込んだ素材はモンスターなどに盗まれない。
道中『シーフ』という道化師のようなモンスターと遭遇し、そいつには盗む攻撃があるので、わざと食らって検証したので間違いない。
ただし、素材を取り込むごとに重量負荷がかかる。
10個も入っていると片手では持ちあがれないほどになってしまう。
何より重要なのは、剣が進化してしまったら、性能も変化する。
最序盤の剣は、すぐに進化するそうで、こんな便利性能でも消えてなくなってしまうと思うと悲しい。
でも、私は諦めないぞ。
プレイヤーの行動によって剣は進化すると言うなら、徹底して保管庫代わりにすれば、保管性能も引き継がれると信じよう。
いざって時、戦えるように取り込む素材は5つにする。
基本、しばらくは戦わないで、色んな素材を剣に取り込んだり、戻したりしよう。
平原から森に、森から洞窟へ移動する私。
薄暗い洞窟で光る鉱石を発見し、それを『アンバーソード』に取り込むと、あら不思議。
琥珀の淡い茶色の輝きを灯す剣へ変貌。他にも3種類の違う鉱石を取り込んだ。
『アンバーソード』
攻撃:260
性能:光源を発生させる
火種を発生させる。火属性(小)の効力。
防御力(小)アップ
攻撃した対象に毒効果(小)を与える
スタミナ回復(小)
最初にいれた毒花と、薬草っぽい草を含めて、こんな感じの性能になった。
どのアイテムも識別されてない『白い花』とか『黒い石』という表記。
だけど、火種を発生させるのは多分『火打石』を取り込んだんだろうなと察せる。
うーん。これこれ。こういうのがいいんだよ。
やっぱり、事前情報なしで挑んで正解。
オープンワールド探索の醍醐味は、考察・発見さ。
って、うお!?
いきなり、剣が進化する演出が始まった。
頼む! 保管性能はそのままでお願いします!
進化演出が終了すると、剣の刃が透明になって取り込んでいる素材を目視できる姿になった。
『ディスプレイソード』
攻撃:500
性能:アイテムを取り込んで保管する
保管したアイテムは盗まれず、死亡時にロストしない
……え、ええええ!?
違う!? そうじゃない! そうではあるんだけど!!
性能的には悪くない……悪くないんだけど。
色んな効果発揮できなくなって弱体化してるって!
ちなみに『ディスプレイソード』の中にある光る石が光源の機能をしてくれる補正は健在。
取り込める数は……あれ。
5つしか取り込めないんだけど!?
重さは、以前よりちょっと重くなっている……? 中の素材を取りだすと、まぁまぁ軽くなった。
仕方ない。光源の光る石だけを取り込んで、探索続行だ。
道中、ゴブリンやゴーレム、コウモリ型の素早く飛ぶモンスターなどと出くわす。
ゴーレムはこちらから攻撃しなければ襲って来ない。
代わりに、向こうから襲撃するゴブリン系は倒していかないと。
素早い動きをするゴブリンやコウモリは、タイミングや隙を見極めないと大変だ。
何とかそれらを倒しても、ドロップアイテムはない。
結構渋い。
しばらく、洞窟内の探索を続けると、鮮やかな鉱石や植物を発見。
ただ、鉱石は重量負荷がかかる為、薬草っぽい草花やキノコの採取を優先する。
何とな~くレアっぽい草花を『ディスプレイソード』に保管。草花なので重量負荷が少ないのも良い。
にしても……誰とも遭遇しないな。
モンスターが強くないし、最序盤エリアだから私のような新規プレイヤーがうろついている場所だからか?
変則的な動きで飛び掛かる蛇のモンスターを討伐した瞬間。
『称号:モンスター討伐者見習い を 獲得しました』
割と討伐していなかったせいか、すぐ入手できそうな称号をやっとゲット。
称号の効果は、攻撃と防御が10アップする、か。
しょぼい。渋いなぁ。
最初はこんなものとは言え、地味に頑張って行く感じ。悪くはないけど、達成感が低いような。
お、ようやく洞窟の出口が見えて来た!
洞窟に差し込む光を頼りに進めば、渓谷が広がっていた。
開放感ある外に出たが、また気の遠くなりそうな景色に疲労感を覚える。
また登場するモンスターも違うな。
四足歩行のトカゲモンスターから、不気味な植物モンスターまで。
巨大な鳥モンスターが上空から襲い掛かり、モグラモンスターが地中から襲い掛かる。
トカゲモンスターは長い舌に絡め取られないように回避をし、植物モンスターは地中から根っこの攻撃が来るのを地面の感覚で判断。
モグラモンスターも同じく、地中の揺れで判断し、攻撃回避しカウンター。
厄介なのは、鳥モンスターだった。
風を巻き起こす遠距離攻撃を回避できるが、空中にいる鳥モンスターに攻撃は届かない。
斬撃スキルを取得しないと相手は無理。
鳥モンスターの襲撃を回避した先に、渓谷にある街を発見した。




