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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【まほ★まほ】熊手


警備?の方をキャサリンさんたちに託し、WFOからログアウトした私は、まほ★まほの方からログインする。

どれだけ、迷惑をやらかしてもめげずにゲーム活動を続けるタクの謎根性に驚き、ちょっと確認の為に、まほ★まほのタクのログイン履歴を確認する為にだ。


で、確認すると……げぇ!?

イベント開催の影響だろうか、ログインしている!

しかも……コイツもメロンの魔法取ってる! 嫌過ぎる!?


折角、メロンの魔法の性能次第でメロンの武器を売りに出そうと考えたのに。

アイツのせいで、メロンの評判すら下がりそうだよ……最悪……

ただでさえ、取得者少ないのに。


気を取り直して、この間、作成した『メロンクォーツの熊手』を携えて、ワープの泉を使って、適当に下級難易度の探索エリアに転移するぞ。

まずは攻撃モーションの確認。


箒系は草部分――熊手の場合は爪となる部分――に魔力が灯る。

その魔力をチャージし、光弾のように投げ飛ばす。

あるいは、レーザービームのように放つ。

はたまた、チャージしたまま接近し、直接ぶつける。

という、三種類の攻撃手段がある。この攻撃は直接持ちながら、飛行しながら、双方可能。


しかし、砲弾とレーザービームはコンボが継続しない。

接近して直接攻撃する場合だと、大振りながらコンボは継続する。

脳筋プレイヤーは後者の接近攻撃をやっている事が多いようだ。


私が試すのは、その脳筋戦法である。

熊手の爪にメロンの魔力を灯して、大振りのコンボをやってみる。

まずは、感覚を確かめるのだ。


適当に振りまわしてただけで、先端の魔力が肥大化しているような……?

ここが『翡翠の都』だからかジェイド系の魔力っぽい煌めきが宿っている、風に見える。

……てっきりアイテムが集まると思ってたんすがね。

試しにモンスターへ攻撃してみるか。


おお!?

なんと、あのスライムを一撃で、ゴブリンや『ワイルドウルフ』もそこそこの攻撃で倒せる!

メロンの魔法で周囲の魔力をかき集めて、攻撃力に変換している訳か!


試しにジェイドの魔力を集めた光弾やレーザービームを放ってみるが……悪くない威力!

何より、メロンの特性である捕縛効果で放った光弾にモンスターが吸い寄せられる。

おお……凄い。凄いぞ!?


他にも、攻撃系アイテムを巻き込んでモンスター討伐。

マーケットで他属性の魔法の素材を購入し、巻き込んで攻撃してみると……うむ!

とんでもない威力! 拡散力のあるルビーの魔力つきだと爽快感ある!!

おお! 新境地開拓じゃあ!


……とは言うが、問題が一つ。

接近攻撃はプレイヤーの素のスペックが重要。

通常ステータスで、補正なしだと……ちょっと爽快感に欠けてしまうのだ。

即ち、服の補正が欲しい。

でも、作っている人がいねぇ!


そんな人の為に、魔法補正なしの装備品を作ってくれる場所が――NPCの店!

NPCの販売店だけが、魔法補正なしの、単純にプレイヤーのスペックだけを上げる装備品を販売してくれている。

こういう特殊魔法を使う時で、強化できない人向けにあるのだろう。


中でも強い装備品が販売されているのは『紅玉の丘』だ。

ワープの泉を使って転移。

相変わらず物々しい、荒れくれ者な雰囲気と街並みを通って、販売店へ向かうぞ。


一口に装備品と言っても種類がある。

動きやすい服装から、防御力ある鎧、攻撃性能や補助性能アップまで。

中でも、高値はするがオーダーメイドで仕立ててくれる店がある。私はそこへ向かった。


外観ではあまりに小さく物置小屋のような建物だが、脇の看板には『オーダーメイド専門店』とある。

中に入っても、狭い空間とメニュー表。

魔法陣の上に浮いた薄いパネルだけの簡素な空間。

薄いパネルはオーダーメイドの注文する操作パネルだぞ。


ふむ……結構、細かい注文が出来るんだな。

実際、ここで注文する人は少ないらしく情報が少なかった。

選択項目があり、プレイヤーが使用する武器や、魔法、特化したい性能などなど、タップしてチェックする形式だ。

その他、衣服をこうして欲しいという具体的な注文項目記入欄がある。


使用武器……あれ、箒系の項目がねぇ!? 肝心なところがー!

別枠で記載するしか……面倒だぁ。

あとは攻撃性能、肉体強化性能アップと、服全体の動きやすさ、ベースカラーは緑。

こんな感じかな?


最後に決定ボタンをタップ。値段の査定がされる。

金額は……35000Mか。

使用素材を提供すれば、その分だけお安くできるそうな。

結構有り余っているので、ほとんどの素材を提供してみたら15000Mまでお安くできたぞ。

完成までにはゲーム内時間3日を要するとのこと。

焦ってもないし、気長に待つ事にしよう。


ついでに『紅玉の丘』の探索エリアへ。

何を隠そう『紅玉の丘』の名称の由来になっているのは、箒の草部分の『ホウキギ』畑の赤色。

ここでは『ホウキギ』を大量ゲットできるのだ。

実際、私と同じように『ホウキギ』目当てで素材回収ポイントだけに立ち寄るプレイヤーの姿が多い。


むむ、あれは!

NPCの『ヤクミ』さんがおられる。

当然ながら『紅玉の丘』でも植物図鑑イベントが発生する。ついでにやっておこう!

彼女に近づこうとした時……あれ? なんか勝手に立ち止まってしまった。

イベントが発生したみたいだな。


「ここで会うとはな。素材集めに来たのか?」


うわ!? 凄い懐かしい……!

私の体が勝手に振り返り、その先にいたのは――結構、前に来店してくれた『ガネット』さんだった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公視点の爽快感と、タク視点の苦み [気になる点] 流れ的に、タクがもう少しでいなくなってしまうかもしれないから寂しい タクは何度でも戻ってきそうだけど
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