表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

160/371

【ヴァルフェリアオンライン】侵入者


昼食を済ませた私は、ノーブルのアカウントでログインする。

ううむ、小屋の中を清掃し、こちらでは蜂蜜トースト、スクランブルエッグ、サラダに改良したコンソメスープという洋風の朝食を頂く事に。


オギノでログインした理由は、こちらでも『魔族の館』の報酬をゲットする為だ。

館そのものはオーガの方でゲットしたから、装備品とか、ガチャチケとか、魔族関連のアイテムとかね。


その前に!

逢魔鴇で沢山ゲットしたお土産を、お世話になったNPCの人達にあげようと思う。

エリーゼさんのロストページもこのタイミングで渡すつもりだ。


小屋から出て……あ、そうだ。

セキュリティチェックとエレメントチェリーの様子は? 問題ない??


「オーギノ! 貴様、いままで何処を放浪していた!!」


って……いきなり、ニューソがいるのだけど……

まあ、一応お土産を渡そうかなと思って近づいたら、彼はとんでもない事を言いだした。


「貴様が留守の間、新入りの異邦人が侵入しようとしていたのだぞ! 私が彼女たちを守らなければ、どうなっていた事か……」


ええ!? うせやろ!!?

改めて『創造言語』の履歴チェックしたら、それっぽい痕跡が。

うわ、怖っ!

こっちでプレミアムパック入っていないから隙つかれた奴かよぉ……これだからVRMMOは!!

今回ばかりは「すみません。対処して頂きありがとうございます」とニューソに頭を下げる私。

ついでにお土産も渡す。


「ふん。であれば、感謝の証としてエレメントチェリーを私のレストランに提供するのだな」


と、ニューソが言う。

彼がそれを要望するのなら、まあ構わないのだけど……だけど……ね?

もしかして、狙ってやってらしてる? みたいな疑念の目を向けてしまうのは当然の事で。

ニューソが分かりやすく焦った様子で「何だその反応は!?」とリアクションする。


「いえ、別に構いませんよ。水と土属性のエレメントチェリーだけでよろしいですか」


「む……一先ず、それだけで……いや! やはり全属性だ! 残りの属性は試作品として送るがいい」


ちょっとした報酬とか貰える?

ううん。今回に関してはNPCと友好関係を築く意味で、積極的に行動しよう。

あと念の為、ニューソに尋ねてみた。


「ちなみに侵入しようとした方が、何方かは……」


「なんだ。貴様ら異邦人同士で交流関係はないのか? バルフォードとナーサリー、キャシーだ。……ああ、キャシーではなく『キャサリン』だったな」


え!?

その内、二人知ってるんですけど!!?

ナーサリーさんって、あの図書館で寝てた人だよね!?

バルフォードさんはヘーゲルさんの宿泊まってた人……残りのキャサリンは知らん!


な、何故……どうして? 怖いよ、何考えてるか分からん。コワイ。

彼らはプレイヤーだからPvP目的で侵入したんだろうか?

本当にタイミングが良かった。

これを期に、小屋にあるものを館の方に移動させてしまおう!



お世話になったNPCの方々にお土産を渡し巡る。

なんだろう、反応が何と言うか淡白で薄い、社交辞令感覚だから喜んで貰えているのか分からん。

私は古のVRMMOプレイヤーとして、ちょっとでも好感度を稼げていると信じるしかない。


最後に手渡す事となったのはコーデリアさん。

彼女はキッチンカーで国内を転々としている為、マップで位置確認をしなくてはならない。

転移魔法で移動した先にいる彼女に「どうも」と話しかける。

コーデリアさんは相変わらず無表情、クール系なトーンで「いらっしゃい」と返事をする。


でも、一定の好感度を得られているお陰か、ちょっとした反応があった。


「久しぶり。逢魔鴇で沢山食べれて満足?」


「え、あ、はい……向こうの食事は美味しかったですね」


相変わらず行動筒抜けの個人情報ばら撒き!

オーガのアカウント作った事も見抜かれてしまうのか……お土産買った事も?

しかし、買ってしまったものは、しょうがないので私は『銀ノ峰』の工房で購入した兎の置物を渡す。


「その……これ、お土産です。つまらないものですが……気に入らなかった捨てても構いません」


「ふーん。なんで兎なの」


「ちょっと、コーデリアさんに似てるので」


「オギノーは私が性欲凄いように見えるんだ」


違うヨ!?!?!?!?!??!


「ち、違います! その、この、耳がコーデリアさんのツインテールっぽい感じ」


「はぁ?」


うう……もう止めて……コロシテ、コロ、シテ……

なんか、凄い。NPCから初めて威圧感ある「はぁ?」を言われちゃったよ。悪気なかったのに。

駄目だ……ノーブル相手に好感度高めるの難し過ぎる。

私が末期状態になっているのを他所に、コーデリアさんはお土産の置物をキッチンカーのカウンターに設置する………


え!?!?

そこに置いちゃうの!!??!??!

恥ずかしい! 流石に恥ずかしいって!! 嬉しいけど恥ずかしい!

他プレイヤーの人達にこれあげたの私とか言わないでよね!!?


「そうだ。オギノー。レーピオスがオギノーのこと探してたから、病院に行ってあげて」


「え? はい」


……な、なんだろう? 接点なかったのに……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ