【Fatum Essence Online】スパイス
どうしたもんかなぁ、と悩んでいると八咫烏さんからエッセンス交換を求められた。
カルナさん、ジャックさん、八咫烏さんとエッセンス交換をしておいて、タクは……まぁいいや。
ついでに八咫烏さんにメッセージを送ってみる。
彼や、カルナさんとジャックさんはタクの現状を把握しているのだろうか?
[八咫烏:病院ねぇ]
[八咫烏:俺のところには連絡来てないけどなぁ?]
[八咫烏:俺よりツクヨミの方がちょろいって思われてるんじゃね?w]
辛辣……それでいて、何だかなぁ。
返事をするから返事をしてくれるし、甘いと、それこそちょろい奴って内心見下されてる訳か。
私は、ちょっとした相談で彼に尋ねてみた。
[ツクヨミ:ヤタガラスさんはゼウスさんの適合者、タクさんをどう思われてますか?]
[ツクヨミ:どうやら、交流関係が上手くいかないせいで、あのような状況に陥っているようです]
[八咫烏:あーねーwwww]
[八咫烏:話通じないから、諦めた方がいいぜ?]
[八咫烏:冗談でもなく何言っても、無駄だし、ナルシスト気質な奴は無視するに限るって]
ナルシスト……?
ピンとは来なかったが、彼の我儘が子供のような駄々っ子ではなく、相手へのマウント取りの為、と考えれば――成程。そういう事か。
すると、タクからメッセージが送られて来た。
内容は……別のVRMMOの愚痴みたいなもの。しかし内容に身に覚えがあり過ぎた。
[ゼウス:さっき気分転換に別のVRMMOをやっていたんですけど]
[ゼウス:ボーっとしていた女の子が放っておけなくて、肩を掴んで呼び掛けたら、セクハラだって]
[ゼウス:僕、そんなつもりじゃなかったのに、酷くないですか?]
あ? 反省してねぇじゃねぇかコイツ。
セクハラの意思があったかどうかじゃなくて、反省してるかどうかだろうが。
私は無関係を装いつつも、こう述べた。
[ツクヨミ:タクさん。あまり馴染みがないでしょうから、ご説明いたします]
[ツクヨミ:VRMMO系ですと、プレイヤーログが明確にデータで残されてしまいます]
[ツクヨミ:今回の場合、タクさんが故意でないにしろ女性プレイヤーの肩を掴んだ事は事実ですし、その接触データも残っております]
[ツクヨミ:その上で、女性側からセクハラだと訴えられると高確率でタクさん側の敗訴になりやすいです]
[ツクヨミ:その女性から明確に訴えると言われましたか]
訴える、という単語にはビビると私も理解しているので、タクに脅し半分でそう尋ねる。
しばしの間、返事がない。
ようやく返事が返って来たかと思えば。
[ゼウス:僕、そんなつもりはなかったのに……どうすれば……]
話通じてないんだけど。
訴えると警告しただけで、訴えはしないと言いまわしてたけど、聞いてなかったのかね。
今回の場合……中身の私が男性だから、微妙ではあるが。
[ツクヨミ:もしもの場合に備えて、貴方の仰っていたご友人に相談して下さい]
[ツクヨミ:弁護士の用意をしてくれると思います]
[ゼウス:わかりました]
これでタクは退散した模様。
頼むから戻って来ないでくれよ。
そして、ここで新たな遠征地と探索エリアが解禁!
インド辺りのここで入手できるアレ……香辛料、スパイス!!
つまり、コレさえあれば『カレー』を作れるのだ!
ありがとう、カルナさん! カルナさんのお陰でここ解禁されたんです!! マジで!
明日になったら、適当に周回してみようかな~と思ったところで八咫烏さんからメッセージが。
[八咫烏:ツクヨミってカグヤをブロックしてんの?]
[ツクヨミ:向こうがブロックしたので、こちらもブロックしました]
[八咫烏:あ~、了解]
[ツクヨミ:チャットルームに顔を出していませんが、もしかしてカグヤさん食糧不足に陥っていますか?]
もしもの場合、それこそ私がいなくなった場合を考慮して、食糧関係を支えてくれる演者とエッセンスリンクを進めておいた筈なのだけど。
他のトラブル……それこそ、タクとのトラブルなら知らないですけど。
[八咫烏:いや、タクの事が気になるらしいんだよね~]
ええ……? 何故??
[ツクヨミ:トラブルに発展したのに、ですか?]
[八咫烏:あの程度の事でブロックしたのは悪かったかも~ってさwwww]
[八咫烏:今更ブロック解除するのも嫌だから、君経由で色々話を聞こうとしてたらしいぜ]
なんじゃそら……
だったら、私程度の事でもブロックしないで欲しいですし、ブロックされた側の気持ちも考えて下さいよ。
遠征をかけるのを終えて、私は一旦ログアウトする。
本当はストーリーモード進めたいんだけどなぁ。ログインする気がしなくなってしまった。
原因はタクにあるけど。
てっきり、これで立ち去ってくれると思ったばかり。
逆に過疎気味になっている『まほ★まほ』の方で、仕事をやっていこうかな……




