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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【ヴァルフェリアオンライン】特訓


「ちゅらちゅらー! ……ちゅら!?」


ドラゴン君がジェルヴェーズ王国の畑で呑気に駆け回っていたら、瑠璃さんから険しい視線を注がれている。

私も瑠璃さんに、ちゃんと説明しておいた。


「瑠璃さん、この子は保護する事になりましたドラゴン君です。よろしくお願いします」


「……な~ん」


「ちゅら……」


ちょっとした審査員になっておられる瑠璃さん。

でも、瑠璃さんは賢いうえ、ドラゴン君が悪ふざけしても窘めてくれるでしょう!

何より、ドラゴン君をここへ連れてきた理由は開放的に遊んで欲しい訳ではない。

文字通りの特訓。

テイムした動物やモンスターを特訓させる事で、スキルを取得させる事ができるのだ!


動物やモンスターのスキル取得は、プレイヤーやNPCと実は同じ。

一定確率で該当スキルの成功判定に到達するとスキル取得が可能なのだ。

が、問題は動物やモンスターがそれをやれるか否か。

ああしろ、こうしろと具体的な指示を与えても、友好度が低いと思った通りに行動してくれない、プレイヤー側と同じ感覚でやれる訳でもない。


じゃあ、プレイヤー側から彼らにスキルを付与・装備できるかと言えば、それも出来ない。

これが『テイム』関連で厳しく難しい要素となっている。

他のVRMMOなら、この辺りは自由自在にやれてしまうものだけど……

現実的に動物へ芸を仕込ませるようなもんだから、知能の高い生物にしか無理っていうね!


でも、ドラゴン系は知能は高い!

散々話題にもなっていたけれど、知能の高さ故に、他プレイヤーたちが他VRMMO感覚でテイムでき、共に活動できる事が良い要素なのだ。


しかし、知能が高い故に、そう簡単に靡いてもくれない。

とくにこのドラゴン君……

ゲルヒィンの件もあってか、今回の私の保護も、いいカモが釣れたぜ~程度しか思っていない模様。

取り合えず、まずは餌で魔素の流れを整える方針で。


私は畑でドラゴン君に教える。


「この色合いの実は好きに食べて構いませんよ。その代わり、水の……こういう色は食べちゃ駄目ですよ。食べたら最悪、死にます」


「ちゅ!? ちゅら!」


死、という意味は理解しているのだろうか。

流石に青系統の水のエレメントチェリーを食べない事を学習してくれた。

食べて良いと促したのは、火と土、あるいはその両方を掛け合わせたエレメントチェリーだ。

どうせ、気ままに過ごすんだったらエレメントチェリーを食べて貰うように誘導するぞ。


「試しにどうぞ」


「ちゅら! ちゅ……! ちゅらちゅら~♪」


火のエレメントチェリーを気に入ったようだ。

土のエレメントチェリーも食べてくれる。

よしよし、では次のステップへ!


「折角なので、君の為にこれを用意しました」


「ちゅら?」


植木鉢に収めたドラゴン君専用のエレメントチェリーである。

私は「見てて下さいね」と、エレメントチェリーに魔素を流し、色合いを変化させていく。


「こうすると好きなように味を調整できます」


「ちゅらちゅら」


「畑のは、いじれない仕様になっておりますので、こちらをご利用下さい。苗の数を増やしたい場合は、私に言って下さいね」


「ちゅら~」


ドラゴン君、どうだろうか。

おお……魔素のコントロールは出来るようだな! 流石はドラゴン!!

ドラゴンは魔素の動きを感知できるそうなので、私のやり方も理解しているようだ。

食べる為っていうより、色を変えるのを楽しんでいるようだけど、問題なし!


「瑠璃さん。私はちょっと出かけなければなりませんので、この子を見守ってて下さい」


「なおん」


畑の警備はキャサリンさん、とナーサリーさん(一応)にお任せしているので問題ないでしょう。

アレクさんの件を誰かに……誰……誰に相談すればいいんだ?

実は公式サイトで確認できるノーブルのNPCは限られている。

ホーエンハイムさんやヴェストゥームさんとか、載っていないんだよね。


……そう言えば、ヘルメースさんは『()()()()』って肩書があったらしいけど。

図書館の資料でジェルヴェーズ王国の国務大臣云々は確認できなかったんだよなぁ。

国籍云々の時も、()()の採決で決定されている、と明記されていた。

つまりNPCの議員とか……てか、もしかして、ほぼ全員議員だったりする?


もし、相談するとしたら……()()()()

その外務大臣が誰かも分からないんだけど!

フレンドのトークルームで私は、キャサリンさんとナーサリーさんに尋ねる事に。



[オギノ]

お二人はジェルヴェーズ王国の外務大臣は誰かご存知でしょうか?


[キャサリン]

アルじゃね?


[ナーサリー]

アルバート



やっぱり、いるんだ!?!? そんでもって知らない!!!!



[キャサリン]

え、逆におぎのん知らなかった? 会った事ない??


[ナーサリー]

マジで言うほど図書館入り浸ってないのか


[オギノ]

お会いしたこともないですし、存在も知りませんでした……

図書館にいらっしゃるんですか?


[ナーサリー]

図書館の裏側


[キャサリン]

最上層の呼び出しで来てくれるらしいよ~、カモが言ってた


[オギノ]

教えて頂きありがとうございます

ちょっと図書館の方に向かいます


[ナーサリー]

ノシ

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